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Tom Waits [ Closing Time ] 東芝音工 IAP-80856
長年探していたトムウェイツのファースト、東芝音工の初回盤です。
USオリジナルは3万超えで無理なプライス。セカンドプレスでも8.000円くらいで流通してます。 因みにオリジナルの品番はSD-5061です。
タイトルを直訳するとそのまま「閉店時間」となる有名な名盤です。お店のバーゲンコーナーでこの日本盤見つけた時は手が止まりました。しかも白アサイラム(その後パイオニアに移りクラウドレーベルになる)。
そして値段が440円。歓喜の雄叫びを上げるのをぐっと我慢してさりげなく抜いてきました。
タイトルの雰囲気そのままのジャケ、右上にかすかに写る時計の針は3時23分(勿論AMでしょう)。3時まで営業していてその後店を閉めて「今夜の売り上げ全然じゃん」というような顔でピアノにもたれかかるトムウェイツ、いい雰囲気のジャケです。発売は1973年。
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この作品は80年台にCDで買って、まったく良くなくてすぐに売ってしまったのです。20代後半の私では、トムウェイツの渋さなんぞわかるはずも無かったのは言うまでもありません。
その後、イーグルスがこのアルバムの1曲をカバーしいつかはまた聞けるかも?と思い、せっせとアルバムを集めだしたのです(最初はサードのライブから)。
今改めて聞いて思うのはこのファーストが一番声が聞きやすい(汗)。
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日本盤なので解説、歌詞もあります。が、肝心のOL'55の歌詞に大きな間違いがあって、OL'55を高速道路55号線というような解釈をしているのです。さらに再発のパイオニアでは「懐かしき55年」という全く見当違いの邦題までつけているのです。
「このOL'55というのはT型フォード55年製の事です」とツッコミたくなります(笑)
という私も後から知ったのですけどね(汗)
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なぜか、USオリジナルのインナースリーブも入っていた。
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この時東芝音工の担当者の人はアサイラムレーベルをもっと広めたいと思い、このようにアサイラムフレンズというファンクラブまで作っています。確かにこのレーベルはハマると呪縛のように逃れられない魅力的なアーティストの宝庫。勿論私もその一人(汗
Impression
この後セカンドくらいまでは非常に聞きやすくてわかりやすいのですが、その後はダミ声がさらに強烈になっていき、かなり気合いを入れないとなかなか聞き込めない作品が多いのです。が、私も歳を取りなんとか聞けるようになってきています。でも自分的にはこのファーストが一番かな、と思ってましたが最近はその後のダミ声エスカレートする時代もようやく好きになってきてます。
My Favorite Songs
OL'55
もはや説明の要らない名曲ですが、発売当初はどうだったのだろう?。やはりイーグルスのおかげなんでしょうね。この曲がイーグルに取り上げられたおかげでトムの家にプールが作れた。と後日話してました。
I Hope That I Don't Fall in Love with You
そのままの流れでつながるように2曲目。チープな音がするアコが凄くいい雰囲気を出してます。1~2曲目の流れとしては最高です。
Virginia Avenue
ジャジーな夜に相応しい曲。その後のジャズっぽい音になっていく前触れのような曲です。こんな渋い曲が20代の私にわかるはず無かったのですが、今は凄くハマります。
Old Shoes
いかにもSSW的な曲。この曲のカバーは無いのだろうか?誰が歌ってもイイ感じに仕上がると思うのだけども。
Midnight Lullaby
まさにタイトル通り、真夜中の曲です。A面の白眉ですね。深夜にウイスキー飲みながら聞くのが最高でしょう!ボーボンよりもスコッチのがイイと思いますよ!
Martha
A面最後に相応しいララバイ。捨て曲無しの素晴らしさ。
Rosie
OL'55と同じような感じの曲。というかほとんど同じ(笑)と言うことでこの曲も大好き。
Little Trip To Heaven
A-6と同じような雰囲気。サックス、もう溶ろけそうになります。この曲を聴いてイイと思わない人にはトムウェイツは無理でしょうね。
Grapefruit Moon
歌モノの最後です。いかにもアサイラムのSSW的な楽曲。ピアノ弾き語りでしっとりと聞かせます。
Label
日本盤ですが、この白アサイラムは本当に魅力的。
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左に小さく(SYL9007)と書いてあります。この品番はUKアサイラムの品番です。
マスター盤はイギリスから渡ってきたということになります。この当時アメリカオリジナルでもUK経由で送られてくる事は普通の事だったのです。
アサイラム時代のトムはこれ以外はオリジナルで揃いました。ただその後の作品は高騰していて手が出せません。
トムウェイツってなんでこんなに高いのだろう?