【朗読用フリー台本】ラーメン好きな天使と、悪魔の誘惑
昔々、あるところに、ラーメンが大好きな天使がいました。
天使はラーメンがとても好きなので、毎日ラーメン屋さんに通っていました。
ある日、天使がラーメン屋さんに行くと、天敵の悪魔がいました。
天使がいつものように、あっさり味のラーメンを食べようとすると、悪魔が言います。
「フフ......へただなあ、天使くん。へたっぴさ…!
天使くんが本当に食べたいのは…こっち…!」
「この『ニンニクマシマシヤサイマシアブラカラメ』だろ?」
「だけど、あっさり味のラーメンでごまそうって言うんだ。
天使くんダメなんだよ…!そういうのが実にダメ!」
悪魔はそう言って、天使の前で、
「ニンニクマシマシヤサイマシアブラカラメ」を毎日食べました。
悪魔は天使を誘惑するために、毎日油がたっぷりのラーメンを食べていましたが、実は美味しかったのは初日だけで、さすがに連続で油っこいラーメンを食べるのは胃がもたれてしんどかったです。
本当は自分の好きな辛いラーメンが食べたいと思いながら、悪魔は天使を堕落させるために油分たっぷりのラーメンをがんばって美味しそうに食べていました。
しかし、魔界健康診断に引っ掛かって、もうラーメンを食べてはいけないとお医者さんに言われてしまいました。
自分の好きな辛いラーメンも食べられなくなって、悪魔が家で悲しんでいると、なんと悪魔の家に天使がやってきました。しかも、何やら手に料理らしきものを持っています。
悪魔は警戒しました。 コイツ、ラーメンが食べられなくなったオレの目の前で、旨そうにラーメンを食べて、オレを苦しめるつもりなのか……!?
しかし、天使が持ってきた料理の正体は、蕎麦でした。 天使は言います。
「ボクも天界健康診断で、結果が悪かったんだ。あっさり味でも毎日ラーメンはやっぱりダメだったみたい。ねえ、一緒にお蕎麦ダイエットしない?」
それから、またラーメンが食べられるようになるために、2人は仲良くダイエットしましたとさ。めでたしめでたし。