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文学フリマ大阪12の振り返り(販売の工夫の備忘録など)

こんにちは。
フリーランスでイラストレーターをしている なるのあやねです。

少し時間が経ってしまいましたが、
文学フリマ大阪12にてブースにお越しくださった方、
情報の拡散にご協力くださった皆様、本当にありがとうございました!

遅ればせながら、イベントの振り返りをしていきたいと思います。


緊張のなか迎えた当日 / 頒布物のラインナップ


実は憧れのイベントではありながら、文学フリマには一般参加をしたことがない状態でサークル参加に臨みました。

会場のOMMビルには足を運んだことがありましたが、
こんなに人数を収容できるホールがあること自体初めて知ったレベルで、
いろんな「未知」にドキドキしながら入場・陳列準備・開場となりました。

前日まで自宅にポストカードやポスターが届く、というギリギリのスケジュールでしたが、ブースの雰囲気をイメージしてイラストを書き下ろしたのはよかったなと思います。

以下が設営直後の、スペースの様子です。

陳列。敷き布がしわしわだ!と当日焦るも、あとのカーニバル!

当スペースはノンフィクション・エッセイの島です。
頒布物は以下の通りで、合計7種でした。

<新作>
・「上手くいく日もそうでない日も、好きと暮らす」がテーマのエッセイZINE
・小説家沙藤一樹さんの著書を紹介するファンブックZINE
 (合同サークル運営者のへびさん作)
・ポストカード
・書き下ろしフリーペーパー(A4に絵と手書きテキスト)

<既刊>
・「好きの燃え尽き症候群」をテーマにしたZINE
・ガールズイラスト集(A5サイズ)
・ガールズイラスト集(CDジャケットサイズ)

販売についての振り返り①売れ行き

販売についての振り返りを備忘録として、そして同じようにイベントに出る方の参考にもなれば…と書いていきたいと思います。

まず、販売の結果ですが、思っていたより沢山の方に試読やご購入をいただき、
想定より多くの冊数が旅立っていきました。

WEBカタログもまめに更新していましたが、当日までの「気になる!」は5でした。なので「多分あんまり人は来ないだろうなぁ」と思っていたのですが、
結局「好きと暮らす」新刊ZINEは完売、「好きの燃え尽き症候群」ZINEも同じくらい購入いただきました。
へびさんのZINEも、試読コーナーから来てくれた方がいるなど、根強く手にとってもらえました。
どれもこだわって丁寧に作ったZINEだったので、共感して購入くださる方がいることが、本当に嬉しかった。
ポストカードや既刊の作品集もご購入があり、幸せでした。

何より、人とのコミュニケーションが嬉しかったです。共感してくださったり、購入時にご自身のお話をしてくださる方もいて、励みになりました。
友人知人も来てくれ、元職場の方や日頃よくしてくださる方に差し入れをいただいたり。会場やスペースへ足を運んでくれることがとても有り難く、嬉しかったです。

4月に開業してからは、一人で家にこもっていることが多い(というかほぼそう)ですが、人に気にかけてもらえるって有り難いな、お返ししていきたいなとしみじみ思いました。
やっぱり、人に会えるのはリアルイベントの醍醐味ですね。
健康に気をつけて、仕事を頑張らねば・・と思いました。

人波が少し和らいできた時間帯に買い物に出かけたのですが、コミティアとまた違うラインナップで、楽しくて沢山買ってしまいました。

あとは吉本の芸人兼作家さんたちや、作家さんご本人がいるのも凄い。
個人的には、滝本竜彦先生が自らスペースに座ってらして、めちゃ驚きました。
「超人計画」をボロボロになるまで読んでいたので、握手やサイン、お話もできて嬉しかったです。作家さんと会えるなんて夢のようだな〜とふわふわしました。

帰りに、サイゼリヤで焼きチーズドリアを食べて帰りました。
文学フリマはお祭りのようでした。!

販売についての振り返り②よかった点

次に、WEBカタログでは注目度が低く、初出店の状態で、想定より購入いただけた理由について、考察も交えて振り返っていきたいと思います。

多分一番よかったのは、A4・A5サイズで作成した紹介パネルかなと思います。

新刊ZINE。上:目次の抜き出し、中央:キャッチフレーズ、下:書影 となっています


1)大フォント&シンプルデザイン&分かりやすいキャッチフレーズの内容案内が
2)遠くor通りすがりで見えやすい角度で、パネルとして立ててあり
3)その近くに、通路側に手に取りやすい形で本が置かれていて、試読できる

これによって、足を止めやすいスペースになったのかなと。
百均のミニキャンバスやスマホスタンドなどは、いい感じの角度で立て掛けられておすすめです。

パネルやタイトルが分かりやすいと言っていただいたこちらの既刊は、試読や購入も多かったです


自分が買い手として周回した時に思ったのですが、
立ち寄ったり、サンプルを手に取るかは、「そのサークルがどんな傾向のものを扱っているのか」「作風はどんな感じか」といったことが、
遠目でもわかることが、結構ポイントになるなぁと思いました。

そう思った理由は、ごく個人的なことなのですが、
私自身が、「一つ一つのサークル全てを立ち読みすることはできないが、できるだけ興味あるサークルを多く見つけたい」かつ「自分のペースで、購入をじっくり考えたい」というタイプでして。

いざ自分が買い手として回ってみると、長く立ち止まったら邪魔ではないかと気になることもあり、早足で通路を移動しながら常にキョロキョロしていました。
なので、ポスターやパネルに大きく分かりやすく、扱うジャンルや新刊内容を一言でも書いてくれていると親切に感じました。
具体的だったり、フックになるような言葉とセットだったりすると、なお興味が湧いたり。そしてフラフラと沢山購入へ…

私の例で言うと、「好きに関するZINE」ではなく、「好きの燃え尽き症候群と向き合うZINE」とキャッチフレーズを具体的にしたのも、
内容を分かりやすく伝えられたら、もしかしたら興味を持ってくれるかもと感じたことが元々のきっかけです。

こまやかな親切さが大切なのかもしれないと思いました。

そして何より、エックスのフォロワーさんが拡散に協力してくださったのも大きかったと思います。告知ばかりで申し訳ない気持ちでしたが、皆さん応援してくれて、本当に嬉しかった。
イラストレーターなのに文字ベースのZINEを作るといういつもと違うチャレンジをしたにも関わらず、応援してくださり本当にありがとうございました。

販売についての振り返り③今後の改善

こうしたらよかったかな?と言う点についても、書いていきます。

<フリーペーパー>
そんなに来訪がないだろう、と家のプリンターで数十枚フリーペーパーを刷ったのですが、割とハイペースにお渡ししたので、中盤には無くなってしまいました。

本と出会うことで世界が広がる女の子をイメージして描いたイラストと、
テキスト、各種QRコードが載っています。

最後は購入してくれた方同士で譲り合っていただいたり、後半に引き返してきてくれた方にも渡せない感じになってしまい、申し訳なかったです。
通販の方にも同封するために追加でも印刷したので、次は多めで調整したいと思います。

(とか言って、次は全然もらってもらえないかもしれませんが・・こういう予測できない感じもリアルイベントって感じですね。)

今回のフリーペーパーは「文学フリマ大阪号」としましたが、例えばですがタイトルをイベント名にせず「サークルだより Vol.1」などとしてイベントごとに作る、といった形にしておくと、
在庫がなくなるまで各イベントで配っても違和感がないし、リピーターさん側も楽しくていいかもと考えています。


<ポスター>
A2ポスターは全面イラストにしましたが、どこかに一行テキストを入れるなど、
「どういったものを取り扱うサークルか」を分かりやすくした方がよかったなと思いました。

すでに少し書きましたが、自分の経験だと、会場での視線の動線が
①「遠くから見て分かる」(雰囲気、ポスターの文字など)
②「通りすがりで見て分かる」(A4パネルなど)
③「手にとって、中身が分かる」(カバーをかけたサンプル)
という順番になると感じたためです。
今回うちのスペースは2、3はできましたが1ができなかったなと。


<手に取りやすいスペース作り>
置き場所の関係で奥に置いた既刊は、サンプルと分かるものを一番上に置いていても、ほぼ手を伸ばす方がいませんでした(通路から遠い、売り手の私のすぐそばのスペース)。

既刊で、パネルなども準備しなかったことも原因としてあると思うのですが、
15センチほどであっても、やはり売り場の奥側には手を伸ばしづらく感じられるのだろうな、と思いました。
売りたい・目玉の本は、手の取りやすいところに置くのが大切ですね。

かつて紙製の本棚をうまく使いこなせなかったので平積みに戻した、という経緯もありまして、スペースの縦幅は現状あまり利用していないのですが、陳列は今後も研究していけたらなと思います。


〈購入してくれる方とのコミュニケーション〉
自分が買い周りした際、売り場が混んでいて購入後はすぐ立ち去った方がいいかな?と思ったお店があったのですが、
流れ作業的でもおかしくないところ、お会計の時、サークル主さんが短めに話しかけてくださり、丁寧だな〜と思う瞬間がありました。嬉しかったです。

ここは感じ方も十人十色だと思うので、今後も購入者の方と、お相手にも自分にも無理のない範囲で、コミュニケーションを取れたらいいなと思いました。


イベント自体について

文学フリマ大阪12は参加スペースが800越えでした。会場規模と合わせると収容可能なレベルはこれがギリギリかなと感じました。次回の大阪会場は未定だそうですが、これ以上の来場者になるのなら、大阪ならインテックスあたりになるのかな。

個人的には、一通り見て回ってから辿り着いてくれる人が多いと思われる当サークルには、現状の規模がありがたいですが、
少しずつ自分もレベルアップしていけたらいいなと思う所存です。

また、試読してくださる方が多いのも驚きでした。文学という特性上、関西コミティアよりも内容を試読するという文化が
根付いているのかもしれない。じっくり読んでくださる方も多かったです。試読がラフに出来る文化はいいですよね。

購入した本はじっくり読んでいきます!
嬉しい!

全部素敵!


今後のイベント参加について/通販


最近はテキストメインのZINEが2冊続いたので、イラストメインの本を出していきたいなと思っています。がんばりすぎず、ゆるくやるぞ〜。
次は来年1月の関西コミティアに出ます!

そして今回頒布した本の通販はここからできます。
よかったら遊びに来てください。!

なるのあやねのおみせやさん


最後に わかりやすさと「文学」について

売り場のわかりやすさについて書きましたが、何もかもを具体的・分かりやすくすることが必ずしも正しいとは思っていなくて。

無理にありふれたコピーや、変に大きく見せるような表現に落とし込んでしまうことは魅力を損なうし、
そもそも一言で言い表せないことを伝えたいからこそ、本という体裁になっているとも思うので。

ただ、新刊のエッセイにも書いたのですが、自分が初出展でイベントで売れなかった時に、
「自分の作品に全然魅力がないんだ」と思ってめちゃくちゃショックを受けたのですよね。

でもその本も、イベント規模・売り場レイアウト・売り方などを変えたら普通に売れた、という経験があったので、
私の切ない経験が、誰かの何かの参考になればな…と思って書きました。
大切に作られた本が、大切にしてくれる人のもとに届きますように。


私も、今は紹介パネルが大きいですが、今後の売り場の目標は「家の近所の、居心地の良い本屋さん」みたいな店構えです。

今後も「魅力的なものをつくる」と「本の魅力が伝わる、親切な売り場作り」の両方を、丁寧に考えていきたいなと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございました!
感謝を込めて。お元気で、またお会いできますように!

なるのあやね 拝



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