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心の底に残る言葉

12月30日の朝日新聞の天声人語は、耳底に残る言葉を思い出し、今年一年を振り返るというものだった。私にとっての今年の言葉は何だろうと振り返った。

今年は近所の美術工芸品のギャラリーへ毎日のように足を運び、珈琲を飲み、ギャラリーの店主のお話を沢山聞いた。
なぜ世界大戦が起こったのか、茶の湯での利休の思惑など。
歴史好きで、本の虫が話す店主のお話は、知的好奇心がくすぐられて本当に面白い!!
そしていつも、一本筋が通っている。
私の記憶力が悪く、そのお話を詳細に書けないことが残念だが、私の心にはぐっと色濃く残っている。

そんな店主の今年最後に聞いたお話が、「自分の頭で考えることの大切さ」だった。
作家さんの作品を店頭で販売したり、個展を企画したりなどプロデュースをする仕事柄、作家さんによっては悩むこともあるらしい。
個展をするのに自分は作るだけ、作品を送るだけで売ることは店主任せ。『売れなかったらまぁ、仕方ないよね。』とどこか他人に任せっきりで、責任感がないのだそうだ。(付き合いが長いのもあるのかもしれないけれど)
一方、「来年もここで個展をやれますか?」と自ら店主へ話し、個展の時も自ら宣伝をし、店頭にも立つ。自分の将来の展望を考えながらライスワークを続け、作品を作り続ける作家さんもいるのだそう。

自分はプロデュースをする仕事柄「こうした方が良いんじゃないか。」と意見は言うけれど、その意見は鵜呑みにしなくて良い。その意見を聞いた上で自分で考えることが大切だ。と話していた。

私には、「今自分がやりたいこと、今の時代の流れ、自分に足りないものを知りどう補うかをミックスして自分で考えなさい。」と話された。

今年は文章を書いて発信したり、陶芸家の方へインタビューをして記事にしているが、全くダメなことに気がついた。
諦めようかと弱い心が出る時もあったが、私本気でやったのか?一旦、本気でやってから今後のことを考えよう!と思い直し、来年からライティングゼミを受講することを決めた。一度きちんと文章を学び、赤入れをして頂き、ギャラリーの店主のことも文章で残したい。器の魅力についても書きたい。

来年も店主のこの言葉を胸に刻み、自分の頭で考えて生きたいと思う。

なんだか書いていたら、耳の底ではなく心の底に残る言葉になった。

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