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息子が2人とも別のカタチでホームスクーリング中です!

中3長男と小5次男が、2人とも平日家にいます。長男がランドセルを背負って小学校に行った日が懐かしいです。当時、いや完全不登校になる小6まで、我が子が完全不登校になるとは想像したことがありませんでした。しかも、2人とも不登校になるとは。

2人が学校へ行かずに自宅学習しているわけですが、全てを受け入れるまではかなりキツかったです。でも、今は「それなりにいいんじゃない!?」と思える状態にやっとなりました。ここまで来るのに約3年。我慢大会に参加している心境です。


息子たちが不登校になって良かったこと

不登校と聞いたら、「大変だろう」と思われるかもしれません。私自身、不登校の母親という当事者になってからも、そう思っていました。しかし、今の私は心底「不登校になってくれてありがとう」と思っています。なぜなら、自宅にいるから、子ども達と向き合わざるをえない状況になり、人生で初めて真剣に子ども達に向き合うことができたからです。

長男が不登校になるまでは、私の価値観を押しつける子育てをしていましたが、本人たちが何を思い、何を望んでいるかを確認し、本人たちの意思を尊重するようになりました。子ども達が不登校になる以前は、私は子ども達の心の声を聞こうとしていなかったのです。

息子たちが不登校になって大変だったこと

不登校になると、基本的に家にこもることになるので、心身を健康に保つことを家庭内でなんとかしなければなりません。さらに、義務教育の年齢の場合は、本来学校でする勉強を、家にいながら可能な範囲でカバーする方法を見出す必要があります。学校教育の代わりとなる家庭教育を、ホームスクーリングといいますが、ホームスクーリングも子どもひとりひとりにあったカタチを模索し、保護者がそのサポートをする必要があります。

ホームスクーリングとは?

「ホームスクーリング」という言葉が聞きなれない方も多いと思います。ホームスクーリングは英単語のhome schoolingをそのまま使っており、 学校 に通学せず、 家庭 を拠点として学習 を行うことです。

私がホームスクーリングという言葉に初めて出会ったのは、アメリカに留学していた時のクラスメイトから、自分の娘たちの教育を、学校に通わせずに母親の自分が行っていると聞いた時です。現在も、ホームスクーリングを続けているようですが、勉強はオンラインコースなども利用し、自らが課外授業で色々なところに連れて行ったりしているようです。

背景として、アメリカではホームスクーリングの歴史は古く、家庭で教育を行うという考え方が存在し、18世紀から19世紀にかけて、ホームスクーリングが一般的な教育形態として広まったようです。この時期、多くの家庭では子どもたちが家で学ぶことが一般的で、教師が家庭訪問して個別に指導することもありました。

現在アメリカでは、全ての州でホームスクーリングが合法化されています。一般的に就学年齢から高校卒業年齢までの子どもたちに適用されます。おおむね5歳から18歳までの年齢層です。

日本では、ホームスクーリングは不登校や引きこもり気味の子どもに向けた教育法だという認識の方が多いかもしれません。しかし、海外ではポジティブな理由でホームスクーリングを選ぶご家庭も多いようです。もう少し、世界のホームスクーリングについてみていきましょう。

ホームスクーリングが合法の国

アメリカの他にも多くの国でホームスクーリングが合法化されています。例えば、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど。これらの国々でも、ホームスクーリングに関する法律や規制は州や地域によって異なることがあります。英語圏の他にも、イタリア、ノルウェー、フランス、デンマークなどでも合法です。

ホームスクーリングの合法化された背景に、家庭の自由と教育の選択肢を広げることが挙げられます。しかし、教育熱心で学校に行かせない親と、子どもの教育についていい加減で学校に行かせない親の両方が存在するのではないでしょうか。

現にイギリスでは、ホームスクーリングは合法ですが、親は教育を提供するための資格を持つ必要があります。また、教育省に定期的に報告する義務があります。教育の自由と子どもの学ぶ権利の保障を天秤にかけながら、各国・各州が方針や制度を決めているといえます。現に、ホームスクーリングが違法の国の数も負けてはいません。

ホームスクーリングが違法の国

ホームスクーリングが違法または厳しく規制されている国も、合法の国と同様にたくさんあります。例えば、ドイツ、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー(12歳未満の子供に対して)、オーストリア(15歳以上の子供に対して) 、ギリシャ 、ベルギー 、イタリア 、ポルトガルなどです。ホームスクーリングが合法の国は英語圏が多い印象でしたが、北欧をふくめ、ヨーロッパで違法の国が多いようです。

これらの国々では、公教育の質を保つためや、社会全体の教育水準を一定に保つために、ホームスクーリングが禁止されています。また、子どもたちが社会的なスキルや多様な視点を学ぶために、公立学校での教育が重要視されているようです。

(参考1:What Countries is Homeschooling Illegal and Legal
(参考2:https://hslda.org/legal/international

日本のホームスクーリングは合法なのか

日本では、ホームスクーリング(自宅での学習)については、文部科学省が作成した教育指導要領に明言されておらず、グレーゾーンだといえます。ホームスクーリングを行う家庭の多くは、子どもを形式上は学校に籍を置いて「不登校」として扱いながら、実際には自宅で過ごすことになります。

長男のホームスクーリング

中3の長男は、小6の7月から完全不登校で、中学には入学式にもその後も、一歩も足を踏み入れたことがありません。しかし、学校との連携は取れており、中学に入学してから毎日、教室での授業をオンラインでつないでいただいて授業を受けています。

本人はHSC(ひといちばい敏感な子ども)のため、ビデオはオフで参加していますが、毎日自分で起きてまじめに授業を受けています。ZOOMのチャットで先生とやり取りをすることもあるようです。学校に行けないので、定期テストは一度も受けたことはありませんが、中2から本人の意思で課題だけは自分で取り組み、母親の私が学校に届けています。

また、中学は毎年担任の先生が代わっていますが、朝の挨拶や個人懇談は顔を出してZOOMで話しています。中3の担任の先生は、学校の帰りによく家に立ち寄ってくださり、長男はいつもうれしそうです。2人で我が家の玄関で笑いながら話しているのが、微笑ましいです。学校に行けていなくても、担任の先生とのかかわりは、一生の思い出になると思います。親としては涙が出るほど、ありがたいことだと思っています。

長男は「学校には行けないけど学校の授業は受けたい」という本人の意思を尊重していただき、学校の授業をオンラインで受けるという3年間を過ごしました。無理せず自分のペースで毎日を過ごすことができたことで、エネルギーが溜まってきます。その結果、自分のペースで通学できる単位制通信制高校への進学を希望し、11月に合格をいただきました。中3になってから、単位制通信高校の合同説明会に2度参加し、オープンスクールで学校に足を運びました。最終的に雰囲気がよく、自分が希望するコースがある学校が見つかり、本人も、親の私も安堵しているところです。

不登校の息子の高校受験を通じて分かったのですが、日本では小学校や中学校に在籍する必要があります。なぜなら、次の学校への出願書類に、その前に在籍する学校を書く欄があります。また、日本の高校を受験する際、「中学校からの内申書」を提出する必要があります。

我が家の場合も、第一志望の高校への受験が急に決まり、担任の先生に内申書作成をお願いしたところ、早々にご対応頂くことができました。進路の担当の先生が内申書を作成してくださったとのことでした。学校が内申書を作成できるように、学校とのコミュニケーションを続けるとよいでしょう。

現在は、不登校の生徒の対応について、学校や教育委員会によって対応が異なる場合が多いようです。場合によっては教育委員会との協議が必要になるかもしれません。

我が家の場合は、学校と担任の先生に全ての情報を共有し、連携して長男の3年間を支えてきました。途中で教育委員会に承諾を得なければいけない事案が発生したときも、学校から教育委員会に話をしてくださり、承諾を取りつけてくださりました。感謝の気持ちでいっぱいです。

次男のホームスクーリング

次男は学校へ行ったり、行かなかったりですが、ここ2週間学校に行けていません。それでも、次男の場合も担任の先生に状況を全て話して上手く連携しており、3学期は学校へ行けたらいいな、と思っているところです。

次男の場合は、それまで一緒に学校に行っていたお兄ちゃんが不登校になり、調子が狂って不登校気味になりました。心が不安定になってしまったので、安定して学校に行けなくなったようです。

兄の玉突き不登校が始まったのが、小2。小3も不安定で3学期は完全不登校。そのときは、「先生の声を聞きたくない」と言って、オンラインで授業をつなぐこともできませんでした。小4から別室登校を始め、小5の1学期にようやくクラスに合流できました。

しかし、今年の8月に好きで始めたソフトボールが週末2日とも練習か試合があり、がんばりすぎで疲れて心身ともにダウンしてしまったのです。しばらくは、心が回復するのを待つしかないと、1週間休んでいるうちに、学校に行きづらくなってしまいました。

「このままでは2学期はホームスクーリングになるな」と私が思い、担任の先生に事情すべてお話して、可能な日はオンラインをつないで、学校と完全に距離が空かないようにしました。また、勉強面では学校で使用したプリントとテストを金曜日に一週間分受け取り、翌週の自宅学習で使用することにしました。本人の様子を見ながら、本人が得意な科目からプリント学習をしさせています。全部できなくても、頭がさびつかないようにして、勉強が遅れているという気持ちを本人に持たせないようにできたら、と思っています。

不登校の子どもが日中通えるオルタティブスクールというものがあるようですが、長男はそこに行くよりも地元の学校の授業をオンラインで受けることを希望して3年間やり遂げました。

次男の場合は、オンラインを接続しても、それに集中するタイプではありません。また放っておいたら、ゲームをするか動画をみるしかないので、自宅で母親の私が声掛けしてプリント学習しています。そのため、手がかかるし、時間もとられます。それでも、今の過ごし方が将来につながると思っているので、一層のこと次男との時間を楽しもうと開きなおって過ごしています。

最後に、私たちはコロナ渦で翻弄されましたが、学校でもオンラインの活用が進んだという追い風もあり、学校の授業をベースとするホームスクーリングも可能になりました。お子様が不登校になったとき、十人十色だとは思いますが、学校に相談して協力できるのであれば、子どもを支えるのが精神的にも物理的にもラクかもしれません。お子様のホームスクーリングを考えるうえで、少しでもヒントになることがあれば幸いです。

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