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【風の時代の養生学】四十肩・五十肩。やらなきゃいけないこと、やってはいけないこと。

四十肩・五十肩。ある日突然、肩が痛みで挙がらないというのが、いわゆる五十肩のイメージですよね。でも、実は症状も個人差が大きく、原因も治療法もはっきりしない疾患です。

数ヶ月で治る人もいれば、数年かかる場合もある。放っておけばある日突然治るという人もいれば、治療をしないと一生肩が動かせなくなるという人もいる。

正式名称は「肩関節周囲炎」

だいたい、四十肩・五十肩って、名前からして中途半端。40、50、なんで併記?どっちかに統一していいんじゃないの? 50過ぎたら「私は四十肩」って言っちゃダメ? いろいろスッキリしません。

ちなみに正式名称は「肩関節周囲炎」。たんに肩周りに炎症がある状態といっているだけですね😅

あいまいなワリに、要注意なのが「肩の痛みを伴う他の疾患」が多いこと。おすすめのツボや漢方薬は次回ご紹介にして、今回はまず五十肩の基本を押さえておきます。

五十肩の定義

いわゆる「五十肩」は、50歳代を中心とした中年以降に、肩関節周囲組織の退行性変化を基盤として明らかな原因なしに発症し、肩関節の痛みと運動障害を認める疾患群

佐藤毅ほか:骨・関節・靭帯 17(10):1079-1083, 2004
回復経過に1年前後を要するとされるが、一方で平均約7年後にも半数の患者に何らかの痛みや可動域制限が存在していた

Shaffer B, et al.:J Bone Joint Surg Am 74(5):738-746, 1992

上記、東北大学整形外科教室のサイト「わかりやすい 五十肩・肩の痛み」より引用しました。基本的な解説や治療法、Q&A、文献がコンパクトにまとめられています。

やさしいQ&A

東北大学のサイト、ちょっと難しいという方におすすめなのが、一問一答でやさしく解説している「慢性痛治療の専門医による痛みと身体のQ&A」

やってはいけないこと

五十肩でやってはいけないのが、素人判断で五十肩だと思い込んで、ストレッチや体操を頑張ってしまうこと。

「五十肩は放っておくと、関節が固まってしまうから痛くても動かさなければいけない」というのは、慢性期から回復期の五十肩には当てはまりますが、腱板断裂だった場合は症状を悪化させてしまいます。

五十肩と間違いやすい疾患

・上腕二頭筋長頭腱疾患
・肩峰下滑液包炎
・腱板炎
・石灰沈着性腱板炎
・腱板断裂
・変形性肩関節症
・凍結肩

上記は、いわゆる五十肩と言われがちな疾患の数々。原因、痛みの出方、可動域、治療法、それぞれ違いがあるので、できる限り明らかにしましょう。

下記、間庭整形外科さんのサイトでは、五十肩と間違いやすい疾患について詳しく解説しています。

やらなきゃいけないこと

整形外科に行っても、湿布をくれるだけじゃ〜ん、という人、けっこういますよね。私もなかなか病院にいかない人です😅。

肩の痛みは、まずレントゲンを撮ることで、骨折や鍵板断裂、石灰化に伴う炎症など、原因と治療がはっきりする場合もあるので「とりあえずは」という感じで診察を受けるのがおすすめ。

でも、こちらからいろいろ主張しないと「あ〜、五十肩ですね〜、ヒアルロン酸注射しましょう。で、湿布と消炎剤出しておきますね〜」で終わってしまい、数週間、数ヶ月経っても、たいして良くならないことも多いです。

それで発症から数ヶ月経ってから鍼灸治療に行くと「もっと早く来てくれれば、すぐに治ったのに」とか言われるわけです。が、東洋医学の話はまた今度。

整形外科に行ったら、「どんな時に、どんな痛みや可動域制限があるか」を、できるだけ細かく伝えることが大切。痛みがひどくなる時間帯、手を挙げる向きや角度による痛みや可動域の違いなどを、メモしておいてしっかり伝える。

「医者にすべておまかせ」で治るなんてラッキー、そんなにないです。治療は共同作業。うるさい患者ではなく、治療に積極的に関わる患者になりましょう。

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