たまに、昼にこういう定食が食べたくなる。
冬服をしまって、Tシャツと短パンを引っ張り出した。
ヒートテックのこまかい繊維がおへその穴にたまり、夜には大きな一粒の毛玉になる。そんな季節も終わった。
おへその穴にできた毛玉はお風呂に入るときに取り出して、せっせと小瓶に集めてきた。この冬、とれた毛玉は合計10個くらいか。どこかで見せたいが、見せるほどのものなのかわからない。
短パン、久々に履いてみて気づいたけど、すごく便利だ。僕はナイロン素材のを何枚か履き回している。
ジムで運動もできるし、そのままプールにもいける。備え付けの脱水機にかければ、外に履いて出て10分くらいでかわく。短パンを買うならスウィムパンツなどと記載されているものを選ぶと一石三鳥くらいになると思う。
いろんなチキンカレーのレシピを見て、全部その通りにつくってみると、味はそんなに変わらない気がしてきた。当たり前のようにどれもうまい。
最近はなにも考えずにつくるようにしている。焼きそばをつくるみたいに。
鶏肉を切る、ヨーグルトと3〜4種のスパイスにつけておく。玉ねぎを切って炒める。にんにくとしょうがのおろしたやつを加えて炒める、トマト缶をいれる、チキンをマリネ液ごと入れる。最後に塩で調整すればだいたい味が決まる。
毎回きっちりとレシピをみているのは、2022年9月号のdancyuに載っていた「焦がしバターのカルダモン・キーマ」と「クローブ・ポークビンダルー」あたり。どちらもやや手が掛かるけどびっくりするくらいおいしい。そのふたつを同時につくると忙しくて無心になれる。
最近、サウナ、町中華につづいて、いつか若者に取られてしまうのではないかと怯えているのが東武東上線だ。大山から成増にかけて各駅にめちゃくちゃいいお店が揃っている。
安くておいしい居酒屋、ワインとパンの店、おしゃれな本屋、ありえないくらい安くてうまい居酒屋など、具体的な店名はひとつも書かないがすごいことになっている。
こんな発見ができたのもリモートワークのおかげだ。昔は仕事後に東武東上線の沿線に繰り出すなんて考えられなかった。いまは日中、わりと近くで仕事をしていることもあって、ふらふらと引き寄せられていく。
推しという言葉がそんなに好きではなくて、積極的にはつかってこなかったけど、もしや自分の推しは東武東上線なのかもしれない。駅がボロいところも、電車とホームの隙間が広すぎなところも、いまでは愛おしく思っている。
東上線は最高だ。これは箱推しというやつなのか。
山手線の内側に出かけていく気力が落ちているのは年齢のせいよりも東武東上線のせいだ。一番お金を落としている沿線になっている。
「東上線の最高にうまい店リスト」なんて記事はたぶん書かない。お店にいる人たちの顔を見ているとそういうのは違うな…というか、今度一緒に行けばいいので。
このあいだは大阪から東京にやって来た友人を、あろうことか東上線沿線で3軒連れ回してしまった。悪いことをしたと思ったが、その友人は翌日、中野のシティーハンター展に行ったそうなので、なんとなく許された気分になった。
午前中にmtgをいくつかやって、ちょっと複雑なメールも送って、「あ、そうだ。これもやっておこう」みたいな雑務を(だいたいおしっこを我慢しながら)一気にこなすと、たまに、学生さんみたいながっつり定食を体が欲してしまうことがある。
23-24AW最後のヒートテックを脱いで、ロンTに短パンで出かける。
店がまえは多少古いが、きれいなカウンターといくつかのテーブル席、小上がりのある町の定食屋。昼からビールが飲めるし、夜は居酒屋のようにもなるお店。そんなリストがおじさんにはある。
ハムエッグに生姜焼きをつけて定食にする。ビールを飲むとしたら何からいくか。まぐろぶつ、たこぶつにしよう。その後、揚げ物にいってサワー系だ。
そんな妄想をしながら料理を待つと…。
こういうとき、最初にちょっとだけ、お味噌汁をのむ人って多いんじゃないかと思う。僕もそうだ。そこからキャベツ、生姜焼きへ。
もりもりご飯をたべたら、少し遠回りをして歩いて戻るのがいい。
そうすると眠くならない。