共感を学んだ八王子のアムステルダム
こんにちは。
自分のくせ毛を受け入れるのに35年かかった
八王子のゴッドハンドことNarukamiです。
今回の記事は私が美容室で勉強になった
”共感の仕方”の記事です。
少々、愚痴っぽいかもしれません。
苦手な方はお戻りくださいませ。
〜いつもの美容師さん〜
お世話になりはじめて早10年。
私のくせ毛を3割くらい理解してくれている、
そんな、かかりつけの美容師さんがいる。
ありがてぇ。ありがてぇよ・・・
3割だと少ないような気もするが十分だ。
イチローさんと同じやゾッ!!
それまで0割ばかりだった私にはとても貴重な存在。
うっかりするとジョルノ・ジョバーナのような
ステキ前髪になってしまう私はもうギャンブルはしない。
あの前髪はジョルノだから、DIOの息子だからこそ
許される唯一無二のスタイルなのだ。
そんな私がいつものように信頼している
八王子の美容師さんのところへ行った時の話。
今の俺たちって、どういう関係なの?
〜どうも、うちのくせ毛がすいません。〜
その日、私はいつもの美容師さんに
いつものように髪をカットしてもらった。
ふんふんっ。
明らかにイメージとは違うけれど、
帰ってからワックスでセットすればいっか。
これが私のいつもの定番コースだ。
美容室でセットしてもらっても、
自分のイメージになることは100%ない。
あれは美容師さんたちの闘争本能なのだろうか、
はたまた好奇心に負けてしまうのだろうか。
私のくせ毛をムースでモフモフにして、
どこの羽毛布団だよって感じに仕上げてくれる。
もしくは大阪のおばちゃんみたいになる。
大体この2パターンだ。
そんなことしないで普通にしておくれ。
いつも心の底から願ってはいるけれど、
その願いがかなったことはない。
オシャレな感じにしようとすると、
オイラの髪はノアの箱舟が必要になるくらい
大きく、そして荒々しく暴れだす。
明らかに変な頭になるので、
美容師さんも”あっ、あぁ〜”って顔になるのが
最高に腹ただしい。そしてナゼか申し訳ない。
なのでセットはしないで帰ることにしている。
〜だれだキサマは〜
その日、いつもの美容師さんは大忙し。
予約の取り方まちがえましたよね?
また今度きましょうか?
と悪意なしに伝えようかと思うくらい忙しそう。
そんなこんなで、いつもならばカット後
シャンプーとブローもしれくれるが、
その日はちがった。
「じゃぁ、お願いします。」
美容師さんがそういうと、
あきらかに新人ですって感じの
ハタチそこそこのおねいさんが立っていた。
ハッキリ言って、カットさえしてもらえれば、
シャンプーやブローなんてどうでもいい。
その考えがあまかった。
シャンプー台へ案内してくれるおねいさん。
ナゼか、私との距離が妙に遠い。
「私、あなたのコト無理なんで。」
と、無言で伝えられているような絶妙な距離感。
目は・・・笑ってない。
口は・・・笑ってない。
スーパードライかよ!!
ブローなしで髪が乾いちゃうよ!
ま、もともと俺たちって、
シャンプーとブローだけの関係だもんな。
と、ナゼかむなしくなる。
むしろ、妙になれなれしく話しかけられるより
オイラはそういう方がスキだZE。
高級ガウンとバーボンが
似合いそうな気分のまま、
私はシャンプ台へと足を運ぶ。
すると、おねいさんが話しかけてきた。
「お仕事大変ですか?」
だれだキサマは!!
八王子のアムステルダム
〜急に話だしたら止まらない〜
急にお仕事大変ですかと言われても。
「えぇ、まあ。大変ですね。」
そう答えるしかあるまい。
ねぇ、そう答えるしかあるまい?
気分をよくしてくれたらしいおねいさん。
ナゼか急に話だす。
「仕事って大変ですよねー」
「シャンプーしてると腰が痛くなるんですよー」
なるほど。なるほど。
仕事の大変さを共感してくれようとしてるんだね。
私もたいへん。
だから、あなたの大変さもわかるわよ的なやつだ。
しかも、僕と美容師さんの話を聞いていたのか、
腰が痛いなんて整体師の私向けトークまで
してくれているんだね。
でもさ、シャワーの音でよく聞き取れないねん。
頑張ってるのわかるけど、
聞き取りずらいねん。涙
とりあえず、一生懸命なにか話しているので
「腰が痛いんじゃツライですねー」と
薄っぺらい返事をした。
シャンプーが終わって席に戻ろうとすると、
今度は妙に距離が近い・・・
案内してほしいのに
君が横に立ってどうする!!
前に立つのだ!!
ジャンヌダルクのように先陣を切り
私を席へ導くのが君のおつとめや!!
「えっと、さっきの席でいいですか?」
ナゼかお導きをもらえない私、
振り絞るようにおねいさんに聞くと。
「あ、はい。さっきの席で。」
なんだろう。
少し楽しくなってきた。
日本流のおもてなし接客じゃない。
これは、まさか・・・
噂のヨーロッパスタイル!?
こんなところでお目にかかれるとは、
さすが美容師さんってのは流行に敏感だZE。
〜あるあるネタの王道ブロー問題〜
ブローしてる時に
話しかけられると聞き取りずらい。
ブロー中の会話は
大声で話すからつかれる。
これは美容室の課題だろう。
整体院を営んでいる私の場合、
耳がとおい高齢者がくると、
大声でやり取りするのでノドがつかれる。
だから必要最低限の情報だけ聞いて、
あとは寝ててもらう。
これがお互いのためだと思っているからだ。
「じゃあ、髪乾かしていきますねー。」
おねいさんは重そうなドライヤーの電源を入れ、
髪をパラパラしながら乾かしはじめた。
「朝とかツラくないですか?」
仕事大変の流れですね。
わかりますよ。
朝起きるのツライ、仕事行くのキツイ。
そういう話の流れですね。
「結構、長く寝るので遅い時はツライですね。」
「ふーん。」
エェーーーっ!!
まさか、まさかのスルーですか!?
「朝ツライですー」とか
「朝起きれなくてー」とか言わないと
ダメだったってコトですか?
遅い時はツライなんて、
そんな条件いらないってコトですか。
無条件で朝はツライって共感しないと
ダメでしたか!?
ちくしょう。俺のバカ!?
ここはヨーロッパスタイルだぞ。
もっと、紳士的にブローしてもらうんだ。
そう思ってはみるものの。
なんだか会話が噛み合わない。
なんだか気持ちが圧迫される。
なんで俺はヨーロッパにきちまったんだ。
いや、ここは東京の端っこ八王子だ。
ナゼにこんな追い込まれているのだろう。
相変わらずおねいさんは髪をパラパラしている。
「ほんと、仕事ってダルいですよねー。」
ついに、おねいさん本音言ってもうた。
「えぇ・・・」
そう苦笑いするしかできなかった私を
誰がせめることができよう。
そして、ハッとする。
どうも、私が接客してますねぇ。
なんで、おねいさんの機嫌を気にしてんねん!!
ブロー中(仕事中)に仕事だるいって、
キサマさてはヨーロッパスタイルじゃないな?
ただのグチじゃないか・・・
そう、一見共感をよそおった
ただのグチじゃねぇかっ!!
なるほど、だから疲れるのか。
共感とグチはセットなの?
ちまたの奥様はファミレスで
グチを言い合うと聞くが本当だろうか?
だとしたら、こういう仕組みだろうか。
グチる→共感する→グチる→共感する
もし、この仕組みで満足するならば、
おねいさんの先にグチるは正解だろう。
私が先にグチるから共感してね、
次はあなたのターンだからねっ。
俺のターンっ!ドローっ!!
って感じがベストだと判断したのもうなずける。
ただ、大きな問題がある。
ここは奥様の憩い処
昼さがりのファミレスではない。
美容室なのだ。
仕事ダルいと言っている人に、
ブローしてもらっても心苦しい。
「そんなにツライなら自分でやるから、
そこの席でお茶飲んで休んどき。」
そう言いたくなる。
その時、勉強になるなぁ〜。
と、心の底から思った。
本当に勉強になる。
グチる→共感する→グチる→共感する
この、ツライことに共感するという
仕組みも素晴らしく甘い蜜。
しかし
楽しいこと→共感する→楽しいこと→共感する
この仕組みにあてはまるお客さんの方が
定着率が高いことに気づいた。
死にたくなるほどツライ時は、
グチ共感セットの方がリピートしたくなる。
平常時は楽しいこと共感セットの方が
リピートしたくなる。
あまり意識して使い分けていなかったけど、
これは勉強になるなと思った。
私の場合は整体院の経営なので、
美容室とはちがうのかもしれない。
ただ、グチ→共感のセットは
なんだか疲れるなと思った1日でした。
よく、ポジティブに生きようとか言うけど
私は全くそんな類の人間じゃない。
むしろ、ネガティブを極めし者である。
そんな私でも、仕事中は超楽しい。
それは、お客さんたちがいつもいつも
楽しい話を聞かせてくれるからだ。
私はその話の内容がわからないことも多いが、
お客さんの楽しい気持ちに共感している。
悲しい話の人もいるけれど、
その人の中にも楽しい話が眠っていたりする。
共感は出来事ではなく、気持ちに同感すること。
相手がどんな気持ちなのかを聞かずに、
言葉だけ共感してるフリをしても疲れるだけ。
仕事がダルいおねいさんは
もう、あの美容室にはいない。
自分が楽しく働ける職場に出会えてるといいな。
Narukami