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鬼柚子

歯科医院の帰り道に少し回り道しました。300メートルほど歩いた路傍の家の庭に高さ2メートル余り、細めの木が10本くらいも根元から分かれていたのでしょうか、その木に直径12センチもある(今測って見ました)表面に大きな凹凸のある果物が生っていました。
驚いてみているとその家の奥さんらしい人が帰って来ました。不躾でしたが「これは何ですか」と聞いてみました。
その方は、鬼柚子です、と教えてくれました。その木の側に来られて手を伸ばして鬼柚子をもぎ取ろうとされたのでびっくりして私は、「採らないでください。そのまま生っている方が素敵ですから」と言ったのですが、それを私に下さって、更にもう一つもいでくださったのでした。
お礼の言いようもない気持ちでしたが、とにかくお礼を言って持って帰りました。
一つはすぐに砂糖煮にして食べていますが、一週間は楽しめそうです。お歳暮にいただいたものがあるのでそれをもってお礼に行きたいと思います。頂き物ですが、当地では珍しいものですからこれを差し上げたいのです。

見知らぬ人に気軽に声を掛けられるようになったのは10年くらい前からかな、と思います。
よぼよぼするようになってから人様が私に親切にしてくださるのです。本当にありがたい事です。
甘え過ぎないようにしなければ……。

いびつなので妻が測り直したら14センチもある、と言っていました。

お礼に行きましたら息子さんがいて、気持ちばかりのお礼の品と私の本『山のふところ』を差し上げましたら、今度はリンゴとプリントと9日に戴いた鬼柚子よりも二回りも大きい、測って見るといびつなので大きなところで、17センチもある鬼の首のような鬼柚子を一つ下さいました。
本当に気前のいい方で、またお礼に行きたいようですが、限がなくなりそうです。

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