判例百選の比較

 こう書いてみるとあまり意味のあるものにはなりませんが、判例百選について思うことも述べつつ比較してみました。


各百選の確認

7科目と選択科目はそろえていますが、それ以外は医事法くらいしか持っていないため、確認もその範囲にとどめています。

憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ 各第7版

・編者
 長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿
・出版年月日
 2019年11月30日
・ページ数
 Ⅰ 236頁
 Ⅱ 228頁
・価格
 各2300円+税
・掲載判例数
 合計208件(106+102)
 (Appendix 19件)
・資料
 事件記録符合
 最高裁裁判官一覧

行政判例百選Ⅰ・Ⅱ 各第8版

・編者
 齋藤誠・山本隆司
・出版年月日
 2022年11月30日
・ページ数
 Ⅰ 261頁
 Ⅱ 271頁
・価格
 各2500円+税
・掲載判例数
 合計250件(126+124)
・資料
 行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第84号)新旧対象条文
 旧行政不服審査法/行政執行法/訴願法/行政裁判法/明治23年法律第106号/行政事件訴訟特例法

民法判例百選Ⅰ・Ⅱ 各第9版、Ⅲ 第3版

・編者
 Ⅰ 潮見佳男・道垣内弘人
 Ⅱ 窪田充見・森田宏樹
 Ⅲ 大村敦志・沖野眞已
・出版年月日
 2023年2月20日
・ページ数
 Ⅰ 208頁
 Ⅱ 208頁
 Ⅲ 208頁
・価格
 各2200円+税
・掲載判例数
 合計300件(100+100+100)
・資料
 なし

会社法判例百選 第4版

・編者
 神作祐之・藤田友敬・加藤貴仁
・出版年月日
 2021年09月15日
・ページ数
 236頁
・価格
 2500円+税
・掲載判例数
 102件
 (Appendix 44件)
・資料
 なし

民事訴訟法判例百選 第6版

・編者
 高田裕成・畑瑞穂・垣内秀介
・出版年月日
 2023年09月30日
・ページ数
 264頁
・価格
 2800円+税
・掲載判例数
 113件
 (Appendix 42件)
・資料
 なし

刑法判例百選Ⅰ・Ⅱ 各第8版

・編者
 佐伯仁志・橋爪隆
・出版年月日
 2020年11月30日
・ページ数
 Ⅰ 224
 Ⅱ 256頁
・価格
 Ⅰ 2300円+税
 Ⅱ 2500円+税
・掲載判例数
 合計131件(107+124)
・資料
 事件記録符合

刑事訴訟法判例百選 第11版

・編者
 大澤裕・川出敏裕
・出版年月日
 2024年3月30日
・ページ数
 284頁
・価格
 2800円+税
・掲載判例数
 100件
 (Appendix 56件)
・資料
 刑事手続に関する統計資料(たくさん)

労働判例百選 第10版

・編者
 村中孝史・荒木尚志
・出版年月日
 2022年1月30日
・ページ数
 232頁
・価格
 2400円+税
・掲載判例数
 111件
・資料
 なし
・その他
 旧版との収載判例の異同が掲載

医事法判例百選 第3版

・編者
 甲斐克則・手嶋豊
・出版年月日
 2022年7月30日
・ページ数
 232頁
・価格
 2500円+税
・掲載判例数
 109件
・資料
 医学情報の提供に関する各種指針
 医学研究・先端医療技術に関する政府指針
 生殖補助医療に関する各種指針
 終末期医療に関する各種指針

比較

 表形式で作ればいいものをnoteでの表の作り方がめんどくさそうだったのでよくわからなかったので、ただの羅列です。
 また傾向がつかめることを期待して、出版年度も記載しています。

事件番号の振り方

分冊されている上三法と行政法で確認

連番
 憲法(2019)・行政法(2022)
非連番
 民法(2023)・刑法(2020)

Appendixの有無とその配置

Appendixあり
巻末配置
 会社法(2021)・民事訴訟法(2023)・刑事訴訟法(2024)
適宜配置
 憲法(2019)

Appendixなし
 行政(2022)・民法(2023)・刑法(2020)・労働(2022)・医事法(2022)

判例百選新旧対照表

あり(有斐閣HP)
 行政(2022)・民法(2023)・会社法(2021)
 民事訴訟法(2023)・刑事訴訟法(2024)
あり(書籍内)
 労働(2022)
なし
 憲法(2019)・刑法(2020)・医事法(2022)

目次での判決日の有無

あり
 憲法(2019)・行政(2022)・民法(2023)・会社法(2021)
 民事訴訟法(2023)・刑法(2020)・刑事訴訟法(2024)
 医事法(2022)

なし
 労働(2022)
∵労働法の判例は事件名がついていることが多い(例:三菱樹脂事件・東洋酸素事件・大成観光事件など)ため、判例の判別が容易である。から?

雑感

 Appendixの有無は、ないならないで、他のテキストで補完すればいいので、あまり気になる差ではなかった。
 目次の判決日の不記載(労働法)についても上記の理由からあまり問題にはならない。

 しかし判例百選の対照表はそこまで使うものではないが、最近発行の刑事訴訟法では確認することがあるし、一定の必要性があるように思う。
 また事件番号の振り方についても好みの範疇ではあるが、連番のほうが好みである。百選掲載判例のメモをするときに「百選Ⅱ-81」より「百選187」のほうが書きやすいし、読みやすいと思っている部分があるので。

 完全な余談ですが、(弘文堂から出版されている最新重要判例と同様に)判例索引が解説中の判例にも対応してくれるととてもありがたいのですが……。

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