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#227 箱根駅伝の往路を見て「育成」を考える

さいこうの物語を紡ぐ。
幸せな”はたらく”を個と組織に。
ナラティブサポートの上村です。


箱根駅伝往路をTV観戦

昨日は年始の恒例行事、箱根駅伝の往路を見ていました。
昔から早稲田大学を応援しています。その理由は小学生時代に見た当時の早稲田のエースの渡辺康幸さんの走りに衝撃を受け手感動したからです。
それ以来、縁もゆかりもないけど、早稲田ファンです。
(昨年ビジネスコースを修了した青山学院大学ごめんなさい)

さて、そんな早稲田大学は5区の「山の名探偵」こと工藤慎作選手の活躍もあり、往路3位という好位置でフィニッシュしました。復路も楽しみです。

今までも、渡辺康幸、佐藤敦之、竹澤健介、大迫傑と大エースが誕生しましたが、2011年を最後に優勝から遠のいているので、今回の躍進は嬉しかったです。流石に青山学院が強いので今年の優勝は難しいかもしれませんが、若手も育ってきていて、来年も逸材が入ってくるので、来年以降にすごく期待をしています。

早稲田大学復活のポイント

早稲田大学はスポーツ推薦でも、学力の試験もあり、またスポーツ推薦枠も少ないために、他の強豪校と戦う戦力的には近年苦労しておりました。しかしここ数年、少しずつ復調の兆しが見えています。それは監督による効果もあるのではないかと思います。

花田監督の就任

現在の駅伝監督は花田勝彦監督。選手としても1993年の優勝メンバーでその後、五輪など世界の舞台でも活躍した方です。2022年から卒業校である同校の監督に就任されました。それまでにも上武大学や実業団の監督も経験されていました。

ちょうど昨日の躍進を受けて、ネットでニュースを見ているとTHE ANSWERというサイトの記事が良かったので、そこでのインタビュー内容を引用させていただきます。

コーチングの実践

花田監督は実業団の監督時代にコミュニケーションの重要性を大きく感じ、ビジネスコーチングの資格を取得されたようです。今もその資格と経験を活かして、学生とも全選手を対象に個別面談を年に数回行っているようです。

この記事の中で部下育成という視点で考えた時にビジネスの分野でも当てはまる大事な視点がたくさんありましたので、2つ引用したいと思います。

自分の考えを持っているということ

「自分で考えなさい」と選手によく言っているようで、次のような言葉もインタビューでおっしゃっていました。

「自分の考えを持てるようになると選手は強くなる」
「勝ちたいならどうするのかというのを自分たちで考えていかないといけないと思うんです。そのために私の経験談を話して、自分達ならどうするのかを考えててもらう」

https://the-ans.jp/coaching/coaching-coaching/492071/

能の世界で言われている教えで「師を見るな。師の見ているものを見よ」という言葉がありますが、監督が経験したものをそのまま聞いて実践するだけでは、監督以上の成果は出すことが出来ないし、コピーロボットになってしまって応用が利かなくなります。

特に変化の激しい現代は「適応課題」という人や組織によって正解が様々な「答えのない課題」がたくさんあります。そのような時代に必要なのは「自分の考えを持っていること」ということを改めて感じました。

花田監督が上手なのは、ティーチングとコーチングを上手く使い分けているという事です。

「最初からそういうことを考えることができたわけではなく、最初はティーチングをしていろいろ教え、その中から自分で選択してもらいました。3年、4年と競技者として強くなってくると、そこからコーチングに切り替えます。本人の話をよく聞いて、その能力を引き出してあげる。勝つためには、個々のレベルアップが不可欠なので、そのためにどうするのかというのを、いつも学生に投げかけています」

https://the-ans.jp/coaching/coaching-coaching/492071/2/

ティーチングとコーチングの関係性は仕事においても次のようにまとめられますが、しっかりとスキルの難易度とその相手のスキル熟練度を把握したコミュニケーションが大事になってきます。

コーチングとティーチングの使い分け

長い物差しで人間育成をしているということ

早稲田はスポーツ推薦の面接の時に花田監督は必ず次の事を聞くようです。

「将来、どうしたいのか。どこを目指すのかは必ず聞きます。その際、卒業後も高いレベルを目指して、将来はマラソンで五輪に行きたいとか、明確な目標を聞けると嬉しいですね。常にひとつ上の目標を持つことはすごく大事なんです。」

https://the-ans.jp/coaching/team-building/492401/


そして次のようなこともインタビューで語っておられます。

「本人と対話をしながら目指すべきところは箱根なのか、世界なのか。その中で箱根駅伝をどう戦うのかお互いに理解して臨むようにしています」

https://the-ans.jp/coaching/coaching-coaching/492071/2/

箱根駅伝を優勝することを目的にしてトレーニングするのか、将来世界で戦うために箱根駅伝をどう考えるのか?世界を視野に入れた時点で、箱根駅伝優勝はそのための通過点になります。よく組織でも売上1億を目指すぞ!と言うと8千万止まりになったりしますが、2億を目指すぞ!と言うと、1億はゆうに超えるといった事は想像できるのではないでしょうか?このように自分の視座を高めることで、1つ1つの目標が達成しやすくなります。

そして、指導する上で軸としていることについて次のように語られています。

「競技力とともに人間力を育成することが大きなテーマとしてあります。(中略)引退後の人生の方が長いわけですから社会に貢献する人間を育成していかないといけない。競技者としての成長はもちろん、社会に出ても魅力ある人間を育てていくことを考えて指導しています。」

https://the-ans.jp/coaching/coaching-coaching/492061/2/

本当に自分の事を思ってくれていると思える人の存在

人は自分のことを本当に思ってくれる人には信頼をするし、惹かれるものです。このような事を思ってくれる指導者のもとであれば、学生も頑張ろう、付いていこうと思えるのではないでしょうか。

7つの習慣にも引用されているゲーテの言葉に次のようなものがあります。

「現在の姿を見て接すれば、人は現在のままだろう。人のあるべき姿を見て接すれば、あるべき姿に成長していくだろう」

人の育成で一番大事な事はこれではないかと箱根駅伝を見て改めて感じました。

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