ビオラ~パリ・アン•パレット~の物語
短編小説『パリ・アン・パレット〜一輪の花が紡ぐアートと人々〜』
かつて、ビオラの一輪がパリの小さなアトリエに咲いていました。
その名も『パリ・アン・パレット』。
このビオラはただの花ではなく、美しい芸術作品のような存在でした。
その色合いは一見すると単なる紫や黄色ではなく、その中には紫陽花のような淡いブルー、夕暮れ時のオレンジ、果ては緑やピンクまでが織り交ざっていました。
それはまるで抽象画家のパレットのようでした。
芸術家たちがこのビオラに触発され、新たな作品を生み出していくうちに、『パリ・アン・パレット』はパリ市内でも評判になりました。
アトリエのオーナー、オオノはこの美しいビオラが多くの人々に喜びをもたらしていることに心から満足していました。
ある日、詩人のキヨシがアトリエに訪れました。
彼は『パリ・アン•パレット』に見とれ、その場で美しい詩を書き上げました。
その詩はビオラの色彩が如何に美しく、またその存在がどれほど多くの人々に影響を与えているかを歌い上げていました。
~パリ・アン・パレットへのオード~
紫陽花のような淡いブルー、
夕暮れ時の情熱のオレンジ。
ああ、パリ・アン•パレット、君は真実のアート、
一輪の花に封じ込められた無限の世界。
パレットの上で舞う色たちは、
夢と現実の境界をぼかす。
アトリエの隅で咲き誇る君は、
多くの魂に触れ、心を豊かにする。
君の花びらは、オオノの筆が紡ぐ
素描以上のものを私たちに与えてくれる。
君は静寂の中でさえ、
多くの言葉と感情を喋り続ける。
そして今、君の美に導かれ、
エッフェル塔の影に咲く新たな庭。
ナナが紡ぐ緑のカンバスに君は映える、
パリの新たな伝説として。
パリ・アン・パレット、君はただのビオラではない、
君は生きた詩、動く絵画、息をする音楽。
君の存在が、この街に新たな色と光をもたらし、
多くの人々の心に永遠の足跡を残す。
時が経ち、『パリ・アン・パレット』の名は広まり、ついには有名な庭園デザイナー、ナナもその美しさに目をつけました。
彼女はこのビオラをエッフェル塔近くの庭に植えるプロジェクトをスタートさせました。
その後、このビオラはパリ市民から愛され、多くの観光客がその美しさを訪れる名所となりました。
そして、『パリ・アン•パレット』はただのビオラから、パリを代表する芸術作品へと変貌を遂げました。今もその美しい花びらは、多くの人々に芸術と自然の美を感じさせ、インスピレーションを与えています。
品種名が決まるまでの物語
『園芸とスポンサー』
このタイトルからは、何が言いたいのか、全く読み取れないと思います!
なにせ、こんなことを考えて、実行に移す園芸家は、世界中探しても、おそらくワタシくらいしかいないでしょう〜笑。
なので、そんな今までの常識では誰も考えもしなかった企画として、このビオラの品種の名前を作り出すことをスタートさせているので、そのお話をちょっと書いてみようかと思います。
ナラティブフラワーズでは、随時、色々な挑戦はしているのですが、そんな中でも、この企画はかなり異例な企画でございます。
それが、、、
『ビオラ試作No.1のラベルスポンサー権』
です。
そもそも、この企画名だけでは、なんのことだかよくわからないかと思いますので、ちょっとお話しさせていただきますね!
まず、ここ数年で、園芸業界で出回る花苗には、ラベルというものが付くことが当たり前となりました。
10年くらい前には、考えられなかったことだと思います。
普通の花苗ですら、ラベルをつけないと、市場での評価はグッと下がるという現象になっているのです。
もちろん、仕入れるお花屋さんとしても、ラベル付きの苗と、ラベル無しの苗では、当然、同じ価格で、同じ品質で仕入れるのであれば、ラベルがあった方が良いことでしょう。
例外的ではありますが、一部の一流店では、ラベルがない方がいいというお店もあって、そういったお店は、そのお店独自でポップを作って、商品の説明をつけることで、統一感が出て、ラベルがなくても高級なイメージがあったりします。
そんな中で、そもそもこのラベルにはどんな意味が必要なのか??
そんな根本的な疑問を私は常に持っていました。
最初の頃は、ラベルは花と一体となったときに、商品価値が上がるようにデザインすべきだ、
という考えがあって、ラベル自体も商品の一部であると考えていました。
そして、そのラベルは、自社のPRにもつながる要素を入れておいて、宣伝をする媒体にもなってもらおうと考えていました。
でも、そんなことも、ここ数年で、当たり前のことになってきて、なんだか、ラベルというものの価値がだいぶ下がったのではないかな〜と思ったのです。
経済学的にいうところの『コモディティ化が進んだ』という状態です。
そこで、ワタシはもうちょっと、別の角度から意味づけをしてみてはどうなるのだろうか??と思ったのです。
そこで考えたのが、、、、、
スポーツ選手のユニフォームです。
例えば、プロテニスプレーヤーやゴルフプレーヤーは、色々な企業からスポンサーさんになっていただいて、その資金によって、活躍するためのトレーニングや大会への遠征費などを補助してもらっています。
そのかわり、その選手が活躍すればするほど、そのスポンサーのロゴがユニフォームや帽子などに入っているので、一般に認知されやすくなり、宣伝費になります。
このスポンサーと選手の関係って、とてもいいことだな〜と思っていたのです。
選手はスポンサーさんのためにも、全力で頑張る、
スポンサーさんは、選手を全力で応援する、そして活躍すればするほど、喜ぶ。
この関係性がとても重要だと思ったのは、ファンとアンチの関係性と違うところなのです。
なんの話かというと、、、
例えば、、、特定のアイドルのファンだったとします。
まだ、知られていない時から応援しているファンの中には、そのアイドルが猛烈に活躍していって、みんなに知られていって、人気が爆発してくると、、、、
「俺は最初から応援していたのに、、、、」
とファンでなくなってしまう、ということがおきます。
はたまた、そこから新しく入ってきたファンに対してのアンチ活動に発展することもあったりします。
これは、アイドルだけに限ることではなく、ファンとの関係性の構築というのは、そのアイドルがどのような文化を築いていきたいかということを、逐一発信し続けないと、うまく関係性が続かないことになります。
もちろん、ナラフラではそうならないように、この場を使ってきちんとワタシの思いや考え方も発信していって、楽しい文化を作りたいと思っております!
その一方で、スポンサーと選手という関係性は、とにかく応援する、活躍すればするほど、もっと応援する、という関係性になります。
逆に選手が、結果が出なければ、そこで打ち切りというスッパリとした関係性でもあるので、選手も努力を怠らないことでしょう。
それを園芸の世界でやったらどんな効果が出てくるのか??
ということを試してみようというのが、この企画なのです。
そして、、、このスポンサー権を実際に販売してみたのです。
このスポンサー権を購入してくださったお客様とは、何度か打ち合わせさせていただいて、このビオラの品種名をつけていただきたいとお願いをしたのです。
まず、品種の名前を考える、
これが、結構大変なことなのです。
植物の品種改良をして、その出来上がった新しい植物に名前をつけるわけです。
けっこう重大な責任とプレッシャーがかかるわけです。
そんな重大な役割を、
今回、スポンサーさんになってくださったOさんに、お願いしたのです。
ただ、、、
全部、何もかもどうしたらいいのか、というヒントもなしに、丸投げというのは、全くもって、優しさがないので、そこは、スーパー優男であるワタクシは、きちんと、名前を考えるポイントをお伝えしたわけでございます。
それは、こんな感じで、お伝えしました
↓
〜〜〜〜
いきなり、名前を作り出すのは、かなり難しいことなので、まずは、キーワードを思いつくままに、書き出してみてください!
それをまずはお送りいただければ、そこからさらに深掘りしていって、品種の名前を作っていきましょう〜!
〜〜〜〜
名前を考える上で、まず、大切なのは、品種のイメージから思い浮かぶ、キーワードをバシバシとあげていく、ということです。
とにかく、色々なキーワードをあげていって、その中から、キーワード同士をくっつけたり、掛け合わせたり、造語を作り出したり、、、、
色々とキーワードを組み合わせていくことで、名前が出来上がっていったりします。
そのスタート段階というわけです。
今回、そんなことをスポンサーさんと一緒にやっていって、最終的には、
『Paris en Palette(パリ アン パレット)』
という品種名に決定しました。
実は、この品種名に決まる途中段階も、とても面白いので、そのお話を書いていきます。
この品種のスポンサーになっていただいたOさんに、まず、イメージトなるキーワードを挙げてもらいました。
ところが、Oさん、、、
なんと神センスを持っていて、すでに、キーワードから、名前まで列挙してくださったのです。
その候補となったのが、こちら
↓
1.パリ・アン•パレット
2.アート ノーブル
3.ルイ16世の贅沢
4.フルール•デ•ペイントゥール
5.ヴィンテージロマンス
ワタシは、この時点で、すでにプロの広告代理店のような仕事ぶりをしているOさんに驚かされたのでございます!
まず、アイデアを出すときは、とにかく、絞ることをせずに、どんどん出すということが何よりも大切になります。
なので、、、とにかく、思いついた言葉を書きなぐってみる。
これがOさんはすでにできていたもんだから、そりゃ〜驚いたんさ〜。
#群馬弁
#さ〜
さて、ここから、どのように絞っていったのか?
イメージを膨らませていって、その名前からどんなストーリーが思い浮かぶのか?
ということが大切だと、ワタシは思っているのです。
考えていただいたネーミングをもとに、どのような発想ができるか、ちょっと私の方で考察をしてみたのです。
それは、こんな感じで、、、、
まず、ヨーロッパの絵画みたいな高貴な品種という感じのイメージで、5つを候補を考えてみると、、、、
1.パリ・アン•パレット
2.アート ノーブル
3.ルイ16世の贅沢
4.フルール•デ•ペイントゥール
5.ヴィンテージロマンス
そして、そこに油絵の抽象画のような色合いの花が咲くという特性を考慮すると、以下のようなイメージが考えらます。
パリ・アン•パレット - 抽象画や色彩に焦点を当てた名前であり、ビオラが多彩な色合いで咲く特性に非常によく合っていると言えます。
フルール•デ•ペイントゥール - この名前は「画家の花」という意味で、抽象的な色合いや表現が含まれているビオラに適している可能性があります。
アート ノーブル - この名前も芸術的な要素を強調しており、抽象画に通じる美を感じる花であれば、この名前も適しています。
ちなみに、、、、「ルイ16世の贅沢」と「ヴィンテージロマンス」は歴史的・ロマンティックなイメージが強いので、抽象画のような現代的な表現とは少し距離があるのかな〜と思って、選択肢から外したのです。
個人的には、抽象画を彷彿とさせるようなビオラであれば、「パリ・アン•パレット」または「フルール•デ•ペイントゥール」が特に適していると感じたのです。
そうして、最終的には、「パリ・アン•パレット」が一番しっくりくる感じがするな〜と思い、それに決定していったのです。
こんな感じで、、、、
さらに深堀りして、イメージを言語化してみようと思い、パリの芸術家はどんな人がいて、どんな作品があるのかちょっと調べてみました。
画家
エドガー・ドガ - インプレッショニズムの一員であり、バレリーナや日常生活を描いた。
クロード・モネ - インプレッショニズムの先駆者で、「睡蓮」などの風景画が有名。
アンリ・マティス - フォーヴィズムの主要な画家で、鮮やかな色使いが特徴。
パブロ・ピカソ - スペイン出身だが、パリでキュビズムを創始。多くの作品がパリに影響を受けている。
ジョルジュ・スーラ - ポスト・インプレッショニズムの代表的な画家で、点描法で知られている。
彫刻家
オーギュスト・ロダン - 「考える人」や「地獄の門」など、感情豊かな彫刻で知られる。
作家
ジャン=ポール・サルトル - 実存主義の哲学者であり作家。
ヴィクトル・ユゴー - 19世紀フランス文学の巨匠。『レ・ミゼラブル』や『ノートルダム・ド・パリ』など。
ジェームズ・ジョイス - アイルランド出身で、『ユリシーズ』をパリで執筆。
音楽家
フレデリック・ショパン - ポーランド出身で主にパリで活動。ロマン派音楽の代表。
クロード・ドビュッシー - 印象派音楽の代表で、『月の光』などが有名。
パリは長い歴史を通じて多くの芸術家に影響を与えていて、このビオラの雰囲気にもピッタリなのかな〜と感じたのです。
ここまで、ネーミングについて、深掘りをして、背景、物語性を照らし合わせていったのです。
こうして、
「パリ・アン•パレット」
という名前が、このビオラに名付けられたのです。
どうでしたか??
一つの植物の品種の名前を考える、ということを切り取るだけでも、ちょっと面白い物語になりますよね!
ラベルでスポンサーさんを募る、
そして、そのスポンサーさんと品種名を考える、
これは園芸業界では、おそらく誰もしたことのないことだと思います。
かなりの非常識なことでしょう〜、
でも、きっとこのスポンサーさんは、これまでに体験できなかったことをものすごく楽しく経験できていることと思います。
ワタシも、このスポンサーさんになってくださったからには、そこでしか得られない面白い経験をしていただきたい、と気合いが入るのでございます。
どうなるのかは、誰にもわからない、だから、やってみよう〜、
それがナラフラの精神なのでございます!
そして、そのチャレンジ精神がしっかり込められた品種が、
この「パリ・アン•パレット」ということなのです!
ビオラの育て方
これから書き加えていきますので、お楽しみに!