戦争で目の当たりにした暴力と傷を、少年たちへの加害に向かわせたことについて。ジャニー喜多川の性暴力について、服部吉次氏と松﨑基泰氏の会見を見ての覚書。

すごい会見だった。
目が離せなかった。
2時間という長い会見であったが、全く隙がない内容だった。

それなのに、なぜかメディアでは注目されておらず…。
トレンドに上がっても良い内容ですよ?
2時間という長さで、断念してしまった人もいるはず。
私自身のメモ書きも兼ねて、ここに書きます。
著作権もあると思うので、大切な部分だけかいつまんで。
かなり雑に、言葉を残しておくだけです。
私自身の私的な感想も入るかもしれません。
きちんと内容が知りたい人は、Arc Timesの動画をみてください。
貼っておきます。

また、性加害の経験がフラッシュバックする人は、気を付けてください。読まないでね

会見場での服部氏と松崎氏は、人間として、真摯に社会に向き合おう、という語り口であったし、良い意味で冷めた客観性を伴う、感情を抑えたわかりやすい内容であった。

服部氏の淡々と話す様、質問内容のさばき方や司会進行能力、アメリカで生活をしてきた松﨑基泰氏の俯瞰した姿は、聡明で中々一般人にできることではないと思う。私には不可能。

時系列で、前後する部分や、多少の相違はあったとしても、彼らが承認欲求を満たすためにやったことのようには思えない。
あくまで、未来の被害者を生み出さないよう、記録として残すために行った会見であるので、それにメディアや社会は答える必要があると思っている。

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1.今回会見を開いた経緯

まず、服部さんがおっしゃったのは、今回会見を開いた経緯について。なぜ告発を行ったかといえば、児童虐待防止法が変わる可能性があるから。

2.服部さんが受けた性暴力について、話され始めましたが、日刊ゲンダイに話された通りでした。知りたい方は、記事を読んでください。


3.ジャニー喜多川の才能について。

服部さんがおっしゃるには、「彼の環境が彼の才能を世に出すきっかけを与えた。天才だとか才能はあるとかではなく、逆境に負けずに乗り越えることで、備わる」だそう。なので、ジャニー喜多川がショービジネスで先天的な才能があったかといえば、アメリカで少年の頃からショービジネスに接していた環境からの影響が強いのではないか? と考えていらっしゃるみたい。

でも、ジャニー喜多川に、誰も「悪いことは悪い」、と誰も注意をしないから、今のジャニーズ事務所の体勢がある。人間全体を考えられない人になった。
ジャニー喜多川は早くに母親を亡くしているそうで、メリーがジャニー喜多川の姉であり、母であったようだ。なので、これは服部氏ではなく私の私見であるが、ジャニー喜多川は女性に弱かったし、それをメリー氏が利用した側面があったのではないか?
服部氏らも、もっと女性が、ジャニー喜多川に「性加害はやめなさい!」と言えば違ったのではないか? という感想をもったそうです。

さらに、こうした「悪いことは悪い」とはっきり権力者に告げられない日本社会こそが、今の日本の芸能界の体質にもなったと、服部氏は考えているそう。

4.ジャニー喜多川がなぜ性暴力を少年らに行うようになったか?

ジャニー喜多川は朝鮮戦争に行ったから、PTSDになったのではないか? 従軍前後で人が変わった印象。服部氏は従軍前にも会っているが、従軍前後で全く違う印象を子どもながらに受けた。
特に、ジャニー喜多川一家は、サンフランシスコの日系のアメリカ社会では成功者で、でもアメリカ社会全体では人種差別を受けていたはず。(松崎氏が言うも、あの頃は今より人種差別はあったそう)
服部氏の父、服部良一氏も、笠置シヅ子らと訪米をしていたが、ある時朝鮮戦争に巻き込まれたことがあり、乗っていた旅客機が音信不通になったが、音信不通になったことについて緘口令がしかれたことがあったらしい。
そのくらい、実は朝鮮戦争は当時のアメリカにとって、緊張感をはらむ状況であった。

これは私の私見だけど、いわゆる”おぼっちゃま”として育ったはずが、戦場でそのメッキが剥がされてしまい(極めて暴力的に)それが彼のトラウマになった部分があったのでは?

5.なぜジャニー喜多川の性加害について、被害者の元少年たちは告発をしないか?

ジャニー喜多川のやり方は、口でする(詳しくは動画で)だからこそ、彼の加害行為に快感を覚えてしまう、それについて汚れた感想をもっていく、傷ついていく、誰にも話せなくなる。
しかし、誰にも相談できなくなる、というのはとてもしんどいこと。
服部氏も、ゲンダイの記事にあるように、お姉さんから口止めをされてしまい、それがずっと心に遺っていた。悪夢を見たりPTSDの症状が出てくることがあるらしい。
なので、加害者は加害をした、被害者は被害を受けた、と認識しにくくなるのが、少年らに向けたジャニー喜多川の性暴力のやり方で、汚い。
後に少年隊の話も出てくるが、性暴力を受けたことを、”武勇伝”のように語る口調になってしまい、宴会などでネタとして消費されてしまい、被害者の口をつぐませる。

6.松崎氏がジャニー喜多川から受けた性暴力について

小学校の1年生の終わり頃、友人の服部さんの家でプロレスを見ていた。その時、じーっと松崎さんの顔を見つめる視線を感じた、それがジャニー喜多川だった。
2年生になって、服部家に宿泊に行くようになった。必ずその時にジャニー喜多川がいた。「車で送ってあげるよ」大体30分位。ワシントンハイツのTXで送ってもらった。色んなプレゼントを買ってくれた。それが、日常茶飯事になった。
ある冬に、みんなでスケートしにいこう、とそうげつこ(? 軽井沢の湖だったはず)にスケートをしに行くことになった。お土産だけじゃなくて、ジャニー喜多川は映画を見に行こう、観劇しにいこう、と誘ってきて、少しの罪悪感もあったが嬉しかった。
映画を観ている最中、観劇中、セーターを着ている服の間に手を入れてきた。7歳、8歳なので、人に言うことを躊躇ってしまった。言えない。
そして、家まで送ってもらった際、家の近所の暗闇に車を留めて、性暴力(服部氏も受けたアレ)をされた。
さらに、軽井沢の別荘では、寝ている所をパジャマのズボンを降ろされてしまい、泣いてしまった。でもすんでの所で、服部家のお姉さん?に部屋の電気をつけられてしまい「何をしているの?」。未遂に終わる。
軽井沢での出来事は、鮮明に覚えている。今は母親に言うべきでもあったのかも、と思ったりはする。苦しんだ。
ジャニー喜多川が少年野球団を結成した時に、本人から名刺をもらった。今日は探したけど見当たらない。まだあるかも?
今では、ジャニー喜多川との楽しい思い出がない。

ジャニー喜多川の性暴力は、当然許されることではない
アメリカで仕事を始めた20代の頃、襲われそうになったことは、2~3回ある。彼の性暴力は、アメリカの文化のせいもあるのかもしれない。ただ、アメリカ人の人でも、する人としない人はもちろんいて、違う。朝鮮戦争の時、米軍の中で何かあったことも関係しているかもしれないが、松崎さんは、もっと先天的なものであったのではないか? と考えているそう。

あおい輝彦がジャニー少年野球団に入ったころ、ジャニー喜多川に呼ばれて、球団を見に行ったときに、その中の何人かは、服部とジャニー喜多川の性加害を受けていると感じた。
松崎氏は服部氏にも言えなかった。まさか服部まで同じ経験を受けているとは思えなかった。
今だと話せるが、その当時は話せなかった。恐怖でしかなかった。
ジャニー喜多川は少年のように振舞った。
服部さんは、ジャニー喜多川は大人になっても子どものまま。子どものままでいい、と思ってるように感じていたそう。

7.多分、服部さんの奥さんかな?

ここで、服部さんの息子さんが被害を受けそうになった件に質問が来て、服部さんが答えることになった時、女性の声で「(息子は)未遂です!」との声。
多分、服部さんの奥さんかな?
続けて同じ女性の声で、「なぜ、ジャニー喜多川に”さん”などの敬称をつけるのですか! 彼は犯罪者ですよ。なぜ、丁寧に扱うのか? 誰も(彼の毒蛾にかかった)子どもを守ってはくれなかったのに!」
との指摘が入る。
私は、ここは、とても大切な所だと思いました。
メディアが今していることは、未だに、ジャニー喜多川擁護なのですからね。日本の芸能界に貢献してくれてありがとう、と。その下で足蹴りにしてきた深い傷に塩を塗り込みながら。

8.松崎さんがなぜ告発会見をしたか?

実はジャニー喜多川に対する怒りはない、告発をする気もなかった、ただこういうことが芸能界のみならず、日本社会からなくなってほしい。アメリカは40年前から、ハラスメントにはセンシティブに対応する社会となっていた。日本は今回のジャニー喜多川の性加害に対する報道をみていると、まだハラスメントに対して声を上げられない風潮が残っている模様。
少年だから、女性だから、ではなく、多種にわたるハラスメントを受けたあらゆる人全員が、声を上げられる社会に変わってほしいから。
芸能界以外でも、ハラスメントを行わない姿勢をつくっていってほしい。

もっと人間として、お互いにリスペクトし合う姿勢が必要。
人として生きられる社会、コミュニケーションが成り立つ環境を、日本は構成していくべきだ。

松崎さんのここで、ぐっと熱くなっていくのを私は感じた。
心が泣いている感じがした。いまだに入力していて、熱くなる。
この言葉が、今回の会見でよりよい形で出てきてくれたことは、奇跡。

9.日本の芸能界について思うこと。

服部さんは、芸能界の浄化には期待していない。心の底から腐っている、無理と感じている。
また、今回のジャニー喜多川の性暴力を報道せず、責任の所在やシステムを明らかにせずに放置したら、同じことは繰り返されると。少年たちだけでなく、芸能界の女性に対するハラスメントも悪質では? と感じているそう。

ハラスメントが蔓延しているせいで、才能を潰していることがある。
日本の芸能界は(ショーやクリエイティブを行う際)乱調が多すぎる。
Kポップは、ジャニーズ事務所含め、世界の芸能界を研究している。
今の日本では、歯が立たなくなる。
今回のジャニー喜多川の性暴力の報道を受けて、プロデューサーやディレクターが、権威に惑わされず、個人として考え、対応することが必要。

松崎さんは、山下達郎がアメリカ社会でも一部から人気が出て来たりしているように感じないこともないが、公人としての自覚にかけている、と一言。なぜ、軽はずみな発言を行うのであろうか?と。

10.服部家でのジャニー喜多川の過ごし方覚えている部分

子どもだけじゃなくて、女性に信頼されていた。服部家では、家事も全てやるので、レディーファーストだし(ここはアメリカの文化を引きずっていたのではないか?)理想の旦那さん、だった。

11.メリー喜多川について思うこと

何度か会った服部さんの印象では、メリー喜多川は、ジャニーより狡猾に見えたそう。服部家の集まりの時は、素の状態が出てきて、もっと悪だと思う。(←こういう勘は大体正しい…)。ジャニーよりもっとしたたかに悪だったのではないか? 

ジュリー藤島については、あまり会ったことがないので、よくわからない。
ただ、ジャニー喜多川の性暴力を知らないはずがない。
それを誰かから入れ知恵をされて、巧妙に隠そうとしているのか? 
対応はあまりに後手後手だし、何を考えているのかはさっぱりわからない。

12.性暴力について思うこと

これは、松崎さんも服部さんも、全く同じ意見でした。
まず、性暴力は絶対になくしていかないといけない。あらゆるハラスメントに反対する。人間としてお互いにつきあうこと。

そして、男性が性暴力を受けることもあることを、知ってほしい。
被害者は女性だけではない。
なぜ、成人した男性と、未成年の少年を一緒に寝かせるの?
女の子とおじさんが一緒に寝るのは、おかしいでしょう。
(服部さんも松崎さんも加害を受けたのは、最初に7~8歳だ)。

少年の性加害を、家庭や社会が女性と同じように扱ってほしい。


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