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乗っ取られたのであれば排斥してしまえ!『聖女のはずが、どうやら乗っ取られました』

こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。


今回紹介する作品はこちら。
『聖女のはずが、どうやら乗っ取られました』です。



この作品、7巻まで読んだレビューとなります。
いわゆる転移モノであり、聖女同士の争い等も含まれます。
現在9巻まで発売されているこの作品、個人的には一気に読むほど面白かったですよ。

では、まずはあらすじからまいりましょう。

あらすじ

とある乙女ゲームの中に、私は聖女として召喚されたらしい。

けれどもあまりに突然すぎて、私がうっかり茫然としているうちに一緒にくっついてきた女に「私が聖女です!」とさっさと宣言されてしまったのだった。

かくして私はただの役立たずとしてさんざん扱いに困られた挙げ句に、とうとう追放されました。

って、いやどういうこと?
しかも暗殺までされかけて、さすがに黙っているわけないよね?

私は決めた。これから先の私の安全で心穏やかな人生を、なんとしても自力で獲得しなければ。

ずっと追われ続ける人生などくそくらえ。
そのためにはまずこのゲームのシナリオを変える。

死ぬはずだった隣国の将軍を救い、そのお返しに私の身の安全とポーション屋さんとしての新たな人生を助けてもらうのだ!

……そう決めたはずなのに、なんでこんなことになっているのかな……

転移したのは異世界(友人と一緒)

今回のストーリーの始まりは、突然スマートフォンの画面に表示されたコマンドが発端となります。

しかも、その文言が、「助けてくれませんか?」というもの。
違和感を覚えながらも画面を見ていると、そのまま転移してしまいます。

辿り着いた場所は以前持っていた乙女ゲームの中。
しかも、一緒についてきたのは主人公をずっといじめぬいてきた自称友人のヒメ。

この2人は先読みの巫女としてこの世界の神官たちに召喚されたのでした。
あっけにとられる主人公を尻目に即座に自分が巫女だと名乗りでたヒメは、第一王子に自分が巫女だと名乗り出ます。



その反応速度たるや……。
正直、その行動力だけは評価できますが、その後主人公を始末しようとしたのはいただけませんね。

悪役のムーブとしては満点なのですが、まぁいわゆる「いけ好かない女」ですし。

正直、現世でも主人公に対してずっと嫌がらせを続けてきた人間ですから、読者が胸糞悪くなるのは必然かもですね。

主人公の心強い仲間

ヒメの策略によって戦地に近い教会へと護送される途中、主人公は盗賊に襲われます。

その際、自分に開花した癒しの力を利用して何とか切り抜けるものの、大ケガを負うことに。

咄嗟にケガを修復した主人公はなんとか助かり、ヒメの目を欺くことにも成功。

そして、神父に助けられ、新しくアニスという名をもらいます。
命名してくれたオースティン神父は元軍人であり、加護というスキル保持者です。命の恩人である神父に守られつつ静かな生活を送っていました。

しかし、今暮らしている場所が戦場になるからこそ、アニスは今後の身の振り方を考え始めるのです。

自分の能力に関して神父も耳を傾けてくれると共に、その場で体の不調を治してもらった体験からアニスの能力を信じてくれます。

隣国の治療院へ働きに出た際には、遠方から来たキザな男性とも顔見知りとなります。その名をレック。



確かに美形ではあるものの、中身がチャラく、王宮の関係者という特性全盛り。その男性と亡命の取引を行った後、不治の病を治したことにより取引が成立します。

しかし、王国からの使者が来てしまい、再度王宮へと向かう羽目になってしまい……。


正直、レックはなかなか面白いキャラだなと感じますね。
また、神父もいい性格しています。


自分の加護のスキルを使用しながらの口八丁手八丁で乗り切るのはなかなか面白いですね。
キャラ立ちしているので、わくわくしながら読める作品だと思います。

一方共に転移してきた友人は……

一方、召喚されたヒメは、持っているスキルの「鑑定」を使いつつ、プレイしていたゲームの記憶を頼りに「先読みの聖女」として動き始めます。

しかし、この世界のベースとなっているゲーム、実は主人公から借りた物です。


……いや、返してねえんかい!


しかも、前世では主人公にまとわりついて、家族や友人へありもしない嘘や主人公の悪口を吹き込みます。

しかも、孤立した瞬間から親友面をするため、本当にタチが悪い。
それだけ主人公に対して嫉妬をしている証拠でもあるのですが、見ていて胸糞悪くなるのは、仕方がないかなと。

それだけ上手くヴィランを演じられているということですからね。

結局、自分が先に手を挙げて王子に先読みの聖女であることを示し、ニヤつきながら手を引かれ城へ招かれるという一連の流れは見事としか言えません。

……まぁ、結局ざまぁされることになるんですけどね。


主人公一行を城に呼び寄せてから目の前にいるレックに目を付けたヒメ。
そして、王子がいる横でレックに物凄く熱い視線を送る様子に「うわぁ……」と思ってしまいますね。

結局その後にアニスの癒しの力を見て、青筋立てる様子はなかなか面白かったです。
しかも、結構顔芸しっかりしてくれるなと笑っていました。

もし、手に取って読む際には、ぜひヒメの顔芸にも注目してみてください。

終わりに

腹黒聖女(自称)と本物の聖女(地味)な女性対決とも言ってよいかと思います。

軽快な話の運びに、私も久しぶりに一気に読んでしまいました。
読んだ感想として、個人的にキャラとしてレックも好きではありますが、神父様も好感触って感じですね。

あまり、イケメンは多くはありませんが、アニスとレックの関係が少しずつ進んでいく様子にドキドキしていました。

ゆっくりながらも着実に進んでいく純愛を求めている方は、ぜひお手に取ってみて下さい。

また、ざまぁが欲しい!とストレスが溜まっているのであれば、ヒメの最後を見て楽しんでみるのもまた一興かと。


それでは、今回はここまでです。
また、次回の作品でお会いしましょう。



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