本がないなら作ればいいじゃない!!『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』
皆さん、こんにちは。
女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。
今回紹介する作品はこちら。
『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』です。
アニメ化もされているこちらの作品ですが、実は今まで有名だったのもあり少し避けていました。しかし、今回せっかくだし取り上げてみようかと思った次第です。
まずは、あらすじからまいりましょう。
あらすじ
本が好きで、司書資格を取り、大学図書館への就職が決まっていたのに、大学卒業直後に死んでしまった麗乃。
転生したのは、識字率が低くて本が少ない世界の兵士の娘。
いくら読みたくても周りに本なんてあるはずない。
本がないならどうする?
作ってしまえばいいじゃない。
目指すは図書館司書!
本に囲まれて生きるため、本を作るところから始めよう。
死後の世界はまさかの本がない国!?
本が大好きで地震が原因で圧死するっていうのは、なかなか経験できないことですし、死因としてはある意味地味なように感じますが……。
まぁ、人は大好きなもので命を落とすと言いますし、ある意味よかったのか?
まぁ、それはそれとして。転生した先では、5歳ほどの女の子マインとして生活をすることになります。
しかし、心の支えに本を欲するというのは、それだけ執着がすごいなと感じますね。しかも、自分の欲求のためにいきなり大声を出すのは、びっくり。
いや、まぁ精神的に安定していないのは理解しますが……。
実際、家に本がない場合って結構ある気がしますけどね。
本を読むのが習慣づいていない場合は、下手したら1冊もない可能性だってあるし。現実を受け入れるのに、ここまで絶望するのは正直すごい。
というか、文字への執着が半端ないですね。
果てには生まれまで恨むとは……。
好きなものに対して気持ちが高まるのはわかるけれど、個人的にはこの主人公は少し苦手だなと感じますね。
だったら本を作ればいい!
手元や自分の身近に本がないのであれば、作ればいいじゃないかと考えを切り替える主人公の行動力はすさまじいと思います。
しかし、どうしても周囲に頼らなければいけないのも事実。
転生前の大学生ではなく、現状は5歳ほどの病弱な女の子なのですから。
だからこそ、体力をあまり使わない方法で、紙を作り出そうとします。
ここの描写は紙を作る工程や苦労を見せる分にはとても良い描写だと思います。
しかし、同時に無から有を生み出そうとする苦労も、よく読み取れると感じます。
ただ……マインがどうしても苦手だぁ。
申し訳ないのですが、主人公の気持ちに感情移入しながら読むことが難しく。
市場に行った際、留守番をする場面があるのですが、店に飾ってある本に対しての欲求が……
『触りたい』『頬ずりしたい』『インクの匂いをくんかくんかしたい』
……いや、変人!!
しかも子どもからそんな言葉を聞いたとしても、絶っ対に許さないでしょ!?
どう考えても、店主の「嬢ちゃんに触らせるのは危険」という判断は正しいとしか言えない。
結局、紙は手に入らずじまいであり、紙を作るために必要な植物やら材料をあれこれ準備することになります。
しっかし、この主人公……謝らないなぁ。
あれこれ自分で行動するのはわかるのですが、粘土板作成の際のイライラ度は久しぶりだったかも。
体力がないから前途多難……
確かに、生前は五体満足で大学生でもあったからこそ、やりたいことをあれこれ形にできていました。
しかし、現状5歳。しかも病弱であることのデバフ付き。
だからなのか、心も引っ張られているのではと感じる場面が多いです。
これが、大学生のままだったのであれば、それはそれで問題ですが。
基本的に体力がないからこそ、移動は背中におぶってもらう、抱っこなどなど。
自分の足で遠くまで行けないっていうのは、確かにしんどいかもしれません。
また、自分が邪魔になっていることに対して、自覚するのが遅い気もします。
しかも、粘土板を作ったとき、地面に放置しているのはいかがなものか。
場所を移動させておけば、踏みつぶされるなんてことはなかったはずです。
怒った時のセリフで、「ルッツもトゥーリも巻き込んで……」
という言葉がありますが、さすがに怒りすぎな気がします。
中身、就職間近の大学生なんですよ?
もう一度作ればよいと考えられないものでしょうかね?
いや、まぁ……マインが努力していたのもわかりますが、融通が利かなすぎかなぁと。多分、ここが一番もやもやしたかもしれません。
その後、再度粘土板を作る際にルッツが夢の話をしますが、相手の気持ちを考えずにさらりと「やればいいじゃない」といった場面。
これ、メンタル強者ですよねぇ。
いや、たぶん相手の気持ちを考えずにすんなりと口から出たんだと思いますが。……ん~~!!やっぱり苦手だ、この主人公!!
終わりに
今回は、アニメ化もされた作品をピックアップしてみました!
主人公の本に対しての意欲はとても強いものですし、1つの物事に集中できるのはいいことだと思います。
個人的には、おすすめするかといわれると、考えてしまいますが……。
それでは、今回はここまで。
また次の作品でお会いしましょう。