起業を辞めた人のその後。それでも幸せに生きられるのはなぜ?
2020年9月に新卒入社した会社を辞めて、
開業届を出しました。
なので、起業して丸4年。
その間、さまざまな起業塾に通い
起業を始めた方、始めたい方に
たくさんお会いしてきましたが、
驚いたのは、起業を辞めていく人の多さでした。
起業塾を途中でお休みする方。
最後に「やっぱり起業しません」と宣言する方。
卒業後、なんとなくフェードアウトされる方。
など、タイミングはさまざまでした。
仲間のことを応援したい思いで
ブログやSNSを結構マメにチェックして、
いいねを押したりしてたんですが、
ブログの更新が止まり…
でも、たまにSNSは更新されていて。
特に活動はしていないけれど、お元気そうで
前向きに楽しく暮らしていらっしゃる様子。
それが、当時の私にとっては不思議でした。
その方が選んだ道とはわかりつつ、
せっかくここまでやったのに?
あのとき話していた想いは、情熱は
どこへ行ったんだろう?
と思っていました。
でも、
自分が仕事を大幅に縮小することになって、
最近ようやくわかったことがあります。
人はなんのために起業するのか。
会社など組織に所属して働くのが一般的な中で、
わざわざ起業を選ぶ理由。
たいていの場合は、
現状に不満があって、それを解決したいから。
私の例でいうと
・仕事でやりたいことを任せてもらえない
・労働時間が長すぎて疲弊
・頑張っても評価が上がらない
・この先家庭と仕事を両立していけるか不安
人によっては、
仕事からくる満たされない思いが
家族関係にまで影響している場合もある。
パートナーの理解がない、
子どもがいうことを聞かない、など。。
こんな不満だらけの現実から
抜け出す方法として
見つけたのが「起業」という手段。
「好きなことを仕事に」
「時給〇〇円から年商8桁」
「家族と毎月旅行に行ける」
なんて文言は、とても魅力的に見えます。
でも、実は
人生が行き詰まっているポイントは
「起業するかどうか」にはなかった。
起業しているうちに、
事業としての成果は出ていないけれど
人生で抱えていた問題は解決し始めて
会社での人間関係が改善したり
昇進・昇格して意義ある仕事ができたり
地域の中でやりたいことができる場を見つけたり
パートナーや子どもとの関係もよくなったり。
そうしたら、もう起業する意味がなくなった。
これが、私の周りにいた
「起業を辞めて楽しく暮らしている人の実態」
でした。
人生の詰まりをとるのに必要だったのは
起業という働き方そのものではなく、
起業によって得られたこと。
では、起業で何が得られたのか?
一言で言うならば
「自分の人生を自分で決めて選ぶ力」
だと思う。
なんとなく周りの期待に応えて就職して、
上から降りてくる仕事をして、
不満があれば、愚痴をこぼして発散する。
一見、普通の生き方。
でも、これだと自分の人生に対して
「受け身」の姿勢になっていることがある。
自分の意思で選んでいない。
そもそも、自分の意思がわからない。
もちろん、組織で仕事していたら
自分の意思ではどうにもならないこともある。
それでも日々の発言や行動の一つ一つは、
自分で決めて動けるはずなのに
何かあると
「あの人が悪い」
「会社が悪い」
「家族の理解がないのが悪い」
と、人のせいになってしまい、
それをなんとかしようと
外に答えを求める。
これだと、なかなか人生は変わっていかない。
それが、ひとたび起業を始めると、
何をやるか、
いつやるか、
どこでやるか、
どんな内容でやるか、
価格はいくらにするか、
全部自分で決めて、自分で動かす。
答えは自分の中にある。
講座やセッション、日々の発信、全部がそう。
迷ったら、起業塾で相談には乗ってもらえるけど
講師は上司ではないから、従う義務はない。
4年前、起業当初の私は
起業塾の講師に対して
「私の想いに沿ったアドバイスをくれない」
「言われたとおりやったのに成果出なかった」
とか、ぶーたれていたけど
小規模ながらも「事業主」なのだから
自分の事業の責任は自分で取るんだ。
人にそんなこと求めるものじゃない。
ということに気づきました。
だから、意思決定のために
そもそも私は何をしたいのか?
内面を掘り下げて知る必要が出てくる。
起業って、意外と内観の連続でした。
そして、その
「私がやりたい理由」は
自分で知っておくだけでなく
人にも伝える必要があります。
現代は、
「何を言うかより、誰が言うかが大事」
とされている時代。
サービス提供者や情報発信者がたくさんいる中で
いくら内容が良くても
「私は誰か」が伝わらなかったら
聞いてもらえない(悔しいけど)。
自分を選んでもらおうと思ったら
「なぜ私がこれをやっているか」が肝になる。
だから、見つけた自分の意思は
人に伝えていくことが日常になる。
どうしたら伝わるかを考えながら。
そして、どんなに頑張っても
お客様に選ばれなければ稼げない。
だから、お客様のことを考え抜いて
「先に与える」人になれ。
と起業塾では習います。
日々の発信にしても、開催するセミナーにしても
自分の「やりたい」は大事にしつつも、
人が何を求めているか
人の問題をどう解決できるか
を考えるようになる。
そうすると、
今までは目線が自分に向いていて、
会社が・家族が、私に何を与えてくれるか
「受け取る」ことばかり無意識に考えていたと
気づきました。
こうして、起業のプロセスの中で
・自分の意思を自覚して
人に伝わるように伝える
・自分が受け取るより先に人に与える
ことができるようになると、
「どうしていいかわからない」という
迷いがなくなり生きやすくなるし、
コミュニケーションも円滑になるから
会社や家庭の人間関係にも良い影響が生まれる。
会社や家庭のことに邁進しているうちに、
起業はいつしかフェードアウトしても
それは決して悪いことではなかった。
と、4年越しにわかってスッキリしました。
「辞める」って、ネガティブな印象があるけれど
やってみて初めてわかることもあるし、
得られたものを違う形で活かすこともできるから
何をするにしても、続けるのも辞めるのも
引き続き、柔軟に選択しよう。
自分の人生を自分の意思で決めていこう。
と、改めて思いました。
本日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。