熊野神社古墳展示館(東京都府中市・西府駅)
熊野神社古墳は今から1300年以上も前、飛鳥時代に作られた古墳である。上円下方墳という、四角い墳丘の上に丸い墳丘が重なった形をしており、全国的にも希少な形の古墳だとされている。こちらの熊野神社古墳展示館では発掘調査からわかった築造当時の姿に近い形での再現がなされているほか、この古墳にまつわる説明、それに石室再現室も設けられている。
古墳の復元は熊野神社の裏手にある。こちらは内部へ入ることはできないが、かなりの大きさで、当時これだけの大きさの古墳が作られたことからかなりの有力者のために作られたものであることが推測されている。下二段(正方形)と上一段(円形)とで積み上げられた古墳で、一辺が32メートル、高さが6メートルという巨大なものになっている。
展示室は施設の2階。一部屋のシンプルな展示室ながら、こちらの古墳についての調査結果から考えられる構築方法や築造時期、誰が納められたものなのか、といった推定が事細かに案内されている。また展示室の一角を占める地層剥がしも圧巻である。副葬品として特に注目されるのが鞘尻金具で、表面に七曜文が施されていた点。ここから埋葬者が高貴な人物だったこと、二人の人物が埋葬されたことが推測されている。
こちらの施設でもう一つの目玉といえるのが石室復元室の自由見学。スタッフの方に見学の旨をつたえるとヘルメットと懐中電灯を渡される。冒険隊のような出立ちのままに施設に隣接している石室へと入ると中は真っ暗。懐中電灯で足元を照らしながら奥へと進むと奥には石棺があるほか、床にも埋葬品がいくつか紹介されている。出入り口が非常に狭く、ヘルメットをしていなければ頭を勢いよくぶつけてしまうほどの狭さで納得する。トイレはウォシュレット式。
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