米沢嘉博記念図書館(東京都文京区・御茶ノ水駅)
明治大学には博物館が3つある。鉄の処女を展示している大学博物館と、同じフロア内に隣接する作詞家の阿久悠記念館、それと今回おとずれる少し離れた場所にある米沢嘉博記念図書館内の現代マンガ記念館になる。先の2つは隣接しているため前回の見学時に一緒に回ることができたものの、こちらは少し離れた場所にあるため行くことができなかった経緯がある。
今回その残りの1つを攻略して明治大学の博物館をコンプリートしたいという想いが抑えきれずに訪問。博物館自体はビルの1階にあり、1フロアはそれほど広くないのでじっくり見るのでなければすぐに見終えてしまうくらいになる。
入口すぐに両サイドにガラスボックスによる展示がある。米沢嘉博氏が収集したマンガがジャンルごとに分けられて、その代表的なものがボックスに入れられている。少年向けにSFにBLにSMやエロスもある。ジャンルによってはあまり見たことのない雑誌も陳列されていて興味深い。尚このエリアは撮影できない。
ガラスボックスの裏側には米沢嘉博の足跡についてを説明している。早稲田在学中からマンガ評論、長じて同人誌活動まで範囲を広げた米沢氏。いわゆるオタクの先駆けというよりかは研究者としての立ち位置といった印象。
現在にまで続いているコミックマーケット、通称コミケだけれど、これを立ち上げたメンバーの一人が実は米沢氏で、彼がいなければコミックマーケットという社会現象は存在しなかったかもしれない。というわけでコミケに通ったことのある人はすべからくここに巡礼をするべきである。少なくともコミケにすら行ったことないのに明治大学の博物館をコンプリートするという目的だけでこちらの博物館を訪れるような愚挙は慎むべきである。
氏の生前に残した印象的な言葉がある。「森ではなく木を見なければなりません。そして、木が枯れれば、森は衰えていくのです」二次創作をする上で必要なポイントなのかもしれない。
企画展として樹村みのり展。女性漫画家としては花の24年組のメンバーでもある。絵柄は確かに萩尾望都や竹宮惠子に近いような気がする。不勉強で作品はあいにく知らなかったのだけれど、「障害児を普通学校へ全国連絡会」というような社会的なアプローチを手がけていたのが印象に残る。
トイレはなし。上の階には閲覧室があり希望者は1日会員として作品を読むことができるようなので利用するのも良いかもしれない。
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