見出し画像

パナソニック汐留美術館(東京都港区・汐留駅 ギュスターヴ展)〜旧新橋停車場(同上)

土曜日の朝イチ。汐留の周辺は通勤客もおらず快適な薄曇りの中で歩くこと10分。
旧新橋停車場の隣に鎮座ましますパナソニック東京汐留ビルの4階に美術館がある。基本的には撮影不可(一部スポットで撮影できる)。トイレは最新ウォシュレット式。

クールベと海。ギュスターヴというニャンとも可愛らしい名を持つクールベと同時代19世紀の画家の作品を中心に時代ごとに展示されている。
前半はクールベの地元である山岳地帯の風景画が中心のコーナー。お気に入りは空の様子が凄まじく綺麗なジュール・デュプレ『嵐の前』。
クールベの作品が多数あるのだけれど『ピュセの農場』だけ作風が違う気がする。本当に本人の作だよね? 描かれてるサインだけで信じてないよね? と疑る薄汚い大人になりました。

後半にさしかかるとメインテーマでもある海。ターナー、シスレー、ミレーにモネといったビッグネームが並び、いよいよクールベ作による海。
「ついに海を見た。地平線のない海を。それはとても奇妙なものであった。」というキャッチコピー通り、初めて海を見たクールベの衝撃をそのまま繊細な技術で筆に宿らせうる圧巻の作品に見とれる。
展示されているクールベの海は11作。繊細な前半の海に比べ後半の海は大胆になっている印象。
何度も同じアングルで描かれていたことが想像できる。

出口にクールベ自身の年表がある。反骨の画家として晩年は逮捕・抑留されスイス山中で隠遁生活をしたクールベ。

あれ? ふと疑問が浮かんで引き返し、また絵をイチから見直す。
クールベの海11作品のうち、後半の作品は隠遁生活に入ってからの時期にあたるけど、
抑留されているクールベが海へ行くことなんてできるのかしらん?

と、学芸員の方にずけずけと聞いてみる。
すると待ってましたとばかり「そうなんです。実は後半に描かれた海はクールベが想像で描いたとされています」とニヤリ。
秘密を共有した共犯者のような気持ちになって終了。
といっても出入口で設置されている映像でちょっと触れてるっぽいけれど。

ビルの隣にある旧新橋停車場もついでに寄ってみる。電車好きにはたまらないのかも。
スタンプ押すと東京駅ステーションギャラリーの入場料が割引になるサービスをやっている。もっとこういうことを大々的に宣伝すべきである。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?