COMPLEX665・ピラミデビル他ギャラリー巡り(東京都港区・六本木駅)
六本木は新国立美術館、サントリー美術館、森美術館をはじめとした多くの美術館があるアート発信の地としてもしれ荒れている。ギャラリーも多く存在しており、ギャラリーコンプレックスであるCOMPLEX665やピラミデビルの他、コマーシャルギャラリーが点在しているためこちらを訪問することに。
まずはCOMPLEX665ビルで開館中のギャラリーを訪問。
・SHUGOARTS
SHUGOARTSでは近藤亜樹による個展「わたしはあなたに会いたかった」を開催。人物画のインパクトが強烈なストレート。
・TOMIO KOYAMA GALLERY
TOMIO KOYAMA GALLERYでは小山ナオキによる「イオニコニアン」が開催されている。民俗文化に特化したような作品が印象に残る。
・broadbean
空間デザインを多く手掛けるデザインの会社broadbeanはガラス越しに製品を観るギャラリー展示を行なっている。ひょっとしたら各ギャラリーの什器でここの製品を使っているものもあるかもしれない。
続いてはピラミデビルで開催されているギャラリーを訪問。
・PERROTIN
PERROTINではガブリエル・リコによる個展を開催している。民俗的な色彩とともに、文明との融合を皮肉にしたようなインスタレーションが印象的。奥の部屋では収蔵作品を展示。
・ZEN FOTO GALLERY
ZEN FOTO GALLERYではNew Hong Kong Photozineと題してグループ展を開催している。キャプションらしき説明が全て漢語で書かれている。それも含めての作品を見るべきか。
・YKG
YKGではアン・ハーディと松﨑友哉というイギリスを拠点として活動する二人の美術家の作品を展示。水性樹脂を用いたキャンバスにえがく松﨑と光・音を組み合わせたインスタレーションを作るアンの対照的な作風が興味深い。
・KOTARO NUKAGA
KOTARO NUKAGAではオリオール・ヴィラノヴァの作品を展示。数字を羅列したものをメッセージとしたエコノミカル・ポエムが印象的。
・OTA FINE ARTS
OTA FINE ARTSでは嶋田美子による個展「おまえが決めるな!」を開催。フェミニズムの過去の活動を研究し新たな視点から描いている。
・WAKO WORKS OF ART
WAKO WORKS OF ARTでは写真家のフィオナ・タンによる個展を開催している。モノクロームの写真にカラーの彩色を重ねた風景写真が印象に残る。
・SCAI PIRAMIDE
SCAI PIRAMIDEでは土屋信子による「Stay as a wave」を開催。無機質でできたどこか生き物を思わせるような造形物の数々が面白い。
・TARO NASU
TARO NASUではグループ展としてローレンス・ウィナーを中心に、彼の作風スタイルに近しいライアン・ガンダー、リアム・ギリック、デヴィッド・ホーヴィッツ、ジョン・ナイト、ハイム・スタインバッハの作品を展示している。
せっかく六本木まで来たならと、近隣にあって開館中の点在するギャラリーを時間の許すままに訪問して回ることに。
・GALLERY MoMo Projects
GALLERY MoMo Projectsでは鴻池朋子のストラクチャーとして構想スケッチや作業映像などを展示している。日本を代表するアーティストの一人である彼女の脳内が垣間見えるのがとても興味深い。
・A/D GALLERY
六本木ヒルズ内にあるA/D GALLERYでは井上裕起のサラマンダーを展示。
・CLEAR GALLERY TOKYO
CLEAR GALLERY TOKYOでは少女(SONYO)の「海の中で火をおこすこと」を展示。強烈な色彩で描く精神面のほとばしりが印象的。
・s+arts
s+artsでは手前でビーズやワタ、糸などを使った表現作品を手掛ける海老塚季史、奥では大理石を使う石川直也と銅・七宝をつかう山口ひかりの共同展をそれぞれ開催している。
・Hideharu Fukasaku Gallery
Hideharu Fukasaku Galleryは深作眼科の1階から入り地下室へとつながっているギャラリー。村山之都による個展を開催。単色を使いつつリアルに感じされる絵が印象的。
・FUJI FILM SQUARE
最後の締めくくりは六本木ミッドタウン内にあるFUJI FILM SQUAREで開催されているギャラリー展示。Xシリーズ作品展やグループ展がある中で貴重なのはフォトコレクション特別展。江戸時代末期のモノクロ印画紙の鶏卵紙から始まる「写真表現と技法の結晶化」は一見の価値あり。