古賀政男音楽博物館(東京都渋谷区・代々木上原駅)
ギャラリーTOMから山手通りへと出て新宿方面へひたすら歩くと井の頭通りへと出る。
井の頭通りでいいのかしら?
とつぶやきながら交差点を左折して代々木上原方面へとこれまたひたすら歩く。
30分くらい歩く。
とてつもない勾配がある坂を歩く。
するとやがて遠くにモスクのような建物が見える。東京ジャーミィといって日本最大のイスラム教モスクである。モスクを視界にしながら進み、代々木上原駅の手前にあるのが古賀政男音楽博物館である。
JASRACでおなじみの日本音楽著作権協会が隣にある。というのも、もともとここに古賀政男の広い邸宅があり、その跡地に作られた博物館で、土地に入居するかたちでJASRACが入っているのである。現代に続く日本の音楽文化を開拓してきた古賀政男だからこそなのかもしれない。生涯で作曲した数は5000曲とも言われている。いわゆる古賀メロディ、自分はその世代ではないけれど、演歌・歌謡曲、昭和を代表する国民的な作曲家である。知らない人は勉強不足である。これは知っておいて損はない。どれだけの価値があるのかはさておき国民栄誉賞も受賞している。
入り口すぐ正面には、けやきホールというコンサート会場がある。JASRAC関連のイベントもここで行われる。限られた人しか入れない場所ではある。関係者も多い。
湾曲した階段を2階へ上がると、まず最初に「大衆音楽の殿堂」として亡くなった人を顕彰する殿堂がある。壁一面に作曲・作詩・編曲・歌手・演奏家といった面々のレリーフが展示され、その年の顕彰者ゆかりの品々が展示されており音楽も流れている。著作権の関係でここは撮影・録音は不可。
そこを通り過ぎると長いトンネルがある。トンネル入り口には古賀邸の表札があり、玄関口を模した演出がなされている。ここはトンネルと渡り廊下を兼ねており、ちょうどけやきホールの頭上を過ぎるような位置関係になっている。トンネルを過ぎると生前の邸宅玄関、窓、階段、書斎、日本間などが展示されており、めちゃくちゃ広い土地やらこだわりの家具やら絵画やらに度肝を抜かれる。当時の印税の凄さを思い知らされるのである。
後半にはマントルピースに飾られるマンドリンや各種の賞状、ガラスケースには本人の歴史とともにゆかりの品々が展示されている。見学者は他に2名ほど。撮影も可。
企画展示では太陽・月・星のメロディと称して、それらに関連した楽曲を紹介している。古き良き歌謡曲から、意外と最近の楽曲まで。三代目J SOUL BROTHERSの楽曲などもピックアップされている。
ちょうど見学中けやきホールのコンサートが終わったらしく階下では人がごった返していた。トイレはウォシュレット式。そらそうですわな。