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我孫子アート散歩(千葉県我孫子市・我孫子駅)&柏市めぐり(千葉県柏市・柏駅/北柏駅)※終了
千葉県我孫子市では街ぐるみでアート作品を紹介する我孫子アート散歩というイベントを開催。普段なかなか行くことのない我孫子市をこの機会に訪問することに。我孫子市にはアート関連の施設がいくつかあり、それらを中心に巡って行くというコースになる。手賀沼という湖沼がすぐ近くにある我孫子市は風光明媚な場所として古くから親しまれてきた。自然と作家や画家などが居宅を構えることも多かったという。
・アビシルベ
我孫子インフォメーションセンターであるアビシルベは我孫子市の観光情報を提供している施設。館内の一部のコーナーで作品を展示。トイレはなし。
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・千葉銀行我孫子支店
千葉県を中心に展開している千葉銀行の我孫子支店。駅前にある店舗の一角で作品を展示。トイレはなし。
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・けやきプラザ
けやきプラザはイベントホールや市民センターなどが併設されている文化施設。2階にあるギャラリーで作品を展示。トイレはウォシュレット式。
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・杉村楚人冠記念館
我孫子市に居を構え、手賀沼の保存運動にも関わっていたジャーナリストの杉村楚人冠。彼が生前に住んでいた邸宅が現在は杉村楚人冠記念館として公開されている。玄関からはサロンへと入り、サンルームから庭へ面した廊下を通って茶の間へと向かい、和室などを巡って最後に書斎を見学するという順路になっている。
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面白いのがこの邸宅、もともと異色の建築家として活動していた下田菊太郎に設計を依頼していたのだけれど、当時の流行だったフランク・ロイド・ライト建築の特徴である低い天井の風潮を下田が採用し、出来上がった和室は床の間に掛け軸をかける高さがないことが発覚。楚人冠は大激怒し裁判沙汰になり、結果的に自分で設計することにしたという経緯を持っている。
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我孫子の名士として多くの人物と交流を持ち、ゴルフも嗜んだ(非常にスコアが悪かった)ことなど生前のエピソードが多く残されている。正直なところ彼が東京都大田区の馬込に住んでいた、いわゆる「馬込文士村」の一員である、ということくらいしか知らなかったのだけれど、記念館で展示されている内容を見るにつけてその人柄に触れると人物像に厚みが増す。トイレは男女共有の個室でウォシュレット式。
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建物で見学可能なゾーンは1階のみで、あとは記念館の周辺が広大な庭園になっている。崖線の傾斜を生かした造りをした庭園で、園内には離れの茶室などが残されている。アートイベントの一環としては庭園の中にいくつか作品が展示されていることが該当する。
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・アビスタ
手賀沼の湖畔にある文化施設であるアビスタは公民館や図書館の複合施設として建っている。ロビーでいくつかの作品を展示。市民ギャラリー的な傾向もある。トイレは和式と洋式。
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・志賀直哉邸跡
「暗夜行路』『小僧の神様』などの作品を残した文豪の志賀直哉が我孫子に居を構えていた頃の邸宅跡が志賀直哉邸跡として公園になっている。住居はすでに残されていないが茶室のみ復元されて公開されている。広場ではパブリックアートを展示。屋外から茶室の中にまで侵食している。トイレはなし。
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・嘉納治五郎別邸跡
日本柔術の祖と言われ、講道館柔道を打ち立てた嘉納治五郎もまた我孫子を愛した一人で、杉村楚人冠をはじめとした文豪・文化人たちとの交流も深かった。その名残を感じられるのが嘉納治五郎別邸跡で、高台にあって手賀沼を見渡せる天神山緑地となっている。邸宅は残っていないが、公園にある四阿には彼の揮毫が残されている。トイレはなし。
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・旧村川別荘
西洋史の学者である村川堅固が自ら設計し我孫子に構えた別荘が、現在は旧村川別荘として公開されている。都内にある国の有形文化財となっている邸宅は一般公開されたタイミングで行ってきてその内装の妙が印象的だったため、今回の別荘にもほのかな期待を込めつつ訪問することに。
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旧村川別荘は崖線に建っている広大な敷地の中に新館と母屋という建物がある。新館の方は常設展示として村川堅固と、その息子で同じく歴史学者として活動した村川堅太郎の事績を紹介している。母屋の方ではアートフェスに合わせて現代アート作品を展示。トイレは母屋にあり和式。
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・水の館
手賀沼の湖畔に建つ特徴的な建物である水の館。農産物直売所などを展開するイベントスペースとしても使われる。1階の片隅では手賀沼の自然を紹介する展示スペースがあり、写真集なども開催。また2階にも手賀沼の歴史を紹介する展示コーナーがある。トイレはウォシュレット式。
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・鳥の博物館
日本国内でも有数の展示数を誇る我孫子市鳥の博物館。実は国内で唯一となる鳥類についてを専門に扱っているミュージアムである。もともと皇族の山階芳麿が鳥類の研究のために設立した鳥類研究所が渋谷から我孫子に移転することをきっかけにして我孫子市が協力するかたちで専門の博物館を創設した。手賀沼の汚濁問題が深刻で、これを起点に手賀沼を浄化する目的で作られている。
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2階にある展示室では手賀沼の四季がジオラマ展示されており、その季節ごとに生息する鳥を紹介している。もともとこのミュージアムが手賀沼に焦点を当てることを目的としていたこともあってこの展示室は妥当なところ。手賀沼の干拓の歴史も紹介している。企画展示室も兼ねており、鷲や鷹、梟といった猛禽類にスポットを当てた企画展を開催。さらにミュージアムショップやワークショップの部屋もある。
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3階が国内随一の鳥の博物館としての本領発揮といったところ。鳥の起源や進化の歴史、鳥の生態など鳥についての詳しい説明があるのもさることながら、絶滅したエピオルニスの卵、始祖鳥の化石の復元、ディアトリマの復元模型やモアの骨格レプリカといった貴重な資料が展示されている。
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そしてなんといってもメインとなるのが世界の鳥コーナーで、26目157科にもおよぶ世界中の鳥を標本として展示している。その数は260点以上におよび、ダチョウ、キジ、カモ、ペンギン、タカ、ツル、ハト、ハヤブサ、スズメなどの系統に分けられて紹介されいるのが圧巻。興奮も冷めやらぬまま最後は絶滅種についてのシリアスな展示。もはや日本で野生では見られなくなってしまったトキの剥製が残されている。
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展望室からは手賀沼も見渡せる。博物館の所蔵する展示数はかなり多く、鳥専門の博物館として研究者はもちろんのこと、観察が好きな人も訪れてほしいミュージアムである。トイレは和式と洋式はウォシュレット式。
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・柏市郷土資料展示室(千葉県柏市・柏駅)
手賀沼の北と東に位置するのが我孫子市で、南と西と東を囲むようにあるのが柏市である。我孫子市アート散歩のついでに柏市のミュージアムも散策する中で柏市郷土資料展示室を発見したため寄ってみることに。個人的にはあまりの馴染みない柏市の歴史がわかるようなミュージアムとして作られている。
柏市郷土資料展示室では基本的には常設展示として郷土資料の展示を行なっており、いわゆる土器や板碑(特に板碑については詳しい解説もある)が展示されているような一般的な郷土博物館なのだけれど、今回は企画展として民藝作家で知られる芹沢銈介を取り上げ、常設展の資料を提供している砂川七郎によるコレクションが展示されている。
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今回の企画展が展示室の半分以上のスペースを使用して行われている展示となっており、それに伴って常設展示のスペースが割かれ、従来の郷土博物館としての展示は希薄。それでもミュージアムの所蔵品のうち作家による絵画を展示している。トイレはウォシュレット式。
・北千葉導水ビジターセンター(東京都柏市・北柏駅)
手賀沼の湖畔に建っている北千葉導水ビジターセンターは、利根川などの河川から流れてくる水(量が多ければ甚大な被害をもたらす)を千葉県の各地域へ分配したり手賀沼の水を浄化するといった役割を持っている施設である。こちらの2階には展示室があり、ビジターセンターの役割を紹介している。
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洪水で氾濫する恐れのある利根川の水を東京の江戸川を結ぶための導水路として地下に作られている北千葉導水。手賀沼もまたその水源の一つであり、展示室からはその導水への分水路を見ることができる。展示室内では北千葉導水事業の役割などがパネル展示されているほか、ポンプ設備なども見渡せる。トイレは和式と洋式。
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