川崎市役所旧庁舎復元棟/展望フロア〜アートガーデンかわさき(神奈川県川崎市・川崎駅)
・川崎市役所旧庁舎復元棟/展望フロア(神奈川県川崎市・川崎駅)
神奈川県で第二の都市として知られる川崎市は、2024年に市政100周年を迎える節目の年だそうで、各地でいろいろなイベントが開催されており、ちょうど1年前に完成した新市庁舎の中にも、かつての市庁舎だった旧川崎市庁舎が復元されており、一般にも開放されて展示を行っている。さらに新市庁舎の方には展望フロアもあるということから、せっかくだからそちらも見学してみることに。旧市庁舎のシンボルだった時計塔も復元され、3階の屋上庭園から間近に見られる。
旧市庁舎の方は正面玄関のロビー左手と、2階と3階にその面影を残している。もともと3階建て(東側は2階建て)だったそうで、旧市庁舎ではその当時の建築の記録だったり、旧市長室などが公開されており、当時の建築部材を活かして復元した様子がわかる。なお、2019年に発生した台風によって多摩川が氾濫した影響で、川崎市の中心的なミュージアムであった川崎市民ミュージアムは収蔵品がほぼ水没するという壊滅的な被害を受けており、現在も収蔵品の修復に向けて懸命な作業が行われている。
川崎出身である岡本太郎のオブジェが印象的な2階から3階へ階段で上って行くと屋上庭園の広場へと出る。ここではシンボルだった時計塔が復元されておりすぐ近くで見ることができる。あいにく内部へ入ることはできないものの、その面影を偲ぶ感じだろうか。新市庁舎は25階が展望フロアとなっており、エレベータで上がると回廊型の展望フロアからは川崎市が東西南北で一望できる。日によっては24階で議会室も見られる。トイレはウォシュレット式。
・アートガーデンかわさき
川崎駅から雨に濡れずに直結しているリバークビルは図書館があったり飲食店が立ち並んでいる施設である。そのリバークの中にあるアートガーデンかわさきは普段は市民ギャラリーとしての活動を主としているギャラリーなのだけれど、折りしも川崎市政100周年という節目もあってか、企画展として川崎出身である作家の曽谷朝絵による個展「Colorings」を開催。
全部で3つある展示室の全てを展示スペースとして使用するという試みで、日常で出会う色と光から着想を得た作品を制作してきた作家による、絵画とインスタレーションを中心とした展示になっている。参加型のインスタレーションである「もりのいろ」が特に今回の目玉で、来場者が自由に色を塗って白壁に貼り重ねて行くことで作品自体が成長して行くという試みでもある。またその裏側では水彩がアニメーションとなって空間に投影される映像があったりと、市民ギャラリーから一歩とびでた作品の展示が面白い。トイレはウォシュレット式。