佐倉巡り1(順天堂記念館〜旧堀田邸〜佐倉武家屋敷 千葉県佐倉市・佐倉駅)
佐倉の美術館で開催のフランソワ・ポンポン展覧会を会期中になんとか見たいと思い、どうせ佐倉まで行くなら色々と見て回ろうと画策。佐倉にはまだ江戸の名残のある場所が多くある。
・順天堂記念館(千葉県佐倉市・佐倉駅)
駅前でレンタサイクルを利用。正直なところ自転車を使ったことであらかたの場所を回ることができる。というより自転車がないと徒歩では佐倉市内を移動するのは大変で、特にこの順天堂記念館は少し遠くに離れている上に勾配があるので、可能であれば電動自転車も考えたほうがいいかもしれない。何箇所か点在するレンタサイクルスポットで単発で借りることができる。
自転車で国道296号を走っている途中に「ぽっくり庵」なる謎の店を見かける。なんだろう? とても気になった店なのだけれど店主と常連らしき2人の初老の男性が店先で談話をしていたので流石に近寄り難くて断念。あとで調べてみたけれど何の店だか一切わからない。気になる。
順天堂記念館は江戸末期に蘭医の佐藤泰然が病院兼住まいとしていた場所。息子には新撰組の治療をした松本良順がいる。ちなみに佐藤泰然には実子が何人かいるものの養子に出しており、自身の後継は養子というのも不思議。そのその名の通り順天堂大学の起源となっている。
館内には江戸時代の医療に使われた医療器具や、当時の医療費の看板などが残されている。江戸時代の医療をテーマにしたドラマなどメディアで注目されたこともあって訪れる人も増えている模様。
ちなみにここと旧堀田邸と旧武家屋敷は共通チケットがある。トイレは洋式。ちなみに小用トイレはハンドル式になっている。素晴らしい。
佐倉市にはこうした江戸時代からの街並みが今でも残されている箇所が多くあり観光名所の一つとなっている。
・旧堀田邸
佐倉市はもともと江戸時代には佐倉藩として繁栄し、幕臣の堀田家が藩主となって統治していた。旧堀田邸は佐倉藩の最後の藩主であった堀田正倫が明治時代に旧領の佐倉に設けた邸宅・庭園となっている。
藩主だった人物の邸宅だけあって敷地はかなり広大で、これでも残されているのは当時の敷地から3分の1程度だという。また隣接する庭園も同じく堀田邸の敷地になっている。
ドラマや特撮ヒーロードラマの撮影などでも使われていたらしく、邸内には撮影当時の写真なども残されている。意匠自体はやや控えめで、明治以降の複雑な時代というのもあるのだろう、主に住居として使われていたことが窺える。欄間には釘隠しと呼ばれる装飾金具が取り付けられている。
桐、橘、楓が部屋ごとに区別されており、住居の中でも位置付けが意図的に行われていた模様。家紋かと思いきや、堀田家は堀田木瓜という家紋なのでそれとも異なる。さすがに葵の御紋というわけにもいかない。トイレは洋式が2つとウォシュレット式が1つ。
・佐倉武家屋敷
佐倉城跡の近くにあるのが旧武家屋敷。佐倉藩に仕えた武士の邸宅をここに移築したもので、全部で3つの屋敷が移築されている。上級武士・中級武士・下級武士の邸宅の特徴がわかるので見比べてみるのも面白い。
スタッフの応対が親切で、受付のタイミングでこの3つの邸宅の特徴を教えてくれる。前情報なしにただ見学するよりも特徴を念頭におきながら見てみるとなかなか興味深い。
例えば入口の畳は上級5畳・中級4畳・下級3畳。横柵は上級あり・中級あり・下級なし、居間の畳の縁は上級あり・中級なし・下級なし、といった感じで明確に分けられているらしい。下級に至っては部屋によって障子を認められないなどあったそうで、この辺りも武士の威厳みたいなものが見受けられる。
上級・中級の邸宅には茅葺き屋根だった様子が残されている(下級武士の邸宅は屋根が張り替えられた)。火事にならないように家の周囲に火災防止用のポンプが設けられているのはさすが。トイレは洋式。
武家屋敷に隣接する形で侍の社という緑地がある。ここでは裏庭で剣術練習木の復元イメージなどある。
そこから徒歩ですぐの場所にはサムライの古径として竹林に囲まれたひよどり坂がある。各種メディアでも取り上げられた観光スポットなので武家屋敷を訪れるついでに足を運ぶのが正解。
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