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わだつみのこえ記念館(東京都文京区・本郷三丁目駅)
太平洋戦争末期に戦没した学徒兵の遺書を集めた『きけわだつみのこえ』の刊行をきっかけに結成された日本戦没学生記念会によって東京大学の赤門すぐ近くに開館されたのがわだつみのこえ記念館。一般的なマンションなので入るのに躊躇する。恐る恐るマンションの中へ入るとすぐ1階に入り口がある。
東京大学の前にあるのはその結成が東京大学の学生を中心によって行われたことが関係しているのかもしれない。実際、見学に訪れた際も学校の授業の一環だろうか、生徒らしき見学者が数人いた。
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館内はマンションの1階へお邪魔して、階段を上がった2階の1フロアのみでかなりシンプルである。経験上こうした博物館はタイミングによっては独占して見学することが多かったので、狭い展示室ながらも5人くらいの見学者が熱心に展示品を見学している様子は意外。
館内には「わだつみの像」が飾られている他、東京大学だけでなく多くの大学の生徒が戦地へ駆り出され戦病死した記録がある。遺書だけでなく、生前に戦地で残した詩や小説など、本当に一般の学生と同じだったことが伝わってくる。中でも木村久夫と上原良司の手記が印象深い。
一角では映像コーナーがあり、本を元にして作られた映画や映像集を希望すれば閲覧可能。その数が半端じゃなく、とても1日では見ることができないくらいの映像作品が残されている。トイレはなし。
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