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平成記念美術館ギャラリー(東京都世田谷区・桜新町駅 松田光司展)
桜新町のあたりを歩いていたら世田谷通り沿いで展覧会が行われているのを発見し、なんとなく足を踏み入れてみる。株式会社平成建設が手がけた世田谷支社の中にある美術ギャラリーで、訪れた際に開催されていたのは彫刻家の松田光司による個展。最終日のギリギリでなんと本人が在廊しているというタイミング。
野球殿堂入り表彰者レリーフの制作者である他、箱根駅伝モニュメント、嘉納治五郎蔵などのスポーツに関連する作品を多く作ってきているという作者の作品はとても躍動的で、ダンサーなどをモデルにした動きのある造形がとても目を引く。その中に幻想的な表象の作品もあったりして個人的にはかなりの好み。
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建設会社の中にあるギャラリーというのが特徴的で、作品を味わいつつ建物も味わえるという極上の体験ができる。展示室は1階と2階にそれぞれあって、1階は一般的なギャラリーの様相になっている。どちらかというと人物像などリアリティに即した作品が多い感覚もある。
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2階は色々な屋内の建築様式をモデルルーム形式で紹介しながら、その部屋ひとつひとつの中に作品を展示させるという興味深い試みを行なっている。大きく分けて6つの空間を構築していて、その内装の技に感じ入るのと同時にそこに溶け込む作品を眺められる。
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基本的に自分のペースで見ることができるのでストレスもなく、ショールームの機能もありながらとても良い試みだと感じ入る。
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作品の中で特に印象的だったのが「妖精卵」シリーズで、女性の纏った布が風に靡いて卵型になっているという印象的な作風になっている。
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やばい。かなり好き。もちろん美術品なのでそれなりの金額がする(ギャラリーのため作品の金額も提示されている)けれど、確かにこれは手元に置いておきたいという人の気持ちもわかる。
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トイレはウォシュレット式。どころか、この世田谷支社にはトイレがなんと7種類もある。衝撃的。さすが建設会社。トイレさえもショールームの趣である。あいにく入れたのは2階にある2つだけだったものの、とても拡張高く居やすい空間になっている。手放しにすごい。
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