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古代オリエント博物館(東京都豊島区・池袋駅)

池袋サンシャインシティ。池袋が誇る巨大なビルディングであるサンシャイン60を擁するこのエリア。古代オリエント博物館は文化会館の7階にひっそりと佇んでいるが、実は設立から40年以上も経っている歴史ある博物館。その初代館長である江上波夫といえばご存知の人も多いだろう。そう。有名である。間違いなく。うん。

実は自分の中ではリアルに有名人である。世間からどれくらいの認知度があるかは定かではないが、考古学の分野ではおそらく著名な人物で横浜のユーラシア記念館に江上コレクションを寄贈したことでも知られる。調べてみたら騎馬民族征服王朝説という説を提唱している。真偽はともかく、司馬遼太郎などにも愛され、手塚治虫『火の鳥』でもこの説を基にしたような設定がされていたりする。

古代オリエントとは中近東や西アジアと呼ばれる地域のこと。主にメソポタミア文明を中心として東はインド、西はエジプトに至るまでのエリアを指している。

館内は1フロアながら有効的な仕切りを行っており主に6エリアに分かれている。巨大なスクリーンを正面に順路を進むとまずは江上波夫がメインで研究していたというシリアの発掘コーナー。こちらでは生活家屋の復元模型もある。約4000年前の家屋にもバックギャモンのようなゲームがあったらしい。

ガラス展示のコーナーでは最古のオリエントとして、さらに時代を遡って最古の文明が誕生するまでの100万年前からの歴史を辿る旅へ。毎度のことながら、発掘者は何だかわからないような欠片を見て「これは陶器、これは骨」とかって判断できるというのが畏れ入る。自分だったら絶対わからない。

つづいて古代メソポタミアのコーナー。ここでは国家が成立してからの政治や「目には目を」で有名なハンムラビ法典の石柱レプリカが展示されている。本物はルーブル美術館にあるらしい。

次は古代エジプトの文化ということでファラオの仮面などが展示されている。ミイラを入れていた棺もある。ここだけ見るとミイラ展みたいな錯覚を起こさせるが、館全体でのエジプトの比率は少なく中近東の方がメインである。

次には古代イランとその周辺ということで、この辺りになると国家が発達し文化が栄え、豪華な装飾なども身につけられるようになった。金製の首飾りとか、セキュリティ大丈夫なのか心配になるほどである。他にもゆるい顔をしたウシのコブウシ土偶など、目を引く小物の展示が目立つ。

最後のコーナーでは東西文化の交流と称し、仏教文化との交流(仏像の浮彫など)をメインに、ガラス器の発展、リュトン(宗教儀式に使われたと考えられる液体の容器)などが展示されている。

企画展は来たイラクのマイノリティを訪ねてと称して、伝統文化を紹介する写真の展示がメイン。

全てを通してだいたい1時間ほどあれば回れる広さで、キャプションの説明や体験型展示など低年齢層も考慮した説明をしており、さすがサンシャインシティだと感心する。トイレはウォシュレット式。


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