千葉県立現代産業科学館(千葉県市川市・鬼越駅)
千葉県には県立として位置付けされているミュージアムが主に3つある(分館を含めればもっとある)。県立博物館と県立美術館は千葉駅の周辺にそれぞれ存在するが、科学博物館としての機能を持っているのが東京都との玄関口にあたる市川市にある千葉県立現代産業科学館である。県立ということでかなりの規模である。科学博物館おなじみの体験型展示が多いため見学者のほとんどは親子連れなので覚悟していたこととはいえ少しアウェイ感がある。
建物は2階建てになっており、1階の中心部である吹き抜け部分で体験型展示が多く並べられている。こうした設備は基本的に子供が楽しむための行列ができているので、そこを大の大人が邪魔するのもあまり良くない。というより違和感しかないので遠くから眺める程度にし、周囲にある展示室を中心に楽しむことに。時間によっては実験コーナーもある。
大人が単体でもじっくり楽しめるのは2階の部分である。現代産業科学館という名前を体現するように2階では近代から現代に至るまでの産業を支えた科学技術が紹介されている。鉄鋼産業では巨大なベッセマー転炉、石油産業では自動車、電力産業では発電所の模型展示などと共に歴史を紹介している。こちらの展示室はかなりの広さを誇りつつ、見学しているのはほとんどが大人というややホーム感がある。
トイレは和式と洋式。プラネタリウムもあり、企画展としてプラネタリウム投射機のMEGASTARを設計開発した大平貴之氏のコーナーが設けられている。その規模とコンテンツの多さで、じっくり楽しむなら一日中いられるほどのボリュームがあるミュージアムである。さすがは県立。
産業に応用された科学技術を紹介すると共に、実際に体験しながら科学を学べるという、一般的な科学館のさらに大きな施設ということであれば理解が早いかもしれない。