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消防博物館(東京都新宿区・四谷三丁目駅)

四谷三丁目駅の交差点にあるのが消防博物館。警察博物館に行ったなら消防博物館に行かないわけにはいかないと勢い勇んで訪問。入口から巨大な纏(おでん)が出迎え、四谷消防署と併設されている。企画展示室を合わせると6フロアに渡るかなり大きな博物館で、おまけに図書館や展望できる防災ラウンジまである。その気になれば1日中いられそうな施設である。

常設展示は5階から。徐々に階段を降りて行くことで現代へと繋がって行く。5階では消防の夜明けとして、江戸時代の火消しについての紹介がされている。火消し制度が始まったのは江戸幕府三代将軍の徳川家光の頃。当初は奉書火消という書面上の趣が強い制度だったが度重なる火事が発生し大名家を指定して大名火消を組織。さらに明暦の大火を契機として、江戸の防火を目的に幕府直属の常設消防隊として定火消という専用の火消屋敷で寝泊まりする消防組織を作った。これが現在の消防署のルーツといえる。

火消しにも身分ごとにいろんな種類があった

町人のための火消し制度は大岡越前守忠相が作った「町火消組合」。いろは四十七組というのが有名だけれど、これは隅田川以西のこと
で、隅田川以東の本所・深川では別に十六組が存在している。いろは四十七(のちに四十八)は「へ(屁)、ひ(火)、ら、ん(発音が下品)」の代わりに「百、千、万、本」が使われている。

おでんだらけ

4階の明治時代に入ると武家火消は廃止され、それに変わる「火災防御隊」となったが廃止。町火消は「消防組」と改称された三十九組が編成され、そこから警察組織の一部として警察消防となった。江戸時代には破壊によって延焼を防ぐことが目的だったが、ポンプの導入によって注水消火活動へとシフトすることになる。4階ではこれら導入された消防車の現物が多く紹介されている。

馬は火に怯えなかったのだろうか

3階に降りると現代の消防へ。陸上だけでなく海上や空中からの注水に至るまで発展しており、これらは地下階にある消防車の展示などと合わせて見ておきたい一つ。なお3階は体験型の展示がメインとなっており、子供向けの展示である趣が強い。完全に大人向けの5階4階と合わせて親子で楽しめる場所かもしれない。トイレはウォシュレット式。

子供向けの展示は日時によっては混雑しそう

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