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田端文士村記念館(東京都北区・田端駅)

二度目の訪問となる田端文士村記念館。田端エリアに形成されていた文士村を記念した文学館である。イベントとして三鷹の太宰治展示室と四ツ谷の新宿歴史博物館との共同企画でスタンプラリーを実施している。こちらでスタンプを押せばオリジナルの栞をもらえる。ちょうどここで3館目をコンプリートできたので、別の記念品も獲得。

この文学館の顔と言えるのが芥川龍之介だけれど、文士村の始まりは文豪ではなくて芸術家たちの集まりを発端としている。東京藝術大学が近いことから小杉放庵や板谷波山、吉田三郎や香取秀真といったさまざまな分野の芸術家が住み、その後に東京大学の学生として芥川龍之介が住んだことから室生犀星や萩原朔太郎、菊池寛、堀辰雄といった文士たちが移り住んで形成されたのが文士村となっている。そのほかにも竹久夢二、田河水泡、岩田専太郎、サトウハチロー、野口雨情といった童謡や挿絵・マンガの分野で活躍した人物もここで名作を多く生み出している。

特別展示として詩人の吉増剛造による、芥川龍之介の作品をイメージした詩を展示している。前衛的な作品で知られる吉増剛造、さすがに一筋縄ではいかない。単純に上から下、右から左に詩を書き連ねるだけでなく視覚も意識したダダイスト的な詩の見せ方が面白い。

企画展はコラボレーション企画に合わせて芥川龍之介をメインとした展示になっている。夏目漱石から励まされた手紙や、妻の文子への熱烈なラブレターが展示されている。文豪として名を残したが故に死後もこうして晒されるわけである。風呂敷の表裏を逆にした息子への溺愛っぷりもすっかり晒されている。展示室内では田端の家も模型で展示されている。トイレは和式と洋式。

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