三菱UFJ信託銀行信託博物館(東京都千代田区・東京駅)
ここ数年で各方面から話題に上がることが多くなってきた投資信託。では投資信託は一体なんなのか、その仕組みや歴史を学ぶ上で投資をしている人であれば必ず訪れておかなくてはならないスポットですね。
東京駅のすぐ目の前、丸の内ビルのすぐ隣にある三菱UFJ信託銀行、上流階級の社交場である日本工業倶楽部の入っている建物にあるのがこの三菱UFJ信託銀行信託博物館である。館内は1フロアで広大なわけではないながらも映像による紹介やタッチパネルを使った解説など最新鋭の見せ方をしている。
信託とは信じて託す。始まりは中世のイギリスで、相続による徴収で土地を失う制度から土地を守ることを目的としてユースという概念から始まったとされている。投資信託とは三位一体であること。委託者と受託者と受益者の三つが互いに信頼し合う関係でないと成り立たない。イギリスからアメリカへ渡った信託文化は発展し、資本家たちはどうやって財産を残すべきかしっかりと考えて行くようになっている。ウォルト・ディズニーやマリリン・モンローが遺言の中でどのような内容の信託を設定していたかも紹介している。
日本では早くから為政者による信託のようなものは行われていて、豊臣秀吉なども寺社へ土地を寄進し、そこから上がった年貢を母の菩提寺として葬儀費用として工面した、というような例が多くあったため、明治時代になって入ってきた信託の概念を割と早い段階から受け入れているという。大正時代に信託法・信託業法が制定されると財閥系の信託会社が設立され、信託の普及を図るために教科書に掲載されたりもしている。
また英米文学では『ヴェニスの商人』『トム・ソーヤーの冒険』『高慢と偏見』『あしながおじさん』といった色々なジャンルの作品に「信託」が登場し、いかに人々の生活の中に浸透しているかもわかる。日本の作品にはあまり見られない傾向ではある。
現在の三菱UFJ信託銀行におけるイメージキャラクターとして知られているのはピーター・ラビット。実はこれも信託と大いに関係している。ピーター・ラビットは作者であるビアトリクス・ポターがイギリスの湖水地方で夏季休暇を取って自然をスケッチしていたことから誕生している物語で、ビアトリクスはこの湖水地方の自然をいつまでも残したいと思い、ピーター・ラビットで得た収入でこの土地を次々と購入して農場経営者として自然景観を保護し、遺言においてナショナル・トラストへと土地を信託したことで今でもこの地方の自然が守られている。現在は世界遺産にも登録されている。
コーナーの一角では絵本の世界と一緒に記念撮影できるコーナーなんかもある。トイレはなし。
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