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2B SaaSに関する考察
肌測定・データ管理ソリューションのHADABON Proがリリースされました。この2B(ビジネス向け)SaaSの登場を機に、筆者は2B SaaSについての理解を深めるため、考察をまとめていくことにしました。第1弾では、SaaSの本質的な特徴と、一般的に2B SaaSが失敗する理由について調査しています。
SaaSの本質とは?
ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)の本質は、従来のソフトウェアとは異なり、継続的な課金型のサービスにあります。具体的には以下の2点が大きな違いとなります。
クラウドベースの運用方式
SaaSはクラウド上で提供されるのに対し、従来のソフトウェアは企業の自前サーバーで運用されていました。サブスクリプションビジネスモデル
SaaSはレンタル型のサービスですが、従来ソフトウェアは一括購入が一般的でした。
プロダクト・顧客・市場の重要な関係
優れたSaaSプロダクトがあって初めて、顧客からの認知と市場の承認を得ることができます。市場を制覇するには、顧客の支持を集め、爆発的に普及するプロダクトの開発が必要不可欠です。
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2B SaaSが失敗する理由
企業の生産性向上やデジタルトランスフォーメーションを後押しするはずのSaaSが、なかなか大規模に普及しない背景には、以下の課題が存在します。
企業側からの効率向上やDX化へのニーズが大規模に至っていない
不十分なプロダクト品質
資金難から企業向けのカスタマイズ開発に走ると、SaaSのコア機能が後回しになり、質が低下する恐れがあります。顧客のビジネス理解不足
機能が不十分だと顧客にプロダクトの価値が伝わらず、評価が得られません。ITアーキテクチャの拡張性の低さ
バージョンアップの度にアーキテクチャの見直しが必要になると、開発リソースが無駄になります。組織全体の能力不足
マーケティング、販売、サービス等の各段階で、プロセスやルールの構築が不足していると普及が難しくなります。
顧客企業の購入プロセスのボトルネック
各社で購入権限の流れが異なると、営業に高いハードルがあります。営業・販売のプロセスが標準化できないと、スケールが難しいくなります。
2B SaaSが失敗する理由は、プロダクトの質が不十分なこと(内因)と、顧客のニーズがMust-have的ではないこと(外因)が、2B SaaSの普及が進まない理由だと言えます。
汎用型SaaSと業界特化型の差
業界特化型やシナリオ型のSaaSは、汎用型SaaSより発展が速い傾向にあります。特定の課題に対する具体的な解決策を提供できるため、企業の購買意欲を刺激しやすく、トランザクションやデータ蓄積においても有利に働くからです。
例えば、医療業界特化のSaaSは患者管理や診療情報の整理に特化することで、医療現場の業務効率を飛躍的に高めることができます。
SaaS企業が本格的な普及を遂げるには、継続的な優れたプロダクト開発と、顧客ニーズの的確な捉え、組織体制の強化が不可欠です。その際、業界やユースケースに特化したSaaSは有望な選択肢となり得ます。
肌測定・データ管理ソリューションのHADABON Proがリリースされました。この2B(ビジネス向け)SaaSの登場を機に、筆者なりに2B SaaSについての理解を深めてみようと考え、考察をまとめていくことにしました。第1弾では、SaaSの本質的な特徴と、一般的に2B SaaSが失敗する理由について調べてみました。今後さらに、HADABON Proの成功要因や2BSaaSビジネスのあり方など、様々な角度から検討を重ねていく予定です。
HADABON Proのホームページはこちらです。
https://www.hadabon.jp/
SaaSが継続的なサブスクリプションモデルであることや、優れたプロダクトがあっても普及に至らない背景が分かりました。HADABON Proは業界特化型SaaSとしてそうした課題を乗り越えた可能性があります。具体例から学びを得ながら、2B SaaSビジネスの本質を探っていきたいと考えています。筆者なりの見解ですが、皆さまからのご意見も参考にさせていただければ幸いです。