四四田、はじめて浅草演芸ホールに行くの巻
6/23
昨日ですね、あまりにも贅沢すぎるお江戸日本橋亭の「春風亭昇也師匠真打披露興行」に伺ったのですが、
その出演陣の豪華さは前回記事 https://note.com/nare4ka_44da23/n/n3a7c6cc87e86 をご覧いただくこととしまして。
とにかく、それがあまりにも割が合わない。こちらが贅沢をしすぎている…!と思ったものですから、
「演芸から受けた恩は、間髪を入れず演芸に返さなきゃいけない」
のではないかと思い立ちまして。
そんな思いで急遽、浅草演芸ホール定席夜の部に行ってまいりました。
6月下席前半の主任は僕の大好きな瀧川鯉八師匠です。
さて、そんなわけで、今日の顔付けと演目はこちらでした。
「まんじゅう怖い」桂伸都さん
「ハローワーク」瀧川鯉白さん
漫才:カントリーズさん
「初天神」春風亭昇々師匠
「長命」春風亭傳枝師匠
漫談:ねづっちさん
「実践自動車教習所」春風亭鯉枝師匠
「青菜」三遊亭遊之介師匠
マジック:きょうこ先生
「お見合い中」昔昔亭桃太郎師匠
仲入り
「二階ぞめき」春風亭昇羊さん
漫才:宮田陽・昇師匠
「胡椒の悔やみ」三笑亭夢丸師匠
「茶の湯」瀧川鯉昇師匠
音曲:桂小すみ師匠
「黄金風景」瀧川鯉八師匠
じつは四四田、浅草演芸ホールさんに伺うのは今日が初めてでした。
大好きなきょうこ先生や、ねづっちさん、宮田陽・昇師匠方(僕はなぜか寄席にお邪魔すると高確率で宮田陽・昇師匠の漫才とご縁があります。顔付けで入っていらっしゃらなかったのに行ったら代演がお二方だった、なんてこともあります)で、初めての演芸ホールにどきまぎしている気持ちがほぐれました。
浅草演芸ホールはなんだかとても雰囲気が自由で、すごく伸び伸びいられました。…いや、もしかしなくても僕はいつでも伸び伸びしてるかもしれませんが。
大前提として、どの師匠方、色物の先生方もいつでも最高に素敵、ではありますけど。印象に残ったところをつらつらっと残しますね、ここは僕の備忘録なんだ。
開口一番は、桂伸都さん(今年の一月に前座さんになられたばかりなんですね。堂々としてらっしゃいました)。ハキハキとなさっていて、とても好感が待てました。まんじゅう怖いを聞くのはなんだかとても久しぶりな気がしたのですが、改めて聞くと面白い噺だなあ。(四四田が小一のとき、一生懸命覚えて何かというと大人の前でやったのがまんじゅう怖いでしたワハハ)
胡麻塩代わりのアリさんと納豆に投入されるクモさんの話を、まともに高座で聞くと、うわあああってなりますね。動くアリ胡麻…なんつー噺を思いつくんだ落語ってのは…!
鯉白さん。すごい。こわい。座られて話し出すまでの間ですでに笑いが起きたけれど、まくらから噺に入るところの切り替えが鬼気迫ってこわい。こわい。とにかくこわい。サゲだな、と思わせてそこで落ちずに突然立ち上がって去っていく終わり方が体験したことのない世界でびっくりしました。落語って自由だな…っ
そして鯉白さん、からのカントリーズさん、って流れが凄すぎる。カオス。もう前半からして今回の番組の尋常でなさをひしひしと感じる。
昇々師匠。安定の昇々ワールド。師匠の古典は古典なのに古典じゃなく聞こえるのはどうしてなのでしょうか。臨場感の生っぽさが古典を現代に生きさせてしまうのでしょうか。初天神、大好きでこれまでに幾度となく様々な師匠で聴いてるネタですけど、金ちゃんがちゃんとあれ買ってこれ買って言うの我慢しているな…!?と、昇々師匠の金ちゃんにはものすごく感じました。これはご褒美に何か買ってもらっていいやつ…!
毎度キレキレのねづっちさん(なんであんなに一瞬で色んなことを思い付かれるのでしょうか…)挟んで、ベテランの傳枝師匠、鯉枝師匠、遊之介師匠。寄席は色んな師匠方の色んな噺を聞けるのが楽しいとこだな〜と改めて良さを感じたり。あと、ねづっちさんが、できたくんの噂をチラッとしてくれたのが嬉しかったできたくんファンです。(できたくんに作ってもらった発泡スチロールは部屋の一番高いところに飾っている)
きょうこ先生大好きです!!!!今日も最高です!!!!
しかし桃太郎師匠の可愛らしさはなんなんですか。
食いつきは、昇羊さん。昇羊さんの二階ぞめき、すごい好きだった。そもそも若旦那が似合うこと。若旦那の一人三役喧嘩のくだりは客席からも喝采が。しかしそもそも、落語それ自体が若旦那のやっていることのようなもの(一人で何人ものキャラクターを演じ分けて話を進める)なんだけど、それを二回ぞめきという物語内ではさらに若旦那が一人でやっている、という状況なわけで。やってることは普段の落語だけど、それをあくまでも今は若旦那一人がやっているごっこ遊びわけで、、、ある意味とてもメタ的な視点が発生するというか、すごいゲシュタルト崩壊しかねない噺だよな?と、後になってすごい難しいことを思って頭がぐるぐるしました。それをさらっとお演りになっていた。そして上手かった…。
宮田陽・昇師匠。安心の師匠方。大好きです!!!!なんかもう、四四田は一方的にいつも宮田陽・昇師匠を拝見してるので、寄席で拝見できると安心感がハンパない。一気にアウェーじゃなくなる。勝手に。
夢丸師匠。寄席で出会う度に好きになっていく師匠のお一人です。もうすっかりファン。四四田、胡椒の悔やみって知らなくて、初めて聴いたんですけど、とにかくおかしくて。夢丸師匠の笑い上戸の男の笑い方、胡椒を(適量)飲んだ後、胡椒を飲み過ぎた後、の演じ分けの見事さに終始こちらが笑い過ぎる。それにしても、口の中が辛味でいっぱいいっぱいになってる時と泣き過ぎて言葉が出ない時とを、重ね合わせるこの噺すごいな〜と物語の出来自体に感心してしまった。
鯉昇師匠。茶の湯って噺の怖さってものがあると思うんだけど(だってよく考えたら凄い危険な噺だよね)。怖さに振り切り過ぎずに、サラッと上品に進む鯉昇師匠の茶の湯。定吉とご隠居さんのツーカーな相性の良さみたいなのが好き。
小すみ師匠。さわぎカッコいい。そしてまさかすぎるオーソレミオ。三味線弾きながら、正座で座りながら、あのファルセット出せるのシンプルに凄くないですか。ファルセットに騙されて、歌詞の真ん中が全部スパゲッティの種類だってことに一瞬気づくの遅れました。美声は何もかもを凌駕する…。奴さん姐さんを踊ってくださって華やかにトリの鯉八師匠へ。
鯉八師匠の黄金風景は確かこれで四四田は二度目。初めて聞いたのは去年の大成金の時だったかな。まくらのランチビュッフェで、あ、これは…黄金風景…と、切なくなる覚悟を決める笑子沢山で貧しい生活を余儀なくされている一家のまさるくんが、友だち相手に「自分の家の昨日の晩御飯はビーフストロガノフだった」と見栄を張ったところから、まさるくんの友達はまさるくんの家の様子を見に行く。そうして盗み見る今日の晩御飯の様子。すごく可笑しいのにしんみり、しんみりさせられるのにやっぱり笑っちゃう。不思議な魅力の噺ですね。カレーに始まりカレーに終わるその出だしとサゲもすごく心掴まれる。貧しさの描写が惨めじゃなく感じさせられるのは、鯉八ワールドのなせる技。視線の土台に愛情があるというか。黄金風景は羽織を脱ぐところがめちゃくちゃかっこよくて大好きです。
たっぷり堪能した浅草演芸ホール6月下席前半夜の部。前半は残り二日間の25日まで。
26日からは桂伸衛門師匠が主任です。これも楽しそうだなあ。
帰りがけには、大沢かずみさんのポスターもしっかり拝見しました。
可愛いな〜。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?