「D&DEPARTMENT」ナガオカケンメイさんの3箇条
『デザイナーが未来に残したい私の3ヵ条』から、ナガオカケンメイさんの仕事で大切にしているルールを紹介します。本書には、作品も紹介されていますので、詳細は是非そちらをご覧ください。
①自腹でやってみる
自分で納得する行動をするためには、まずは「自分でお金を使う」ことが大切。
自腹を切るほどの「やる気」があることかどうなのか?
その人の行動が説得力をもつかどうかは、その人自身の「やる気」でしかない。
「自分がこの場所でこういうクリエイションをしたら、時代は動いてくれるのか?」と
考えながら動くことは、広い意味でのデザインの醍醐味。誰かからの依頼でデザインするのではなく、自発的にやる。
②日本を育てる意識を持つ
時代の変化とともに、地場産業を通して、東京だけでなく、日本を盛り上げていこうという意識に変わってきた。
作るというよりも育てるという意識ともいえる。
地方のデザインは、昔からその土地に根を張って、大木が葉っぱをつけるような感じで続いてきたものだから、説得力がある。
各土地で生まれて生活に根ざしていく「流通しないデザイン」というものがある。
自分たちで足を使って取材して本をつくったり、現地とパートナーシップを結んで、「D&DEPARTMENT」をつくったりすることで、そういう地域の作り手やものを紹介していく。そういう活動が、日本のデザイン全体を盛り上げていくことにもつながると思っている。
③生活者としての視点を持つ
「生活をしっかりとすること」も心がけている。
毎日の暮らしという意味でもそうだし、季節を感じたり、家族と対話したり、そういう当たり前の生活を大切にすること。デザインでも、ものを売るにしても、きちんと生活をしていない人のい言うことは説得力がない。
自分が扱うものは、一緒に生活して、本当にいいものなのかどうか納得した上で紹介していきたい。
僕がいわゆる業界的なデザインから離れたのは、製品を実際よりよく見せる誇大広告のようなものに違和感を覚えたから。その反動で、本当に使いやすい生活用品を突き詰めるという方向に関心が向いた。
ものを作ったり、売ったりするなら、その中核にいる人はきちんと生活のことを考えていなければならない。