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薬膳を学んだら食事の喜びが3倍になった件

みなさん、食べることはお好きですか?

サトタケは昔から食べることが好きだったのですが、薬膳を学んだことでその食べる喜びが3倍になってしまいました(嬉しい悲鳴)。本記事では、そんな「薬膳と食事の喜びの関係性」について簡単にお話したいと思います。すみません、今回は奈良でも薬草でもなく、薬膳についてのお話です。

スタートは、薬膳実践者の日常のお話から。

薬膳を実践する人の日常

サトタケは2020年頃に本草薬膳学院という学校で薬膳を学び、一年の履修の後に国際薬膳師という資格認定をいただきました。その後も色々な勉強を進めてはいますが、考え方のベースにあるのは、本草薬膳学院で学んだ薬膳の思想です。

一般的に「薬膳」って聞くと、漢方素材を使った薬のような食べ物、苦そう、というイメージがあるかもしれませんが、それは狭義の薬膳。薬膳を学んだ人間が考える薬膳とは、「すべての食材には薬膳効果があるから、体調に合わせて食材を選ぼう」といった感じの食事療法のことです。

なので、薬膳の実践者は、「ちょっと今日は身体が熱を帯びているからビールでも飲もうか(大麦を原料としたビールは身体を冷やす薬膳)」とか、「胃腸に元気がないから料理にショウガを加えておこうか(生姜は身体を温めて胃腸を活性化する薬膳食材)」と言ったように、普通に手に入る食材を使いながら、季節や体調にピッタリの食事をいただいているって感じです。

以下、サトタケの小説「コトリの薬草珈琲店」より、薬膳実践者の日常を描いた1シーンをどうぞ。


 シャワーを終えて部屋着に着替えた琴音は、「体が熱っぽいからビールかなぁ」と独り言をつぶやきながら冷蔵庫に向かい、扉を開けてビールの缶を手に取る。アルコールをたくさんは飲めないので、250ml缶がメインだ。ベッドに上がってあぐらをかきながら、ビール缶のタブを引く。プシュー。小気味良い音を確認してから、琴音はビールをひとくち飲んだ。

 いつものクセで、枕元の薬膳素材辞典を手元に引き寄せる。そして、ビールの項目をチェック。ビールはお酒の中でも珍しく身体を冷やす特徴があるのだが、それは薬膳の世界では有名だ。ただ、胃をはじめとした内臓の働きを整えることを琴音は忘れていた。「そうだった、健胃効果もあるから食前に飲まれているんだよね。」薬草や薬膳を提供する者の多分に漏れず、琴音もこんな感じで自分の知識を補強し続けている訳だ。


それではここから、薬膳を学ぶことで感じられるようになった“喜び”について、いくつかご紹介したいと思います。

喜び1:美味しいものを見つけやすくなる

昔、トマトが好きでいつも食べていた時期がありました。でも、よくよく思い返すと、季節によってトマトを求める気持ち、トマトを美味しいと思う気持ちにも差がありました。

薬膳を学んだ現在ならよく分かるのですが、生のトマトは身体の熱を冷ましてくれる薬膳食材なんですよね。なので、夏は美味しい。でも、冬は寒くなってしまう(ただ、熱量多めの人は、一年中、トマトを美味しく食べれると思います。人によって必要な食材が違うことも薬膳の大切なポイント)。

裏返すと、薬膳を学ぶと、今いちばん身体が求めている食材・いちばん美味しく感じられる食事が何であるか、イメージしやすくなる訳です。

例えば、オリーブオイルは潤いを補ってくれる薬膳食材ですが、ちょっと身体が乾燥してるなぁと感じるときにオイルパスタを食べるとめちゃくちゃ美味しいです。まぁ、そんな感じです。

喜び2:身体変化に敏感になって面白い

ミント(薄荷)ティーを淹れて飲んだり、ミントの精油をアロマディフューザーで楽しんだり。そうすると、サトタケの場合、目や頭のてっぺんがス~って涼しくなるんです。

または、紫蘇(青紫蘇)を食べたとき、全身の毛穴がゴゴゴと開く感覚があるんです。そして、モワっと蒸気が体外へ出ていく感じ。

または、ラム肉を食べた後、しばらくすると胃腸のあたりがホカホカになっていきます。

こういった食による身体変化のことを家族に伝えても「ふうん・・・」という反応しか返ってこなくて寂しい感じではあるのですが、これも、薬膳を知っている者の楽しみの一つと言えるかなぁと思います。

何か食べる。おお、身体が変化してきてるぞ。おお、効いてきたぞ。そんな感じ。

もちろん、(繰り返しになりますが)人によって反応は違いますけど。例えば、知り合いの多くの人は大和当帰葉のお茶を飲むとすぐに手の先がポカポカしてくると言うのですが、僕には何も起こらなかったり。

そうそう、これはネタ的なお話ですが、ギムネマ茶を飲むとしばらく甘さを感じられなくなります。羊羹を食べても味のないボソボソな物体を食べているような感じになっちゃう。身体変化を感じるためのお遊びとして、試してみても面白いかも。

喜び3:全身が美味しいと言ってくれる

サトタケの中では食べ物の美味しさに段階があるのですが、まず、一番わかりやすいのが舌で感じる美味しさ。ステーキが美味しい、唐揚げが美味しい、など。

そういった分かりやすい美味しさに加えて、いくつかの付加的な美味しさがあるイメージです。香りが素敵、新鮮で活き活きとしている、食感が面白い。

その付加的な美味しさの一つ、「全身で美味しく感じる」ことをもたらしてくれるのが薬膳かなぁと思っている次第。

梅雨の時期に身体が重いなぁ、どんよりしてるなぁ、となっている時に、水分代謝の得意なトウモロコシご飯などを食べて、美味しいし何だか身体も軽くなった。そこまでがセットの美味しさ。

オレンジピールの入ったチョコレートを口にして、チョコのほろ苦さで身体が少しキュッと締まる感じを受けつつ、オレンジピールのアロマによって全身の気が少し巡る感覚。全身の細胞が少しだけ動こうとしている感覚・・・そんな感じ。

いずれにせよ、口の周りだけで美味しさを感じるのではなく、身体全体で美味しさを感じられるようになることが薬膳の喜びの一つだなぁと思っている次第です。


ということで、今回は、薬膳を学ぶことでサトタケが得た食の喜びを、大きく3つご紹介させていただきました。2つ目と3つ目はちょっと想像しづらかったかもしれませんが、薬膳を勉強するとこういった特殊能力を身に着けられるかも、と妄想を膨らませていただけましたら幸いです。

薬膳仲間が増えたらいいなぁと祈りながら、今回はここまでとさせていただきます(^^)/

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