小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-12
夜の19時前。その寺の門は半開きとなっており、地面には和風の照明がぽつりと置かれている。照明は四角く、各面には和紙が貼られていてふすまを思い起こさせる。その一つの面にはイベントのロゴが描かれており、暗がりの中、背景の光がそのロゴを黒く浮かび上がらせている。
『花言葉ナイト ~Nacht der Floriographie~』
お寺にカタカナやドイツ語というアンマッチが、これから日常とかけ離れた異世界の時間が始まることを予感させる。
門をくぐると、指のマークの描かれ