小説:コトリとアスカの異聞奇譚 1-3
保育園からの帰り道。家に近づくにつれ、かの切実な雰囲気がその道に満ちてきた。
「コトリママ、また、あの声が聞こえた~」
やはり、そんな日は、明日香の耳に声が届くようだ。これまではさらっと受け流していたのだが、さっきのこともあって、今日は明日香に少しばかり課題を提供してみることとした。
「ねぇ、明日香。その声ってどんな声なの?」
「ちっちゃい声でわかんない。」その内容は、明日香にも分からないようだ。
「今日はお夕食まで時間があるから、ちょっと、探偵さんのお仕事をしてみ