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小説:コトリとアスカの異聞奇譚(完結)

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小説版<奈良の薬草と薬膳>の第二弾。植物の言葉の分かる琴音とその娘、明日香。彼女たちが出会う、日々の不思議なお話たち。
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2024年10月の記事一覧

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-6

「じゃあ、私の話に移るね。・・・これまでも何度か、葵ちゃん、いつかは自分の店を持ちたいっ…

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-5

「じゃあ、まず、葵ちゃんのほうからでいい?私のほうは、もしかしたら葵ちゃんの話によって変…

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-4

 晴れた日曜日、14時。  琴音が指定した場所は、東大寺の北西すぐにある大仏池のほとりだ…

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-3

 まぁでも、昔に比べたら人見知りの症状はマシになったものだ。かつての私だったら、こんな状…

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-2

 土曜日、ランチタイム。 「葵ちゃん、こちら1番テーブルさんにお願いね。あと、もうすぐ2…

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-1

第二章「花言葉の言霊」 関口葵(せきぐちあおい)は、これまでずっと悩んでいた。  目立た…

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 1-3

 保育園からの帰り道。家に近づくにつれ、かの切実な雰囲気がその道に満ちてきた。 「コトリママ、また、あの声が聞こえた~」  やはり、そんな日は、明日香の耳に声が届くようだ。これまではさらっと受け流していたのだが、さっきのこともあって、今日は明日香に少しばかり課題を提供してみることとした。 「ねぇ、明日香。その声ってどんな声なの?」 「ちっちゃい声でわかんない。」その内容は、明日香にも分からないようだ。 「今日はお夕食まで時間があるから、ちょっと、探偵さんのお仕事をしてみ

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 1-2

 ある晴れた、明るい夕方。琴音が明日香を迎えに保育園の門をくぐると、たくさんの子供たちが…

小説:コトリとアスカの異聞奇譚 1-1

第一章「新芽の囁き」 保育園へと続く道。色白で少し儚げなオーラのある母親と、顔立ちのはっ…