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全盲の乳幼児が地域の幼稚園や保育園にいくのは無理なのか?
弱視(ロービジョン)ならともかく、全盲(全く眼の見えない)の乳幼児が地域の保育園や幼稚園にいくなんて考えられない!
いまだにそのような考えをもっている人は多いのではないだろうか。
「全く眼が見えないのだから、保育園や幼稚園に行くのは危ない」
だとか、
「全盲の子どもが遊べる玩具がないので難しい」
とか
「お友達にいじめられちゃうかもしれない」
とか
「全盲なのだから盲学校へいくべきでしょう」
とか様々な憶測が飛び交い、結果、入園拒否という結論が導きだされるようだ。
しかし、これらには何ら根拠もない。
あなたは全盲の子どもが一般の幼稚園や保育園に通い、そこで大けがをしたという経験をしたのだろうか。
全盲が原因でいじめられている子どもを見たことがあるのだろうか。
全盲だからおにごっこはできないと思い込んでいるだけではないだろうか。
もし、ただ知らないだけで思い込みだけで子どもや保護者の想いを拒絶しているのであればこれは大問題だ。
実際に、約25年前に地域の保育園に入園させようと試みた全盲の子どもの保護者は入園までにかなり苦労している。しかし、入園後は入園前に心配されたようなこともなく、おにごっこも紙芝居も友達関係も良好そのものだった(奈良, 2020)。
入園拒否は過去のものとし、どこの幼稚園や保育園でも入園可能な時代が到来しているかといえば、残念ながらそうではない。障害児歓迎とうたっている保育園でさえ、
「全盲のお子さんはちょっと対応できません」
と門前払い現実がある。
全盲だから無理と決めつけるのではなく、何が不安要素なのか、それを解決するためにはどうしたらよいのか、保護者のニーズに耳を傾けて実現可能性を探ってほしい。
参考
奈良里紗(2020)「ごめんね」から「ありがとう」へ―地域で学ぶ盲児の物語-. スリースパイス.
https://amzn.to/30TWwoV