見出し画像

ボンヤリの会

ガイドの仕事をやっていて、寺社仏閣にお客様を連れて行く、ということを初めてそろそろ数年になるけれど。(雇われの身でやっていた時も含めるともっと長いけど)

私のような個人で、ググっても所属が出ず(知名度ぜんぜんない)漆が好きだから漆でできた仏を見に行くとか、奈良の糞虫がきれいだからロイヤル・ブルーを見つける旅とか、わりと意味不明系である。よくこんなツアーに来てくれると思う。

それでも一応「企業努力」的なものをせねばとは思っていて、でもふつうのツアーを無料でやるとさすがに色々支障が出るので、その周辺のことでオフ会めいたものをやってみようと考えた。

それがボンヤリの会である。

ぼうっとする意味もあるし、会自体がぼやっとしているものもあるし、色々不透明にしたかった。

参加自由・入退場?自由・連絡不必要! 来たい人がなんとなく来て、楽しかったらいても良し、途中で帰ってもよし!みたいなのした。

すると驚くほど好評で手ごたえがあって、終わってからもメッセージをいくつかいただいたりしてとても驚いた。
 
そして参加してくださったかたに色々聞くと
「ずっと気にはなっていたが、勇気がなくて行けなかった。今回のは途中で帰ってもいいとか、連絡せずに参加していいとかあったので来れた」
というご意見をいただけた。

なるほどな~。こんなわかりにくいツアーによくみなさん来てくださると思っていたけど、やっぱり来づらかったのだ!
来てくださってた過去のお客様には、その勇気に改めて五体投地して伏し拝まねばなるまい。

 
そりゃそうだと思う。
ただでさえ初めての会に行くのはハードルが高いのに、複数の人が集まるところで、気が合うか分からないし、思ってるのと違うかもしれないし。私のツアーは2~4時間、長いものは1日拘束とかあって、そこに飛び込んでいくのは相当勇気がいる。

そして現代人の驚くべき忙しさ。
私にも身に覚えがあるけれど、誰しも割とそれなりに色々忙しい。
予定をたてにくかったりもするし、だから急遽空いたりもするし、よく外国である「思い立ったらその場で受け付けてもらえる」的なものがあるととても良い。

でも日本の旅行関係は、多くが事前申し込みで、気分に合わせてというのが難しい。主催者側からは、事前に言ってくれないと困るというのはよくわかるんですけどね。

でも私は個人なので、ある程度合わせられるし融通がきくのがいいところ。
これからもさんざん好きなように、いい感じで使われるようでありたい。

いいなと思ったら応援しよう!

忠内香織
奈良でガイドをしています。これからもっとあちこち回っておもしろいガイドを提供します。ご支援どうぞお願いいたします。