【妄想爆発】持統天皇が大津皇子を追い詰めた理由
非情と言われた父 天智天皇
古代の女帝に持統天皇という方がいらっしゃいます。
天武天皇という方と結婚して、草壁皇子を産み、我が子を天皇の座につけるために、あまたいる天武天皇の皇子たち(当時夫である天武天皇は複数の女性を妻にしていた)の中でも、もっとも優秀だったといわれる大津皇子を追い詰めて死に至らしめた、などと言われています。
持統天皇は、我が子かわいさに優秀な大津皇子を殺したのだ~
大津皇子は悲劇の皇子!とよく言われるゆえんです。
持統天皇は、夫である天武天皇の兄である、天智天皇の娘でもありました。
天武天皇が世の中を支配する前、天智天皇はあの『大化の改新』という政治改革に至る「乙巳の変」というものの首謀者であり、これまた、自分の理想のために血を見ることもいとわない!と恐れられた人物です。
この時代のことを描いた漫画『天上の虹』の中で、この持統天皇は父・天智天皇を憎み、「私は必ずお父様より強くなってやるううう」と決意するシーンが描かれます。
実は天智天皇は、自分の身の回りにいるひとはひととおり疑うという性癖の持ち主で、持統天皇の祖父にあたる人物も、とても自分に尽くしてくれていたのに、謀反をおこすつもりだと疑って殺害しているのです。
持統天皇は、父の道具として父の弟であり、自分にとっては叔父にあたる天武天皇に嫁ぐのですが、このままでは終わらんぞ~という決意を秘めていた…というのが、『天上の虹』では描かれています。
持統天皇の才覚はは天智天皇ゆずり?
そして、物語ではこんなシーンも登場します。
それは、持統天皇こそ、天智天皇に似ているのだ、というシーンです。
おそろしくカリスマ性があって、目的のためなら手段は選ばず、信頼篤かったはずの家臣も、疑いがあれば即座に切り捨てる非常さ…
優秀だからこそ併せ持つ残酷さ。
これをもっとも色濃く受け継いでいるのは持統天皇だというのです。
持統天皇がこれを聞けば、ショックのあまり怒り狂うのではないかと思うのですけど、のちに持統天皇が大津皇子を追い詰めることなどを考えると、うーむ、同じ血だから持統天皇も大津皇子を追い詰めたのかしらっと、妄想が湧くのは止められません。
でも、もしこの「血の繋がりがあるから」「持統天皇も身勝手で残酷なところがあるのだ」との仮定を膨らませるなら、大津皇子もまた持統天皇に似ていたのではないかと思うのです。
似ているからこその危機感
大津皇子は、持統天皇の甥にあたります。
大津皇子の母は、持統天皇の姉で、大津皇子もまた母を通じて天智天皇の血を引いているのです。
大津皇子が持統天皇をイラッとさせる何かがあったとしたら…
それは、優秀だから自分の子供・草壁皇子を差し置いて即位の可能性がある危険分子だから死に追いやった、のではなく。
こいつは自分に似ている。自分に似てすごいやり手で、頭も良くて度胸も志もあって…とにかく自分に似ている。つまり生かしておくとヤバイ。
という算段が働いたとしたら…
それは天智天皇から受け継いだ「優秀&残酷」を持つ、似た者同士だったからこその反発だった。という妄想が働くのです。