【偏愛】服にストーリーが生まれればなお愛着がわく(捨てられない)
捨てられない、といいつつ去年処分したネイビーのケーブルニットについての思い出を少し。
10年以上前、大学時代の友人と9月にオランダ・ベルギー・フランスを訪れた。日本よりちょっと寒いかな、と最初に降り立ったオランダのアムステルダムは天気のせいか目論見が外れたのか忘れたけれどとても寒かった。
まだまだ出歩きたかったので、お金ギリギリ旅行といえどなにか羽織ものをゲットしようと町中をうろうろするとプチプラっぽいお店を見つけた。
なお健在のお店、『Bershka(ベルシュカ)』。
友達に頼んで一緒にお店に入ると、土日だったのかお店は大賑わいだった。若い女の子が溢れかえっていて、羽織りものを探すのも結構うろうろしていたと思う。
そして見つけたのが先述したネイビーのケーブルニットだった。ちょっと明るいネイビーにざっくりケーブル。お値段たしか€19.99で当時は円に換算すると¥2000くらい。セーターをこの値段で買えてラッキー☆みたいな感じでこれに決めた。
このセーターにまつわることで印象的だったのはセーターを買う時のお会計だ。忙しさのせいか全く笑顔がない金髪のお姉さんがレジの前で座っていて、セーターを無造作に黄色いショッピングバッグに入れレジの金額表示を指さした(多分オランダ語出来ないと判断された)。€19.99だから€20紙幣を出しお釣りを待つと目の前でガチャン!とレジが閉じられた。
日本的に考えれば「1円もおつり」なので待ってみるものだけれど、どうやらオランダは違ったらしい。「1セントのおつりなんていらないでしょ」と言わんばかりのお姉さんの表情だったので私は「オランダはそういうものか」とすごすごと退店した。当時私もアパレル販売をしていたので「レジ閉めで金額合わないのはどうするんだろ…」とも思った記憶もある。
そんな実質€20のセーターだけれど、季節が来るとそれはそれはヘビロテしていた。首元が狭すぎず広すぎずでネルシャツも下に着れたし、洗濯しても伸び縮みもせずサイズ感を保ってくれた。ネイビー×ネイビーの服装が好きだったのも加算されてどんどん着ていたけれど、10年経ちとうとう寿命が見えてきてしまった。
毛玉が出来ては毛玉取り器登場を繰り返していたので全体的に薄くなってきたのと、くたびれてきたのがコンボになり、部屋着に格下げしてしまった。そうなると魅力がなくなってくる。
たくさんのコーディネートや思い出をありがとう…と感謝の気持ちをもちながらしぶしぶ処分した。
そして1年後の今冬、新しいネイビーのケーブルニットを新春セールの¥1990でゲットした。前のより重ためだけれど、豪雪地帯を過ごすためにはいい暖かさで、もはや2日に1回着ている具合だ。まるで前のニットを着ているような気分になるし、思い出も残っているような気がして心地いい。
追記:見出し画像に自分の旅行した時の写真を置こうと思ったけれど、自分の顔が丸すぎる&写真の構図下手すぎなのでやめておく。
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