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粉って何?~粉粒体について~
私たちの身の回りには、たくさんの「粉」や「粒」が存在しています。料理をするときの小麦粉や砂糖、道路にまかれる融雪剤、そして医薬品の錠剤まで、あらゆる場面で粉粒体は活躍しています。しかし、普段あまり意識することはないかもしれません。
実は、粉や粒の性質を上手にコントロールすることで、製品の品質や使いやすさが大きく変わるのです。本記事では、「粉粒体とは何か?」を分かりやすく解説していきます。
【粉体・粉粒体について考える】
粉粒体とは何か?
「粉体は世に出るまでの仮姿」とよく言われています。
多くの製品は製造過程で「粉」や「粒」の形状を経ています。これは、成分の混合や分離がしやすくなるためです。
例えば、ケーキ作りでは「角砂糖」より「粉砂糖」のほうが生地に馴染みやすいですよね?鉱石から金を取り出すときも、大きな塊より細かく砕いたほうが分離しやすくなります。このように、ほとんどの工業分野では品質の均一性を高めるため、材料を一度粉体状態にする工程が必要とされています。
粉粒体の特徴
粉体は、H₂Oの状態変化に例えると以下のようになります。
固体:「氷」
液体:「水」
気体:「蒸気」
粉体:「雪」
このように、粉体・粉粒体は「固体」「液体」「気体」に続く第四の状態ともいえるのです。
さらに「雪」も積もっているときは固体状態、吹雪のときは気体状態、雪崩のときは液体状態と変化します。この特徴が、粉体・粉粒体の特性をよく表しています。
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粉粒体の定義
粉粒体は、単なる固体の小さな粒ではなく、「個々の粒子が、お互いある程度の相関力を持って存在している状態」というのが、粉、粉体の一つの定義と言われています。例えば、
相互作用が弱いとサラサラと流れやすい(例:砂糖や塩)
相互作用が強いと固まりやすく、ダマになりやすい(例:小麦粉や湿った砂)
粉粒体は、その性質によって「流動性」「圧縮性」「凝集性」などの特性が変化します。これらの特性を理解し、適切に粉体を制御することが品質の高い粉体処理を行うことに繋がります。製造プロセスにおいて非常に重要なポイントです。
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粉粒体の処理技術
粉粒体の特性を制御するために、さまざまな粉体処理技術があります。以下は、代表的な技術の一例です。
粉砕技術…粉体をより細かくすることで、混合性や溶解性を向上。
混合技術…均一な混合を実現することで、製品の品質を向上。
表面改質技術…粉体の表面にコーティングを施し、粉の特性を向上。
造粒技術…微粉を適度な大きさの粒子にまとめ、取り扱いやすさを向上。
乾燥技術…粉体の含水率を適切に調整し、製品の品質を安定化
奈良機械製作所の粉体処理技術は、医薬品、食品、化学、電子材料など多岐にわたる分野で活用され、品質の安定性向上や生産性の向上に貢献しています。
粉についてのお問合せなら奈良機械へ
奈良機械製作所は「粉体処理技術で社会を支える」ため、常に挑戦を続けています。これからも、お客様のニーズに応じた最適な粉体加工技術を提案、装置を提供し、より良い社会の実現に貢献していきます。
当社の製品については奈良機械製作所公式サイトから製品紹介ページをご覧ください。
また、粉体加工に関するご相談をいただければ、お客様の課題に対する最適な工程・装置をご提案いたします。
粉体処理装置や粉について何か気にあることがあれば、製品や実験、カタログ請求等のお問合せからご連絡ください。
今後ともよろしくお願いいたします。