桜が散る頃になると、戦争世代でもないのに、軍歌「同期の桜」を思い浮かべる。1番の歌詞の後段は「咲いた花なら散るのは覚悟。見事散りましょう、国のため。」である。もちろん特攻隊員の本心ではなく、戦時中、国家が国民に期待した虚像だろう。ここから連想される「日本は、放っておくと、国民を戦争に駆り立て、隣国を侵略するような国家である」という国家観は、日本国憲法前文に表れている。そして、この国家観を、いまだに活動の基盤とする政党やメディアがある。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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