スキーの後の膝の痛み
スキーでひざが痛い人あるある。
「正座すると膝爆発しそう!!」… あると思います。
膝を痛めて何年か経っても気になる方は多いのではないでしょうか。 僕もスキーで痛めた膝が、次のシーズンに影響があったことがあります。
映像は、僕が左膝前十字靭帯を切った時です。(2番目が僕です)
「キレてないっすよ」って言ってほしかった(笑)
同時に右膝の半月板の損傷と、軽いムチウチもあったので初の車イス生活でした。
その後、靭帯の再建手術を受けました。
靭帯を切るほどの膝の怪我をすると手術をしても膝が調子悪いことを耳にしますが、僕はリハビリをしっかりしたので ほとんど元通りです。そこで今回は膝の痛みが気になる方に向けて、よく見られる原因と対策を説明します。
膝の関節のしくみ
膝はねじれたり滑ったり複雑な動きをしますが、「ドアの蝶番のように真っ直ぐ曲がる関節」と考えるとわかりやすいです。
そして膝のお皿が「てこの原理」で支点となって、太モモの力を効率的に伝えて膝を曲げ伸ばしします。
膝のお皿は太モモの筋肉で浮いているような状態で支えられ、太モモの骨の溝の上を滑るように動きます。
※ターンを指導で「膝からターンする」と表現する方もいますが、膝は横方向にひねる力には弱い構造です。股関節からターンするイメージの方が体の構造的に自然だと思います。
正しく機能しないと痛む
慢性的な膝の痛みは、本来 真っ直ぐに曲がる関節に、ねじれる力がかかっている事が多くみられます。それによって膝のお皿が太モモの骨の溝の上から少しズレてしまい、曲げるときに抵抗になってしまいます。
一般的にはお皿は外側にズレてしまうことが多く、関節の噛み合わせを悪くします。よく見られる症例は2つあります。
1.骨盤の問題
骨盤が前傾すると連鎖的に太ももは内向きにねじれます。すると膝のお皿は外側に向かう力が働きます。
腰痛がある方や、上向きに寝た時に腰が反ってしまっている人は可能性あります。
2.足首の問題
足関節の回内といって土踏まずがつぶれるような力が働くと、スネと太ももが内向きにねじれます。すると膝のお皿は外側に向かう力が働きます。
ブーツのカント調整やインソールが合っていなかったり、疲れてブーツの内くるぶしの前が当たる人は可能性があります。
どちらの場合もお皿の働きが悪くなるので、膝の痛みが出やすくなったり、太ももの前から外側にかけて疲れが残りやすくなります。
そのため膝が気になる方は、膝だけでなく骨盤の歪みやブーツの再調整が必要かもしれません。
膝に負担をかけないポジション
空気イスをすると、太ももの前の筋肉が疲れてくると思います。後傾になった時も同じ状態で、太ももの前の筋肉で体を支えます。
太ももの前の筋肉は膝のお皿を支えているので、重心が後ろになるほど膝のお皿を強く押し付けることになります。
上図は右の後傾ポジションの方が、何となく膝に負担がかかっているように見えると思います。この図は左右とも膝の曲げ角は同じですが、後傾になると膝に負担がかかってしまいます。
後傾にならないようにするには、股・膝・足首の関節がバランスよく曲げることが基本です。とくに股関節を動かすにはお尻の柔軟性も重要です。こちらに解説していますので、ぜひご覧ください。
膝のケアとリハビリ
膝のお皿を支えている太モモの筋肉をマッサージしましょう。特に上図のようにストレッチポールで外側の太モモの外側をほぐすことがオススメです。それによってお皿のズレが元に戻りやすくなるので、膝を曲げ伸ばしする力が効率よく伝わります。
上図のエクササイズは体重がかかるので、膝が痛む人にとって刺激が強いと思います。支える手で調整してください。
痛む時は膝のテーピングで 負担を減らす
写真のようにキネシオテープで膝下からお皿を持ち上げるようにすると、膝が動きやすくなります。
また、いつも滑るとき膝に違和感がある方は太ももの後ろもサポートすることで、さらに膝が安定します。
こちらにも慢性化する膝の痛みについて詳しく書いてありますのでご覧ください。