見出し画像

現状の外のGoalを達成するとバラ色の未来が訪れる。のか?

コーチングでは、クライアントの方々の欲求や才能を掘らせていただきますが、自分自身が欲求や才能に基づいて飛躍した過去の経験についても振り返ってきました。
以前のnote記事では、私が現状の外のGoalとしてフランス留学を実現した経験にちらっと触れましたが、Goal達成したらどうなるの?という話も開陳してみようと思います。
(トップの画像はゲランドの塩田です。ゲランドの塩ってそこそこ高級品的な扱いですが、周囲は草ボーボー、上半身裸のお兄さんが塩運んでるなど、田舎の産物なんだなあという感じです。)

フランス留学:私にとっての現状の外側のGoal

私は2回ほどフランスに留学していますが、今回ご紹介するのは2回目の、日本の大学卒業後の修士課程への留学です。
フランスの修士卒ですと言うと、すごい、向学心に溢れているなどとお褒めの言葉をいただきますが、実は、当時の私にとって、修士課程への留学は表向きの理由で、1回目の留学で出会ったフランス人のボーイフレンドとまた一緒にいたいから、というのが留学の(不純な!)真の目的でした。

心は決まっていたものの、一応、日本の大学の指導教官に相談したら、日本の大学院を出てから留学したほうが良いとアドバイスされました。
指導教官のアドバイスの意味は後から分かるのですが、私の真の目的は、一刻も早くフランスに戻ってボーイフレンドと一緒にいることだったので、そんなアドバイスを聞くわけがありません(笑)。
とにかく早く現地の大学院に行って、卒論で扱ったテーマをさらに深めたいとか、おそらくそんな適当なことを言ったんだろうと思いますが、留学に向けて突き進みました。

なんとしても修士課程への留学を実現するため、フランスで指導してもらいたい教授に、フランス語で書いた卒論を送りつけて指導を依頼、承諾してもらい、その教授からも口添えしてもらって日本の大学の学士号をもってフランスの大学の修士課程に編入する手続きを取り、その他もろもろ手続きもやっつけて、2001年の秋、私は愛するボーイフレンドの待つフランスへと旅立ち、留学生活をスタートできることになったのです!

Goalを達成したらどうなったか?

自分の本音の欲求に基づいて(ボーイフレンドと一緒にいる口実としての)フランス大学院留学にこぎつけたことで、私はGoal達成したことになります。ボーイフレンドと一緒にいられるし、楽しく研究もできて幸せ!かと言うと、現実は全く違いました。

まず、フランス大学院留学はフランス滞在の口実にできるほど甘くありませんでした。
いかに自分が渡仏の口実にすること以上のことをまったく考えていなかったか、思い出しても驚愕しますが(Goal達成に必要なこと以外は盲点になるって、こういうことを言うんだな。)、フランスの修士課程で歴史を学ぶには、一次史料に基づいて論文を書くことが必須です。

私の場合、16世紀のフランスの都市史を勉強したかったので、一次史料は、留学した町の古文書館に保管されている古文書を参照しないといけません。
で、フランスの16世紀の古文書って、こんな感じです

画像1

まっっったく読めない。。。

日本でも古文書は読み解くのに専門的な訓練が必要ですが、フランスも同じ。
フランスで大学院に進む学生は、学部時代に古文書解読の授業を取ってるということは、後から知りました。。。

そんな準備が必要なことすら知らず、困った私は、指導をお願いした教授に相談しました。
が、教授も、まさか専門的な訓練を積まずに歴史を学びに大学院に留学したいと言ってきたとは夢にも思ってもなかったのでしょう。
私の相談に呆れて、そもそも君どういうつもりで留学しようと思ったのか、君の研究したいテーマで、古文書読めないってやれることないぞと、真正面からぶった切られました。

どういうつもりも何も、大学院留学は口実でした!などと言えるわけもなく(笑)、正論で教授に叱られてぐうの音も出ない状態になった私は、不純な動機で無邪気に留学してきた自分があまりに情けなく、教授の前でまさかの号泣!!!
ほぼ知らない日本人に目の前で泣かれて教授も、なんなんだよこいつ、めんどくさいな。。。と困っただろうなと思いますが、厳しくも温かいところがある方だったので、何か君でもやれるテーマを考えようと言ってくれました。
教授の前を辞した後も情けなくてたまらない感情が収まらず、さらにトイレに入って泣きました。
陳腐なドラマか映画みたいな展開!!!
ひたすら恥ずかしい。。。

どん底状態ですが、尻尾を巻いて逃げるわけにもいかず(帰国してやることもない)、その日から、なんとか修士号を取るための試行錯誤が始まります。
教授からは、過去の学生が文字起こししてくれた16世紀の古文書があるのを紹介してもらい、それを基礎資料とし、平行して古文書を読む勉強もして、ほんの少しは古文書そのものも使って修論執筆を進めました。
いくつか授業もありましたが、そちらも一部はテストの点が悪くて、たぶん人生で2度目の再試験も経験。。
絵に描いたようなポンコツ・落ちこぼれ・綱渡り状態でしたが、なんとか2年で修論書き上げ、単位も取得して修士号を取得できました!

やっぱり、現状から飛躍し続ける人生は楽しい

この経験を紹介することで何が言いたいか、というと、現状の外のGoalを設定すること=バラ色の未来が待っているわけではない、ということです。
それなら、なぜコーチとして、クライアントには現状の外のGoalを設定するよう背中を押すのか?と疑問を持つ方もいるかもしれません。

私の場合、Goal設定して留学してみたら、まさかの人生初の派手な落ちこぼれ転落、大ピンチに陥りました。でも、その状況からまたGoalを更新することで、ギリギリながらも大学院は卒業できて、その後のフランス語を活かした仕事にもつながり、今の自分があります。
大学卒業した時点の自分から、リニアに成長していたら、今の自分はなかったはずで、飛躍的な成長のためには、現状の外側のチャレンジが必要だったのだと確信しています。

そこで大事なのは、やはり自分の本音の欲求があることだと思います。
自分の欲求に基づき決断したことなら、結果つまずくことがあっても絶対大丈夫。
必ずまた別のGoalに向かって前進できるし、長期的な目で、俯瞰的に見れば、現状から大きく飛躍した未来へと向かっているのは間違いないのです。

慣れ親しんだ世界で、同じ毎日を繰り返すより、思いもよらない景色を見て、現状よりも、もっともっと成長した自分であり続けるほうが、刺激的で楽しい人生ではないかと私は思います。

別のnoteに書いたとおり、私は後悔なく生きることをモットーにしているので、これからもやりたいを追求する人生を送りたいと思います。

同じように、やりたいを追求して成長し続けたいと思ってらっしゃる方、一緒に現状の外の未来へと踏み出しましょう!
ちょっと怖くても、実際つまずいても、大丈夫です。
本音の欲求起点ならば、私のように(笑)、必ず前進できますので!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?