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先生はその子と話をしているのか?「あの子」と話をしているのか。


教師が、自分自身で内面的なケアをできないと困るだろうなと初めて思ったことの1つに、子どもへの投影がある。

投影というのは、心理学の用語でもあるのだけど、簡潔にいうと、「自分のイメージを相手にかぶせる」という感じ。

先生をしていて、どうしてもこいつのことが好きになれない。ということがある。それを「先生だって人間だから」という一言で済ませることもできるけど、そんな慰めで1年間棒に振る必要は、俺はないのではと思っている。


俺たちの大半が、子どものときに学校生活を経験していて、当然苦手だった友達や、怖かった子、許せない行動を取る子がいる。

すると頭の中にはそのイメージがあって、当然、自分が学級を持てばそれに該当する子どもがいることがある。すると、投影が始まる。「まるであの子のよう」に見えてきて、いろんな妄想がそれを助け始める。

そうするともう厄介で、そこからは本当にその子を見ているのか、過去の「あの子」を見ているのか自分では当然区別がつかない。

何をしてもわるいことや余計なことをしているように見える

大して確認もしていないのに、その子が引っ込み思案に見える。

反抗的に見える。


でも、実際はどうなのだろう?

本当にその子のことを見てるのだろうか?

頭の中で考えることはできても、その自分のイメージから逃れることができない。

どうしても許せない。


でも、目の前のその子は、全然違う子かもしれない。

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