強迫性障害とは
前回の話の続きに入る前に今回はまず、「そもそも強迫性障害とはどのような疾患か」ということを書いてみたいと思います。
(参考文献 「強迫性障害の治療ガイド」 飯倉康郎)
【強迫性障害とは】
強迫性障害は、「強迫観念」と「強迫行為」から成る疾患です。決してまれな疾患ではなく、アメリカの報告では人口の2%以上とも言われます。
原因ははっきり分かっていませんが、症状の維持・悪化の要因となるものは分かっていて、治療方法も確立しています。
【強迫観念とは】
繰り返ししつこくあたまにこびりつき、不安、恐怖、不快感を引き起こす考え
以下はその例です。
〇不潔:ドアノブ・手すり・つり革等触るものが不潔に感じてしまい、触りにくくなったり触れなくなったりします。
〇洗手:手洗いや入浴が止まらなくなります。
〇疾病:何かの病気に罹患したのではないかといった考えにとらわれてしまい、しょっちゅう病院で検査を受けたりします。
〇確認:鍵やガスの元栓を長時間確認したり自分の話した言葉が相手にうまく伝わったかどうか?繰り返し確認します。
〇自傷:自分を傷つけしまうのではないかと恐れたりします。
〇加害:他人を傷つけるのではないかと恐れます。
〇強迫性緩慢:頭の中で強迫症状と葛藤しているために動作が遅くなってしまいます。
その他の強迫観念には以下のようなものがあります。
(参考文献としてご紹介した本の中から引用)
〇暴力的あるいは恐ろしい考えや場面が頭に浮かんで離れない
〇ねばねばするものが過剰に気になる
〇大事なものを捨ててしまうのではないかと思う。
〇幸運な数、不吉な数が過剰に気になる
〇尿や便に関することが過剰に気になる
〇汚れやバイ菌に関することが過剰に気になる
〇汚染されたものを撒き散らして他の人を病気にするのではないかと考える。
〇善悪や道徳に関して過剰に気になる
〇適切な言葉を使っていないのではないかと過剰に気になる
〇病気に関して過剰に気になる
【強迫行為を手放すことが必要】
これらの「強迫観念」はとても窮屈でしんどくて苦しいです。
それを打ち消すために私たちは、洗ったり、確認したり、回避したり、さまざまな「強迫行為」をして、そのきつさから解放されようとしますが、その強迫行為が雪だるま式に、症状を悪化させることがわかってきました。
勇気を持って積極的に、強迫行為を手放していくことが必要になります。
次回は、前回の続きに戻らせて頂きます。
読んでくださり、ありがとうございます。