全員参加型のイノベーション/第5回ディスラプティブ・イノベーション研究会
これまで2年間のブロックチェーン研究会(*)から一歩進め、昨秋9月よりディスラプティブ・イノベーションと範囲を広げて探究を深めています。どんな未来を描き、今とこれからをどのように生きてみたいか、発想や行動していくきっかけとなる時間を共有しています。
(*)シェアしながら学び合うブロックチェーン研究会(2018年6月〜2020年8月まで毎月開催)では、ブロックチェーンを1つのディスラプティブ・イノベーション(Disruptive Innovation/分岐的イノベーション)として探究してきました。私たちは、Disruptive innovationを破壊的イノベーションではなく、分岐的イノベーションという表現を使っています。
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今回・第5回では、引き続き前半:ディスラプティブ・イノベーションの事例紹介、後半:オンライン読書会として、藤原と樋口(藤原情報教育研究所)に加えて、ブロックチェーン研究会からのメンバー 3名の方にもご一緒いただき参加型収録を行いました。
▷前半
ディスラプティブ・イノベーション事例紹介:台湾編 前半
今回は、「ふーん、こんなことが起きているのか」の先!を大切にしたいと思い、皆さんからも考えを巡らせていただけるように、これまでよりも事例の周りについて触れていきながらご紹介。
前半として、今月は背景も含めたお話と事例の概要をお届けしています。
後半として、来月は事例の具体的な部分をお届けして、皆さんと共有していきたいと思います。
1. 今回の事例紹介背景:
(1)これまでのディスラプティブ・イノベーション研究会
(2)市民革命をやった台湾
(3)書籍「日本経済再生論: ディスラプティブ・イノベーションの道」より
2. 今回の事例紹介:台北のスタートアップ企業とアプリ
*実際に試験利用中の体験談・感想、今後の展開や取り組みをご紹介
▷後半
書籍「日本経済再生論:ディスラプティブ・イノベーションの道」読み深め:第三章 何故日本産業は衰退し、転落したのか
今回のコンテンツを通しても、ご視聴くださる皆さんの日常や未来を想う気づきや行動へのささやかなきっかけ、ワクワク感につながると嬉しいです。
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藤原直哉より
“ディスラプティブ・イノベーションの基本というのは、特別な高級な技術を持ってきて新しいものに変えるというよりも、まだまだ深く使っていないユーザーのレベルの技術を応用して、大きな新しい市場であり、ライフスタイルをつくろうというところにミソがあるわけですよね”
“図らずも今回のコロナで、韓国や台湾のような市民革命をやった国が素晴らしい成果を出したよね。これは、重大な教訓を日本人に出したと思います。何をしなければいけないか、はっきりと示しましたよね”
“デジタルではコピーができるものという考えが今までの常識ですよね。しかし、コピーのできないデジタルコンテンツはデジタル資産になるのです”
“デジタルではコピーができる、アナログではコピーができないという常識。これからは、デジタルにおいてコピーができるものとできないものが生まれる。より我々の生活に近づいてきますから、よりセキュリティを高め、より資産価値を高めることはいくらでもできますよね”
“月に行かなきゃいけないという話は、ムラの鎮守には出てこないですよね”
“全員参加型のイノベーション。ディスラプティブ・イノベーションというのは、未来創りにみんなが参加できる重要なコンセプトだと思うのです”
“天地返し・奇想天外が好きな人が多いアメリカとも違いますから、日本では、「ムラ社会の中で、ムラの人たちのために、こんなことをしました」でも、「ちょっとした改善・ちょっとした新しいこと」でも良いのですよ”
“誰かが大きなイノベーションをやると、小さなイノベーションが起こりやすくなるのです。例えば、インターネットという大きなイノベーションが生まれ、誰でも使えるようになると、そこからインターネット上の小さなイノベーションが無限に広がりましたよね”
“突破口となる巨大なイノベーションが生まれると、無数のイノベーションが生まれるのですよ。そうすると、ますます参加できる人が増えるから、本当の専門家は大事なのですよ。大きなパラダイムシフトができるイノベーションも大事なのです。だから、両方いるわけです”
“市民の成熟度が大きいと、イノベーションのチャンスも大きいのです”
“デジタルの世界でコピーが当たり前という今までの常識が逆転すると、大きな可能性があちこちに出てきます。それを実現するためのディスラプティブ・イノベーションもすごく多いのです”
“なぜ衰退したのか。どこに問題があったのか。何を反省すべきか。三輪さんの書籍から重要な示唆を得られます”
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第5回前半:ディスラプティブ・イノベーション事例紹介
2021年/令和3年1月 収録型(会場開催なし)
▷事例紹介:台湾編 前半
樋口からの紹介・藤原の解説・参加メンバーの皆さんからのコメント
1. 今回の事例紹介背景
(1)これまでのディスラプティブ・イノベーション研究会
・社会をどう良くして、どう便利に、どうやってみんなで幸せに
・先々を見越して、何か自分たちでできること
・住み分けと当事者意識
・技術 < 社会のニーズ、みんなのやりたいこと
・もっと簡単にできることはできないのかな
・技術中心 < ニーズ主体
・思いがけないところにニーズあり
・インターネットはカタログであり、紙芝居だと思っていた人たち
・紙芝居のページから、インターネットのページは商店へ
・紙芝居がなぜ商店に
・ひらめきでもあり、たまたまでもあること
・最初の思い込みだけで走らない方がいいこと
・簡略化してうまくいくこと
(2)市民革命をやった台湾
・政府も市民も歩み寄るコロナ対策:Fast, Fair, and Fun/ “Humor over Rumor”
・温かみのあるコミュニケーション、ほっこり癒される言葉
・恐怖に対する癒し_緊張をほぐす
・共感_人をあたたかく救う_人間性を大事にしよう
・役所言葉でなくて市民目線
・論文言葉でなく日常の言葉
・蔡総統のリバース・メンター
・inclusion
・自由な台湾の正反対_100年以上
・独裁政権を倒した下からの民主革命
・民主主義の道具を使ってひっくり返した台湾
・振り子が振り切っての市民革命
・どんどん進む新しい台湾
・みんなの台湾_みんなで共生する島国
・ある種の自然災害であるコロナ
・既存の組織で対応しきれないその時々で違う状況
・民主主義がボトムアップになっていると機能すること
・民衆国家に入れ替わった台湾
・独裁を倒した自信_やればできる
・ボトムアップの民主主義の本当の強さ
・自分たちが動かないと何も変わらない実感と自信
・台湾の民主主義の成熟度の高さに仰天
・政府をフラットにすると市民がヨコにつながって自由に連携できる
・いくらでも発展の可能性あり:組み合わせとinvolvement
・コロナ対策の原動力
・きっかけとなったソビエトの崩壊
・党派を超えて台湾を救おうと動き出した時代と継承
・国がなくなっちゃう危機感からの動き
(3)書籍「日本経済再生論: ディスラプティブ・イノベーションの道」より
・開発の中心をこれからの市場に移すこと
・こちら側で造るのではなく、あちら側で造ること
・外界の変化に対して即応すること
・自分の立ち位置と構えを変えること:変化を起こす姿勢
・市場を喜ばせるものを提供すること
・わくわくさせる商品、ストーリーを創る
・こんなことができれば素晴らしいことになるという発想
・社会のためになるという働く喜びを味わってもらい、豊かな生活をしてもらうこと
2. 今回の事例紹介:台北のスタートアップ企業とアプリ
・どう使うか使う人が考えていくおもしろさ
・ただ1つしかないデジタル情報認証@デジタルワールド
・他に2つとない、これしかないという資産
・論文の実験、不正選挙、スポーツ、あらゆる現場などにも応用できるシステム
・常識の逆転が生まれる
・身近に使えることによる思わぬ使い道
・ディスラプティブイノベーションが生まれてくるプラットフォーム
・デジタル情報の事実の証明
・力んでもないディスラプティブ・イノベーション
・昭和の台湾とは違う今の台湾の発想力
・屈折した若者の最後の遺産と圧迫がまだ強い日本の遅れ
・自分たちで担う感覚
・外は外で中は中での国民性の課題
・企画書が必要な社会主義国日本
・動きながらの豊かな発想力と提案
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第5回後半:書籍「日本経済再生論:ディスラプティブ・イノベーションの道」読み深め
▷オンライン読書会
藤原直哉おすすめ:三輪晴治さんの書籍「日本経済再生論:ディスラプティブ・イノベーションの道」、全7章。
一人で読み深める愉しさ(ときには、なかなか難しく)とともに、毎回1章ずつ取り上げ、それぞれが事前に読んで記憶に残ったことばを持ち寄り、感じたことや印象に残ったこと、疑問に思ったこと、気になったことなどを持ち寄り、聴き語り合いながら、ディスラプティブ・イノベーションについて理解を深めています。ときには、結論がでない話の中からも、私たちの暮らしに寄り添うイノベーションの多様性をより身近に感じる機会としています。
▷第三章:何故日本産業は衰退し、転落したのか
・Japan as No.1からの転落40年間の衰退
・今の自分を守るしかない道だけの人たち
・今自分の手に持っているものが全ての人たち
・適切な時期に適切な成功体験
・世代を越えて誰もがヨコに連携しての成功経験
・入社以来ひとつも成功の経験なしの人たち
・忖度できずに終わりになっちゃった人ばかり見てきた人たち
・サイエンス マインド
・アウト オブ ボックスという発想
・なぜ専門家を嫌うのか
・専門家を活かす環境
・議論以前の話と衰退の原因
・「立ち位置」と「構え」
・どこに重点を置いて立つのか
・人口減少の中でどの位置で物事を見ていくのか
・1か所に止まらない立ち位置を模索していく柔軟性
・絶頂期のイメージから何も変わっていない
・新興企業として新しいことをやるような気概
・昭和の成功の姿が忘れられない人たち
・ヨコ型目線での構えと気概と気迫
・古いものに毒されていない人たちの世界
・リーダーシップと組織文化を変える方向性
・教訓を良い方向へ活かす
・神(日本と欧米の文化の質の違い)
・信仰心_あなたは神の前で怠けていないですか
・理想をいつも考えて新しいことをすることと神に近づくこと
・なぜリスクをおかすのか
・西洋料理と洋食の違い
・ちょっと変わった国アメリカにはないムラ社会
・成田の税関で全部置いてくる時代
・海外での楽しい話は全部税関で捨ててくる世界
・柔軟に受け入れるための人間力_謙虚さ素直さ
・スッと角度を変える難しさ
・変化を加速させた自然災害コロナから
・今日のご飯と明日のご飯
・科学者の最先端と誰でもできるディスラプティブ・イノベーション
・新しいことにはお金より時間を
・イノベーションの多様性
・人事は工学か_生身の人間の混沌さ
・片手間にやっていると、所詮片手間で終わっちゃう
・ベンチマーキングの必要性
・我々の政府という感覚
・グローバリズムの行方
・土地を重視するか土地を横串に交易重視するか
・いつも揺れ動くタテとヨコ
・たった30年でのグローバル経済の弊害
・ローカルを支える競争
・宇宙船からみたら1つに見えるけれど
・グローバル経済とインターナショナル経済の違い
・グローバルとインターナショナルに対する立ち位置
・どっちつかずになっている企業
・日本が生きる総合戦略
・政治の求心力
・Flexible manufacturing System_多品種少量
・かたちのないところが得意な人たち
・最終商品の製品名から入ってしまっている企業
・金物屋だからセラミックをやらない世界
・昭和の成功パターンから抜け出せていない企業
・大企業分割化による自主性任し
・令和の財閥解体とヨコ連繫
・持ち株会社制度の主目的と問題点
・今後の方向性が見えている中で、いかに行動するか
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動画販売
第5回ディスラプティブ・イノベーション研究会の動画(02:31:28)は、下記よりご覧いただけます。
<今後について>
引き続き、令和3年2月・3月分は、収録型とさせていただきます。
今春4月以降の会場開催は、通常第2水曜日(12時〜15時)を予定しておりますが、日々刻々と変わっていく新型コロナウイルスの状況、国内外の情勢を鑑みながら、今後も収録もしくは会場開催の判断をさせていただきます。
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