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Luminar AI を操作したので、その感想など

みなさん、こんにちは。ここ最近、いろいろな画像処理ソフトをトライしています。こちらのエントリでは、そんなソフトウェアの中からLuminar AIを使った感覚を書き残しておきたいと思います。

Luminar AIって何?

Luminar AIは、米国Skylum社にて開発されている画像処理ソフトウェアで、AIを使った画像処理を行うと言った特徴があります。

Skylumは、クリエイターの仕事をより快適で効率的なものにするための写真編集ツールの開発に焦点を当てた、国際的な画像処理メーカーです。Luminar AIは、人工知能を使った革新的な技術を使い、高度な画像処理を自動化することで、クリエイターが終始制作プロセスをコントロールしながらも時間を節約できることで、従来よりさらに創造的な活動ができるようアシストします。 - PR Timesに掲載のプロフィールより抜粋。https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/40209

デジタルフォトをやられたことのある方であれば、画像処理ソフトウェアと言うと「Adobe Photoshop」や「Adobe Photoshop Lightroom」などを挙げる方が多いのではないかと思います。

こうした超有名なソフトウェアと違う点は、数クリックで理想のイメージに近い画像を提供するという点にあります。例えばトリミングの際は、画像を解析して自動的に最適なフレーミングを提供しますし、印象的な空、スキントーンと言った補正を自動的に適用することができます。

こうした自動で画像処理を行う仕組みは、Lightroomであれ、CaptureOneであれ、それぞれのソフトウェアが独自にプリセットを設けており、そこである程度及第点の画像が得られるような仕組みはあったと思うのですが、Luminarはこのプリセットの部分を強化したソフトウェア、そんな印象を持っています。

無論、最適かどうかはフォトグラファーの判断によるのだと思いますが、各種パラメータのスライダーを操作して自身が想像するイメージに近づける、というプロセスを省略して効率化を図ろうというコンセプトであると捉えています。

Luminar AIの機能を使ってみました

というわけで、試しにLuminar AIで調整してみました。

スクリーンショット 2022-03-27 12.20.51

Camera :iPhone 12 Pro

最近、天王洲アイルにあるT.Y.HARBORに行ってきましたので、素敵な店舗外観を撮影しました。しかしながらこの日はあいにくの天気で、お店の景観は素晴らしいものの、全体的にどんよりした印象です。この写真を鮮やかな感じに仕上げたいと思います。

掲示した画面はLuminar AIの編集画面ですが、テンプレートのタブから様々なシチュエーションに応じたテンプレートが用意されており、その中から好みのプリセットを選択することで、画像に効果が適用されます。今回はAlbert Dros氏が用意した15のテンプレート「Ultimate Travel コレクション」中から、City - Daylight Greens を選択しました。その結果が以下です。

スクリーンショット 2022-03-27 12.22.50

画像:Luminar AIでCity - Daylight Greens を選択

こうすることで、全体的に暗い傾向の緑を明るくすることが出来ました。ただ、雲が多い一日で、空はどんよりしたままです。そこで、ここに空のディテールを付け足してみます。

スクリーンショット 2022-03-27 12.27.44

空のディテールを付け足すと、快晴であったかのようなビジュアルにすることが出来ます。これまでの画像編集といえば、カラー調整はスライダーを使って色合いを調整していましたし、空の背景を変えるのであれば、別素材からテクスチャをコピーして合成するなど、複雑な作業が必要であったはずですが、ここまでの動作は2クリックであり、数分もあれば終わってしまいます。こうした大胆な変化を僅かな時間で行えるのがLuminar AIの特徴であると言えます。

今回はテンプレートを使った自動補正を行いましたが、一般的な画像処理ソフトと同様の画像調整することも可能です。Luminar AIは色やコントラストの調整だけでなく、空のディテールや、霧のような効果、スキントーンの補正機能が備わっており、画像を見て補正したい部分のみ適用できる、と言った特徴があります。Photoshopでレイヤーを作って重ねる、と言った複雑な操作をせずともある程度Luminar AI内でこなせてしまう点も後発ソフトならではの特徴と思います。

思ったことをまとめてみる

というわけで、今回Luminarを使って思ったことですが、

メリット:数クリックの操作のみで、撮影画像を驚くほどブラッシュアップできる。複雑なレイヤー合成などが不要。
デメリット:リアルで見た景色との乖離。強い印象とリアルな体験・体感のギャップ。

上記のようなことに尽きるのかなと思いました。自身は撮影をした後に画像編集まで行っていますので、実際の景色と仕上がりイメージのギャップで複雑な心境になります。この辺りを打破するためには、実際のロケーションに合わせたテクスチャを収集して適用するなどをすべきなのだと思います。日本で見る青空と、海外で見る青空には違いがあるでしょうから。

そして何よりもフォトグラファーの意思が大事なツールかもしれません。写真は「実をす」と書いて「写真」と読む。クリエイティブと真実にはいい意味でも悪い意味でも差があるわけで、イメージを合致させるビジョンが大事なのではないか、そんなことを感じた次第です。

今回採用したテンプレートについて

今回紹介した「Ultimate Travel コレクション」ですが、LuminarのMarketplace(テンプレート販売サイト)にて購入したものです。このテンプレート、少し特殊な事情があります。このテンプレートの購入した金額がウクライナの人道支援団体に寄付されるとのことでした。

Skylumの開発拠点は、ウクライナのキエフにあるそうです。世界で最悪の事態が展開されている中、ソフトウェアの開発が行われているとのこと。日本にいると、現地のことが分からず、ニュースサイトに出てくる無数の情報を目の当たりにするだけですが、決して他人事ではないということを痛烈に感じてなりません。

自分にできることは何だろうか?と考えた時に、まずはソフトウェアが次々とリリースされることに感謝しつつLuminar AIを使うことや、テンプレート購入を通じた支援活動が思いついた次第です。

なお、Luminar AIは、「NTa2020」というプロモーションコードを購入サイトで使うことで値引が適用されます。

Luminar Neoの登場

Luminar AIの次世代ソフトウェアとして、Luminar Neoがリリースされました。

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ほこり除去や電線の削除と言った機能が追加され、より高度な画像処理が行えるようになっています。このエントリで紹介したテンプレートはこの記事を書いている時点ではLuminar AI専用ですが、近日中にLuminar Neoにも対応できるようです。

いち早い対応・アップデートが望まれる一方、何はともあれ、自分自身の生命を守り、持続的な開発環境の維持をしてほしいとも思うところです。

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Naoto Takazawa
大学を卒業後、約15年間写真スタジオ、写真機材販売、北欧カメラメーカーの日本法人立ち上げなど行う。その後ITベンチャーにてマーケティング業務に従事しながら大学院に通いMBAを取得。現在もスタートアップ企業にて奔走中。

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