Hasselblad CFVについて書いてみます
みなさん、こんにちは。このエントリでは、Hasselblad CFVについて書いてみたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに
長年のHasselbladのユーザであれば、まず真っ先に思いつくのが500C/Mや503CWのような機種かもしれません。ハッセルといえば500C/M、それにツァイスのレンズ!という事でとても人気がありますし、フルメカニカルで作動するあたりも魅力の一つだと思います。
CFVシリーズは、こうした往年の名機のフイルムマガジンがデジタルバックにしたものです。これによりこれまで所有していたHasselbladの資産をデジタル化させることが可能なのです。
CFVの歴史と特徴について
CFVの歴史を振り返ると、だいぶ昔から流通していたように思います。2000年頃から、Hasselbladはデジタル化の変革を迎えており、新しい中判カメラシステムHシリーズをリリースしています。以後はHシリーズの開発に力を入れていくことになりますが、その傍らでVシリーズ(500C/Mや503CWなど従来の機種のシリーズ総称)向けのデジタルバックも用意していました。
性能を見てみると、Hシリーズの機種で2,200万画素、3,900万画素のラインナップがあったのに対して、CFVは1,600万画素のスクエアCCDセンサーを搭載していました。画素数に若干のアドバンテージがあるのですね。ただこれはHasselbladのフイルムが6×6であるからこそのスクエアセンサー。焦点距離も1.5倍の画角になるものの、撮影自体はハッセルそのものなんですよね。
操作感もこれまでと同じで、デジタル撮影が楽しめてしまうことから、アマチュアの写真愛好家を中心に商品の販売が広がっていったように思います。500C/Mはもとより、SWCや200シリーズにも対応。FlexbodyやArcbodyに対応しているということも、ハッセル愛好家にとって好都合な理由だったかもしれませんね。(この辺りは、少々マニアックなのでしょうか。。。)
一点注意すべきとするならば、200系のハッセルの場合は、カメラボディの改造が必要になります。現在改造ができるのかどうかは不明なのですが、ここは本家にお問い合わせしてみてくださいね。
200系の場合、FEレンズが使用できるので、これもまた愛好家にはしびれる展開かもしれませんね。例えばFE 110mm F2 Planarなんて、非常に有名な銘レンズと言われてきました。これがデジタルで使えるというのは感動的です。
SWCを持つ方にとっても朗報ですよね。あのBiogonをデジタルで使える!これもまた感動的な展開です。しかもデジタル撮影ですから、液晶でプレビューもすぐに確認することができます。焦点距離が変わってしまうのは残念なところですが、こうした銘レンズを使えるということは、ある意味イノベーションな出来事のように思えてしまいます。
撮影データと現像について
撮影データは当然、3fファイル形式で保存されます。ですので、専用の現像ソフトウェア「Phocus」や、Adobe PhotoshopやLightroomでもRAW現像が行なえます。私の個人的な見解では、Adobeで処理するより、Phocusでの現像がおすすめです。
理由は明確で、Phocusに備わっている「レンズ補正」機能を使うことで色収差やレンズ歪みを補正することができるからです。現像する際にレンズの情報を追加入力することで、自動的に補正をかけることが可能なので、使わなければ損ですよね。
欠点としては、デジタル的な接続がされていないので、絞りや距離情報を手入力する必要があることでしょうか。覚えていられない!と思いつつも、こうした情報を入力することで画像を改善できるなんて、素敵なことだなと関心してしまいます。
(FE 1700 STL なんていうレンズを持つ人が世界にどれだけいるのだろうか。。。と思うのですが、今までの資産を活用できるのはすごいですね。)
また、Phocusの「シーン・キャリブレーション」という機能が秀悦です。これはレンズごとに生じるレンズコーティングのムラによる色ずれを補正してくれる機能です。この機能を使うと、画像に生じる色ムラを除去できますので、クリアな画像に仕上げることが可能です。
これ、似たような機能がCaptureOneにあるレンズキャリブレーションと言う機能になるのですが、当然ながらHasselbladの3fファイルはCaptureOneで処理できません。また、こうした機能がAdobeには無い(と思う)ので、結論、専用のソフトウェアを使うほうが良いんじゃないか?というのが自身の見解です。
最近のCFV動向について
この記事を書いている現在もCFVシリーズは販売されています。現行機種では5,000万画素のCMOSセンサーを搭載したCFVII-50cや907xなどがリリースされています。今もなお形を変えて商品が作られるということは、それだけ愛好家の力も根強いのかなと思うとともに、やっぱりハッセルの原点はこれだよね、と言うことを思い返される、そんな気がいたします。
最後に
Hasselbladは時代に合わせてカメラの形、撮影の手法を変化させて今日まで撮影機材を提供している素敵な会社ですよね。これらの資産が現行のXシリーズでも活用できてしまう辺り、本当に素晴らしいと思います。
形が変われども、Hasselbladは時代に合わせて最高の写真表現をする人に向けた商品を提供しており、私達も時代に合わせて変化していくことでまだまだアップデートしていける。
ということで、今回のお話を締めくくっておこうと思います。
この記事が参加している募集
大学を卒業後、約15年間写真スタジオ、写真機材販売、北欧カメラメーカーの日本法人立ち上げなど行う。その後ITベンチャーにてマーケティング業務に従事しながら大学院に通いMBAを取得。現在もスタートアップ企業にて奔走中。